ニュースダイジェストの制作業務
Tue, 16 August 2022

英国の
愛しきギャップを
求めて

英国に暮らして19年。いまだに日々のあらゆる場面で「へー」とか「ほー」とか「えー」とか言い続けている気がします。住んでみて初めて英国の文化と人々が、かくも奥深いものと知りました。この連載では、英国での日常におけるびっくりやドッキリ、愛すべき英国人たちの姿をご紹介したいと思います。


マクギネス真美マクギネス真美
英国在住のライフコーチ/編集者/ライター。日本での雑誌編集を経て2003年渡英。英国の食、文化、人物、生活などについて多媒体に寄稿。英国人の義母に習い英国料理の研究もしている。
mamimcguinness.com
過去のコラム:英国の口福を探して

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英国流、熱波のしのぎ方

英国流、熱波のしのぎ方

先日、英国で気温40度を超えた地域があり、「欧州に熱波がやってきた」というニュースが日本でも伝えられたため、家族や友人から「英国の暑さが大変らしいけど、大丈夫?」と心配のメッセージがいくつも届きました。

この国に19年間住んでいますが、私が初めてこの国で夏を過ごした2003年の「歴史的」熱波を体験して以来、これほどの暑さは記憶にありません。今回の予報が2週間ほど前から伝えられると、人々はそれぞれの暑さ対策を講じはじめました。

実は、英国にはクーラーのある家庭はほとんどありません。ほとんどないというのはどういうことかというと、在英19年の間にかなり多くの一戸建て、フラット、セカンド・ハウスなどを訪問しましたが、家庭にクーラー(エアー・コンディショナー)を置いているのを見たのは2回だけ、という珍しさです。そのエアコンは、車輪がついていて、各部屋を移動させられる可動式のもの。日本のクーラーのように、家の壁に取り付けてあるものではありませんでした。実際、政府の調査でも、イングランド内でエアコンを設置している家庭は5パーセント程度と推測されています。ということで、今回の熱波でも、大抵の人は扇風機をオンラインでオーダーしたり、家中の窓を開け放したり、半裸になるというのが、英国流の暑さしのぎのメイン対策だった気がします。


そういえば、熱波の予報が出されたとき、子どもたちの学校から服装についての連絡がありました。普段は白いシャツに男子はグレーのズボン、女子はグレー系のチェックのプリーツスカート、そしてネクタイに紺色のブレザー着用がルールです。毎朝、制服のチェックがあり、それ以外の服装は特別な理由のない限り許可されません。それが、熱波の予報のあったすぐに「来週はかなりの暑さが予想されるため、ブレザーとネクタイの着用はしなくていい」との連絡がきました。そしてその翌週には気温39度という予報が出たため、「体操服での通学を認めてほしい」という意見がある保護者から伝えられこともあってか、学校側もそれを許可してくれました。結局、学年末となる最終週には、子どもたちは体操服で出かけて行き、汗だくになりながらもなんとか熱波の中を生き抜きました。

最近は気温20度前後と、通常の英国の夏仕様に戻りましたが、英国気象庁によれば、1750年に比べて熱波の可能性は30倍高くなっているとのこと。日本には涼をとる食べ物がありますが、英国ではアイスクリームくらいしか思い浮かびません。でも、近年の気候変化を考えると、そろそろ酷暑をしのぐ「英国の口福」メニューが登場するころかもしれません。

 
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