ロンドンのゲストハウス
Mon, 23 April 2018

本税年度の個人向け税制改正事項について

個人所得税は低くなりますか。

はい、そういえると思います。収入の内、税金がかからない(税率が0%である)個人控除額(Personal Allowance)が1万1500ポンドから1万1850ポンド(約177万円)に上がります。例えば年2万5000ポンドの給与所得の方の税金は昨年度の(£25,000−£11,500)×20%=£2,700から本年度は(£25,000−£11,850)×20%=£2,630と下がります。高所得者にとっても有利な改正で、基礎税率(20%)が適用される所得金額が3万4500ポンドになりますので、所得の4万6350ポンド(£11,850+£34,500)までは高税率40%がかからないことになります。

個人控除額と所得税率(勤労所得)
税年度2017/182018/19
控除額(税金のかからない所得) £11,500 £11,850
所得税率 基礎控除額を差し引いた
後の所得額
基礎控除額を差し引いた
後の所得額
基礎税率20% ~£33,500 ~£34,500
高税率40% £33,501~150,000 £34,501~150,000
追加税率45% £150,001~ £150,001~

貯蓄や投資に対する税制はどうですか。

上記のPersonal Allowanceに加えて、銀行預金などの金利収入や株式などからの配当所得にはそれぞれSavings Allowance (SA)、Dividend Allowance(DA)が適用され、一定の金額(下記参照)までは非課税です。SAは基礎税率納税者の1000ポンドに対し、追加税率納税者は0ポンドと、税率が低いほど優遇されていますが、DAは所得金額にかかわらず一律の控除額が適用されます。残念なことに、本税年度は、DAの金額が5000ポンドから2000ポンドへと大幅に減額されてしまいました。

金利・配当収入の控除金額
税年度2017/182018/19
Dividend Allowance(DA) £5,000 £2,000
Savings Allowance(SA)
基礎税率納税者
£1,000 £1,000
Savings Allowance(SA)
高税率納税者
£500 £500
Savings Allowance(SA)
追加税率納税者
£0 £0

会社経営をしており、会社から配当を4万ポンドほど受け取っています。どれくらい税金が上がるでしょうか。

配当は次の表のように、前述した所得税と異なる税率が適用されます。配当所得の内、個人控除額とDAを引いた金額が課税金額ですので、2017/18の納税金額(£40,000−£11,500−£5,000)×7.5%=£1,762.50に対し2018 / 19は(£40,000−£11,850−£2,000)× 7.5%=£1,961.25と、198.75ポンドも税金が上がると思われます。

配当所得の税率2018 / 19
基礎税率納税者 7.5%
高税率納税者 32.5%
追加税率納税者 38.1%

初めて不動産を購入しようと思っています。取得税が下がるそうですね。

不動産を購入する際には、Stamp Dutyという印紙税が購入者に課せられます。(税率は下記の通り)2017年11月22日から、初めて不動産を購入する方(First Time Buyer)向けの控除が適用され、購入価格が30万ポンド以下であれば0%、30万ポンドを超える場合は、購入価格50万ポンドまでは超過金額に対する税率が5%になります。ただし、First Time Buyerであっても購入価格が50万ポンドを超えると当控除は適用されませんのでご留意ください。

Stamp Duty税率(居住用不動産)2018 / 19
基礎税率納税者税率
~ £125,000 0%
£125,001 ~ £250,000 2%
£250,001 ~ £925,000 5%
£1,500,001~ 10%
£250,001 ~ £925,000 12%

例えば購入価格が48万5000ポンドだと、取得税はどのくらいになりますか。

First time buyerのStamp Dutyは(£485,000 −£300,000)×5%=£9,250、そうでなければ(£125,000×0% +£125,000× 2%+(£485,000− (£125,000+£125,000))×5%=£14,250ですので、当控除により5000ポンドも得することになります。ちなみに、物件価格が55万ポンドだとFirst time buyer控除が適用されませんので、取得税は、(£125,000×2% +(£550,000−(£125,000+£125,000))×5%= £17,500となります。こうしたことからも、購入価格は50万ポンド内に抑えたいですね。ところで、別荘や投資用不動産のStamp Dutyは前表の税率に3%が追加されますのでご留意ください。

ISA枠に大きな変化はありましたか。

残念ながら昨年度と同じで、1人2万ポンドです。Lifetime ISA(LISA)も昨年同様に4000ポンドです。LISAは不動産購入か老後向けという使途制限付きの非課税口座で、本人の積立額の25%を政府がボーナスとして追加しているスキームです。Junior ISA枠は4128ポンドから若干上がり4260ポンドとなります。

 
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和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

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