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Mon, 21 October 2019

英国の年金について

外国に住んでいると定年に向けたマネー・プランを後まわしにしがちです。どこで、どのように、いくらから年金積立を始めるべきなのでしょうか。英国の年金の仕組みをしっかり理解し、早めに定年計画を立てましょう。

1年前から英国に住んでいます。こちらではどのような年金があるのでしょうか。

政府から支給される国民年金、雇用者が提供する職場年金、独自で手配する個人年金の3つの年金があります。国民年金は給与から差し引かれている(自営業の方は独自で支払い義務のある)社会保険料であるNational Insurance Contribution(NIC)が財源になっています。

国民年金はどれくらい受け取れるのでしょうか。

受給金額はNICを払った年数(Qualifying Years=QY)により決定され、本税年度は35年払っていれば満額の、週£168.60/月£730.60/年£8767.20の新国民年金が受け取れます。受給額はインフレーション(CPI指数)、収入の伸び、2.5%、の指標の中で一番高いものに連動し上昇しています。また少なくとも10年QYがあることが受給条件です。新国民年金は2016年4月に開始され、それ以前に(旧式国民年金により)受給権利を累積されている方は新式の年金より多く受け取れる可能性があります。受給年齢は65歳でしたが、段階的に引き上げられており、2037~39年には68歳となる見込みです。独自の受給見込み額や年齢は下記リンクにて確認できます。

国民年金関連リンク
State pension forecast
www.gov.uk/check-state-pension
State pension age
www.gov.uk/state-pension-age
State pension claim
www.gov.uk/get-state-pension

私は主婦でNI番号さえないのですが、少しは受け取れるでしょうか。

新国民年金では、本人のNIC履歴のみにより受給金額が決定されるので残念ながら受領は不可となります。しかし、お子さんを育てていて児童手当(Child Benefit)を申請していればNICを払ったことと見なされ(NIC Creditといいます)お子さんが12歳に達するまで国民年金受給に必要なQYを得られます。もしくは、後述するNICのClass3をご自身で払いQYを蓄積しましょう。なお、ご主人に旧式国民年金の受給権がある場合は、ご主人のQYに応じて受給できる可能性があります。

QYが10年以下で帰国してしまったら国民年金はもらえないのですか。

残念ながらそうですが、帰国後でも追加でNICを払えますのでQYを増やし、受給権を得ることはできると思われます。帰国後仕事をされていて、英国滞在中は少なくとも3年間働いてNICを払っていればClass2を選択でき、その支払い金額は週£3/月£13/年£156です。それ以外の場合はClass3が適用され、週£15/月£65/年£780 となります。

支払いは英国銀行口座からの自動引き落としを設定すると便利です。なお、受給資格必要年数は将来変更される可能性がありますのでご留意ください。

職場年金について教えてください。

英国では雇用者は社員に職場年金を提供する義務があり、英国居住者、22歳以上国民年金受給年齢、月収833ポンド超の社員は自動的に加入する事になります。法制最低拠出金額も設定されており、合計で収入の8%、そのうち雇用者は少なくとも3%拠出することになっています。言い換えれば、雇用者が3%払うとしたら、社員は5%払わないと職場年金を継続できないことになります。ただ、社員の拠出金には税額控除が適用されますので実際の支払いは4%です。また自動加入後、社員の意思による脱退(Opt-out)は可能です。

年金拠出金の税額控除とは。

本人が払った税金が年金に拠出した金額だけ還付される仕組みのことです。現在年5万ポンドまでの収入の人は20%の税率が適用されています。その人が年金に100ポンド拠出する場合は、払い込み額は80ポンドのみで、20ポンドが年金口座に追加されます(年金会社が還付手続きを代行します)。5万ポンド超の所得のある人は40%、15万ポンド超なら45%の税金を払っていますので、確定申告(Tax Return)を通して年金拠出を申告すればさらに20ポンド、25ポンドの還付金が現金で戻ってきます。

自営業者ですが、個人年金はどうやって設定するのでしょうか。

大手保険会社が提供していますので直接申し込むか、英国ではファイナンシャル・アドバイザー(FA)にアドバイスや申し込み代行を頼む場合が多いです。銀行などのFAは一つか限られた年金プランのみ扱っていますが、独立系FAは英国中の利用可能なあらゆるプランの中から、顧客にとって最適なプランを探してくれます。また、顧客が受給権利のある全ての年金から、将来の受け取り額の試算をし、定年計画を立ててもらうこともできます。

個人年金や職場年金から、いくら受領できるのでしょうか。

昨今の年金はほとんど運用タイプなので、受給年金額は運用利回りや受け取り時の金利などにより左右されます。下の表は、試算は一定の仮定(運用利回り: 年インフレーション+2.4%、プランコスト: 年0.75%、定年時の金利: 1.5%、毎月の拠出金上昇率: 年4%)に基づき65歳時の受給額を計算したものです。例えば40歳から毎月200ポンドの積み立てを開始すると、65歳時に年金基金は8万5900ポンド貯まっていて、月328ポンドの年金(上昇なし)を受け取れると試算されています。

積み立て開始年齢と65歳時の年金受給額

英国の年金について

Data: Aviva your company pensoin scheme guide 6/2018

※ 次回のマネー教室は10月17日に掲載致します。
当コラムは2019年8月時点の法制と税制に基づき一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。専門家の助言なしに記載情報にのみ基づき行動することはお控えください。その場合、筆者は一切責任を負いません。
※ 年金運用は資産価値変動を伴い、元本割れすることもあります。受け取る年金金額は年金原資価値、将来の金利、また税制などにより左右されます。

 
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和枝ドゥルーリー APFS© 和枝ドゥルーリー APFS
日本人ファイナンシャルアドバイザー(CFP)。十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
E-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
Web: www.kazuedrury-ifa.co.uk

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