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Mon, 21 October 2019

Emily Brontë's Wuthering Heights / 嵐が丘

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第56回

Emily Brontë's Wuthering Heights
嵐が丘(1992 / 英)

ヨークシャーの田舎に佇む館「嵐が丘」を舞台にした愛憎物語。館の主であるアーンショーの娘キャシーと、アーンショーに拾われてきた孤児ヒースクリフの生涯をかけた愛を描く。

今週のロケ地

監督 Peter Kosminsky
出演 Juliette Binoche, Ralph Fiennes, Janet McTeerほか
ロケ地 East Riddlesden Hall
アクセス London・Kings Cross駅から最寄駅
Keighley駅まで列車で約3時間

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  • 今週は、英北部ヨークシャー生まれの女流作家、エミリー・ブロンテが生前、唯一手掛けた長編小説を映画化した、かの有名なゴシック・ホラー作品……じゃなくて、激しい愛と憎しみに満ちた復讐劇です。
  • いいえジロー君。修正は不要だわ。これは正真正銘のゴシック・ホラーよ! 冒頭の、どんよりとした暗雲の下に広がる荒野の風景、朽ち果てた館の様子からして不気味で、薄ら寒さが漂っているじゃない。
  • ええ、確かに。幽霊も出てきちゃいますしね。ホラーと思えば、ヘビィな愛憎劇も少し違った目線で観られる、かな……。
  • 非常によくその名を知られた作品ですが、僕は原作も読んだことがなくて、ストーリーを詳しく知りませんでした。それで今回初めて観ましたが、昼ドラ的な濃ゆいドラマにすっかりハマってしまいました!
  • 告白します。私、何度か泣いたわ……。運命の人に出会ってしまった場合、その人と添い遂げないと周りまで不幸にするんだわって思い知った。
  • 何か意味深ですけれども。それにしても「嵐が丘」っていう邦題がスゴイです。英文学者の斎藤勇氏の翻訳ですが、思わず唸ってしまう巧さです。ここまで絶妙なタイトルにはなかなかお目にかかりませんよ。
  • 「嵐が丘」は各国で何度も映画化されていて、比較的、1939年に製作された第一作目の評価が高いようだけど、私は本作も楽しめたわ。キャシー役のジュリエット・ビノシュは好きな女優だし、ヒースクリフ役のレイフ・ファインズなんか、この作品で映画デビューしたのよ。ヒースクリフのキャシーを見つめる眼差しが怖すぎるほどで鳥肌ものだわ。しかも舞台が寒々しい北国だから、耐え忍ぶ恋、秘めた思いが一層滲み出るかのようで……。
  • 撮影は国立公園Yorkshire Moorsなどで行われていますが、ヨークシャーの荒涼とした自然が見事に描き出されていますね。あんな場所で暮らしたら人恋しさも募るだろうなあ。目の前にキャシーみたいな女の子がいたら、そりゃ好きになっちゃいますよ。初恋なら尚更一途になるってもんです。
  • だけどヒースクリフは一家の長男ヒンドリーに忌み嫌われ、主人亡き後は召使いとして働かされる身になってしまうのね。
  • ヒースクリフが作業小屋で働く場面はウエスト・ヨークシャーにあるナショナル・トラスト所有の17世紀のマナー・ハウス「East Riddlesden Hall」で撮影されています。
  • そんな「身分違いな恋」であっても、キャシーとヒースクリフはお互いに恋心を募らせていくんですね。そしてある日、2人は上流階級のリントン家の住むスラッシュクロスのお屋敷に足を踏み入れます。キャシーはリントン家の人々の優雅な生活に魅せられますが、ヒースクリフは……。ここが2人の運命の分かれ目でありました。ちなみにスラッシュクロスには、ノース・ヨークシャーのCraven地区にある「Broughton Hall」というジョージアン・カントリー・ハウスが使われています。
  • ところで「嵐が丘」って、丘の名前や地名なんかじゃなくて、因縁のアーンショー家の屋敷の名前なのよね。
  • そうなんです。しかも原作ではファーム・ハウスの設定なのですが、本作では高台で凄みをきかせているゴシック館になっています。この館は撮影のためにノース・ヨークシャーのGrassingtonに特別に建てられたもので、残念ながら実在しておりません。

サユリ、物申す
作者のエミリー・ブロンテは、持てる限りの想像力を駆使して、この凄まじい愛憎劇を書き上げたのね。これが生涯唯一の長編ということで、まさに一筆入魂だわ。 それと、本作では、我らがリューイチ・坂本教授が音楽を担当しているのよね。ヨークシャーの大地に鳴り響く切ない音色が、物語を盛り上げているわよ。それにしても、キャシーの名台詞「私はヒースクリフなの……」は、何度聞いても震えるわ……。

 
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