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Tue, 18 June 2019
6 June 2019 vol.1532

【潮流底流】
メイ首相、EU離脱の約束果たせず

5月24日、首相官邸前で辞任演説をするメイ首相
5月24日、首相官邸前で辞任演説をするメイ首相

(ロンドン 5月25日 時事)メイ首相が欧州連合(EU)離脱の約束を守れずに退陣する。2016年の就任から3年足らず。政治生命を懸けた努力は水泡に帰し、英国の不透明な将来と、離脱をめぐる対立が後に残る。涙の辞意表明は多くの人々の同情を誘った。ただ、失敗を招いた原因は首相自身にある。

粘り腰か、頑固者か

「EU離脱を達成できなかったことは大変残念だ」。首相は5月24日の辞任演説で肩を落とし、最後は涙交じりとなった。

在任中はEUとの交渉や議会採決など、修羅場の連続だった。しかし、もうだめだというピンチを「超人的な粘り腰」(元閣僚)で何度もくぐり抜けた。欧州メディアは、首相が今まで持ちこたえたのは「奇跡だ」と驚きを隠さない。

半面、首相は与野党議員から「恐ろしい石頭」「人の言うことを聞かない」と評され、かなりの頑固者で通ってきた。「粘り強さと柔軟性のなさは(首相という)一枚のコインの表と裏だ」(英政治専門家)。

不安・恐怖あおる

首相の「裏側」は重要局面で現れた。今年1月、EUとの交渉の総決算として下院(定数650)に提出した離脱案は、賛成202、反対432の大差で否決された。

勝負がついたのは明らかだった。にもかかわらず首相は、自分の案が「最善で唯一可能な合意だ」と主張。2度、3度と採決にかけ、そのたびに屈辱的な敗北を喫した。野党は「議会制民主主義の否定だ」と非難した。

戦術面でもまずさが露呈した。首相は自案に賛成しない離脱派に「反対すればEU残留だ」と迫り、残留派には「私の案か(混乱必至の)合意なき離脱だ」と警告。不安や恐怖をあおって議員を動かそうとし、心を開いた対話は後回しにされた。

親友なき秘密主義者

首相は秘密主義で知られ、一部の側近を除き、EU離脱方針を公表直前まで知らせなかった。担当大臣が閣議で明かされた内容にがくぜんとし、抗議の辞任に踏み切った例も1度ではない。

根回しせず、「決めたことだから」と押し付ける姿勢は強い反感を招いた。

離脱派と残留派に割れ、互いに譲らない議会。誰が首相でも、一つにまとめるのが困難なのは間違いない。それでも「首相が就任直後から超党派の挙国一致を目指していたら、違う結果になっていたはずだ」(野党議員)という後悔は残る。

 
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