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Tue, 18 February 2020

An Ideal Husband / 理想の結婚

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第112回

An Ideal Husband
理想の結婚(1999 / 英・米)

ビクトリア朝の英国。政治家のロバートとその妻ガートルードは、お互いを深く愛し、尊敬し合う理想の夫婦として知られていた。しかしある日、ロバートの過去を知る女性が現れ……。

今週のロケ地
Photo: Mari Otsuka

監督 Oliver Parker
出演 Rupert Everett, Julianne Moore, Cate Blanchettほか
ロケ地 Queen's House
アクセス DLR・Cutty Sark for Maritime Greenwich駅から徒歩

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  • 今週は英国濃度が高い大人のロマンティック・コメディーです。時代は19世紀、政界と社交界のセレブたちが繰り広げる恋模様&人間模様といったところですが、最近の捜査対象、こういうの多くないですか?
  • そうね、なぜかしら。ってその前に、デカ長がホリデーから帰って来ないので今週も私がお邪魔しました。デカ長どうしたの? それこそ恋の逃避行か何か?
  • それは100%ないと思いますが、人生の逃避行かもしれません。なんちゃって。
  • あら、100%ないって言い切れることなんか世の中一つもないわよ。「万物は流転する」って言うじゃない。今日はノーでも明日はイエスかもしれないし、その逆もしかりでしょ。この映画のロバート&ガートルード夫妻だってそうじゃない?
  • ロバートには、本作の原作者でもあるオスカー・ワイルド大先生が「ドリアン・グレイの肖像」でも言っていた「恋はいつも自分を欺くことから始まり、他人を欺くことで終わる」っていう名言が当てはまるような気がします。
  • 元来お金持ちじゃないだけに野心家で、汚職に手を染めた過去を隠し持っているロバートは、育ちが良くて聡明で、人生に一点の陰りもないガートルードを愛しているが故に、彼女にとって理想の夫であらねばという意識がどこかで働いちゃっているのよね。ガートルードが自分にそれを期待しているのも分かっているし。つまり彼らは結婚してもまだ恋してる関係なんだわ。
  • 彼らにはワイルド先生の別の名言「夫婦愛とは、互いが鼻についてからやっと湧き出てくるものだ」を贈っておきますか。
  • あはは。同じくワイルドの名言で「正しい結婚の基礎は相互の誤解にある」なんてのもあるわよ。それにしてもさすが、本作の中にも深く首肯したくなる台詞があちこちにちりばめられてるわよね。
  • いやーほんとに。ウィットに富み、時に皮肉を含んだ、気の利いた台詞が満載で、何度も思わずニヤリとさせられました。中でも僕は、ジュリアン・ムーア扮する意地悪な策士、チーヴリー夫人の「どんな金持ちでも、過去をお金で買える人はいない」っていう言葉にハッとさせられましたね。
  • 僕は、アーサーがガートルードに言った「不完全な人ほど愛が必要なんだ」っていう言葉が響きました。まあ、完璧な人なんて世の中にいないわけですが。
  • 私はチーヴリー夫人の「自分を愛すること。それが一生続くロマンスの始まり」ってやつかな。それにしても一本の映画の中で、誰もが一つは自分にピンとくる言葉を見つけられるのってすごいわよね。
  • では最後に、お約束のロケ地情報です。まず劇中に登場するオスカー・ワイルド作「真面目が肝心」の初日舞台には、ロンドンはウォータールーの「The Old Vic」が使われています。またチーヴリー夫人から脅迫を受けた翌日、ロバートがエドワード卿とフェンシングをしている場面には、グリニッジの「Queen's House」が使用されました。
  • そのほか、かつて婚約まで交わしたアーサーとチーヴリー夫人が思い出話をする「クラリッジズ・ホテル」の内観には企業のトップを対象にした、ロンドンのパル・マルにある教育機関「Institute of Directors」が、さらにロバートが熱の込もった演説を行う国会のシーンは、マンチェスターの「Manchester Town Hall」で撮影されています。

サユリ、物申す
ガートルードを演じたケイト・ブランシェットもいいけど、ジュリアン・ムーアの悪女っぷりが圧巻だったわ。プレイボーイの独身貴族で、実は心が温かいアーサー役のルパート・エヴェレットもハマリ役ね。ちなみに本作にはオスカー・ワイルドへのオマージュが随所にちりばめられてるのよ。例えばアーサーが胸元に飾る緑のカーネーションは、かつてワイルドと彼の同性愛者仲間が身に着けていたものだったりとか。分かる人には楽しみ倍増ね。

 
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