ロンドンのゲストハウス
Mon, 23 April 2018
19 April 2018 vol.1505

英、慎重論押し切りシリア攻撃に参加
事後承認求める動きも

メイ首相
14日、シリアに対する軍事攻撃について声明を発表するメイ首相

(ロンドン 4月14日 時事)英国は14日、国内の慎重論を押し切る形でシリアのアサド政権への軍事攻撃に加わった。攻撃には議会の承認が必要だとする声があり、最大野党・労働党を中心に首相を追及する動きも出てきそうだ。

国防省によると、作戦には英空軍戦闘機4機が参加。化学兵器関連物質を保管しているとみられる軍事施設を標的に、空中発射の巡航ミサイルが撃ち込まれた。

労働党のコービン党首は先に「更なる爆撃、殺害、戦争で命は救われない」と述べ、攻撃参加に反対していた。慎重論の背景には、攻撃に加わればロシアの反撃を招きかねないことへの懸念もあるようだ。

コービン氏はメイ首相に対し「(決定前に)議会に諮るべきだ」と主張。同様の声は保守党の重鎮議員ら与党幹部からも上がっていた。

首相には議会の承認を得る法的義務はない。だが2003年に米英主導でイラク攻撃に踏み切った際、当時のブレア首相が事前承認を求めて以降、他国への軍事行動には議会の了解を得ることが慣例化した。

シリアで13年8月に化学兵器が使用された後、当時のキャメロン政権(保守党)はアサド政権への軍事行動の可能性を認める動議を下院に提出したが、労働党の反対に加え、保守党からも造反が出て否決されている。

下院では今回の攻撃参加への「事後承認」が投票に掛けられる可能性があるが、メイ政権は少数政権ゆえに否決されるリスクも排除できない。

メイ首相、シリア攻撃は「ほかに選択肢なし」

(ロンドン 4月14日 時事)メイ首相は14日未明の声明で、シリアのアサド政権の化学兵器能力をそぐため、米仏と共同の軍事攻撃に乗り出したことを明らかにした。首相は「軍事力行使に代わる現実的な選択肢はなかった」と説明した。また「限定的で、標的を定めた上での攻撃であり、地域にさらなる緊張激化をもたらすものではない」と述べた。

メイ首相は「これは内戦への介入ではない。体制転換のためのものでもない」と強調した。首相は更に、アサド政権に度重なる化学兵器の使用をやめさせるために「可能なあらゆる外交チャンネルの利用」を試みたものの、「我々の努力は繰り返し邪魔された」と指摘。国連安保理での独立調査団新設決議案にロシアが最近、拒否権を行使したことも批判した。

 
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