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X-Japan Wembley
Wed, 22 February 2017

特別編:帰国までに考えておきたいマネー事項

「英国の銀行口座は維持しておくことは可能なのか」「経済的に送金するにはどうすべき?」など、本帰国に際し、マネー関係の疑問はいくつも浮かんでくるだろう。在英中にどのような処理や手続きを済ませるべきなのか、本誌で「マネー教室」をご執筆くださっているファイナンシャルアドバイザーの和枝ドゥルーリーさんに、帰国予定者によくある疑問にお答えいただいた。

英国滞在中に結構ポンドの貯金が貯まりましたが、ポンド安なので円に換えずしばらく保有する予定です。帰国時の留意点を教えてください。

通常、英国の非居住者になっても口座を保持することは可能です。最寄りの銀行の支店にて日本の新住所を伝えれば、ステートメントが日本の住所に送られてきます。ただし、英国非居住者になりますと新しい口座は開けません。滞在中に金利が高めの定期預金などに預入しておくのも一案です。日本でもポンド建て銀行預金は利用可能ですが、ホームカレンシーである英国内の預金金利の方が競争力はあるようです。

競争力のある定期預金口座例
銀行名タイプ金利(AER)
Tesco Bank 固定定期5年 1.87%
Sainsbury’s Bank 固定定期3年 1.30%
Tesco Bank 固定定期1年 1.26%
Data: Money supermarket 14.1.2017

日本の友人から英国に保持していた口座が凍結されたと聞きました。このまま残していっても大丈夫でしょうか。

数年間、口座に資金の出入りがなかったために口座が凍結されてしまったという話をたまに聞きます。その場合は銀行へ書面にてRe-activate(再開)するよう指示しなければならず、通常はパスポートや住所証明などのID(弁護士などの認証済のもの)も要求されます。日本からこのような手続きをするのは厄介ですので、デビット・カードを利用したり、小口の送金をしたりと、口座を定期的に利用することが重要です。尚、英国銀行のカードは、日本のコンビニや郵便局のATMにて引き出し可能のようです。

効率的で経済的な送金方法を教えてください。

送金手数料は、送金側(英国の銀行)が10~25ポンド、受取側(日本の銀行)が500万円までの送金は最高4000円程度で、銀行間に大きな差はありませんが、為替レートは受取金額に大きく影響してきます。

通常、英国から日本の銀行へポンドを送金する際は、日本の銀行側でポンドを円へ両替し、本人の円口座へ振り込みます。適用為替レートはその日の仲値から通常、4円程度足し引き(スプレッドと呼びます)されて決定されます。例えば仲値が140円の場合、ポンドを売り、円に直す際には136円が適用され、2万5000ポンドを送金すると25,000 x 136 = 3,400,000円の受け取りとなります。

そこで、英国の為替ブローカーを利用することを検討されるといいかもしれません。取引時の市場レートから1~2円と小さいスプレッドで交換してくれます。先ほどの例の場合、通常ポンドを136円で売るところを139円で売れますので、£25,000x139=3,475,000円の受け取りと、7万5000円ほど節約できることになります。為替ブローカーでは、取引金額が大きいほど、スプレッドが小さく、有利な為替レートが適用されます。また、「145円で1万ポンド売り」などと注文を出すことも可能です。

英国滞在中、5年間企業に勤めてナショナル・インシュランス(National Insurance Contribution)を払ってきました。英国の国民年金は受け取れるのでしょうか。

原則的に受給資格を得るにはNICを10年間払うことが必要とされますが、英国と2カ国社会保障協定を締結している国に居住している場合、海外滞在期間は受給資格を計算する年数に数えられますので受給資格は得られると思われます。ただし、受給金額はNIC支払い期間の5年に応じて計算されますのでご留意ください。尚、帰国後でもNIC3(NICのClass3)を払い続けて受取額を増やすことは可能です。現在は週14.10ポンドとなっています。

複数の企業年金があります。帰国に際し一本にまとめた方が得策でしょうか。

帰国後何年も後に、複数の年金の受け取り申請を日本から行うのは事務的に厄介になるかもしれません。英国にいるうちにご本人の個人年金を設定し、各企業年金をトランスファーして一つにまとめるのも一案でしょう。また、一本化したプランのファイナンシャルアドバイザーが英国側の窓口となりますので、年金の管理や受け取りについて助言したり、手続きを代行してくれます。もちろん、トランスファーを検討する際は利便性だけでなく、様々な条件を検証する必要があります。年金のトランスファーに際しては必ず専門家に相談するようお勧めします。

日本居住者に海外資産に関する報告が義務化される制度ができたと聞きましたが……。

恐らく、国外財産調書制度のことですね。平成26年度から施行された制度で、国外資産が5000万円を超える方は、その詳細を税務署に提出しなければならなくなりました。資産には銀行預金、株式などの有価証券はもちろん、不動産や宝石、絵画などまでが含まれます。

*年金運用は資産価値変動にともない元本割れすることもあります。受け取る年金金額は年金原資価値、将来の金利、また税制などにより左右されます。

※ 次回のマネー教室は4月20日に掲載致します。
※ 本コラムのバックナンバーにつきましてはこちらをご参照ください。なるほどマネー教室バックナンバー
※ 当コラムは2017年2月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。

 
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和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

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