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Fri, 29 May 2020

第169回 リーゼント・ヘアとショート・ボブ

ロックンローラーの髪型を「リーゼント」と呼び、それはロンドンのリージェント通りに由来すると英国人の知人に言うとポカンとした顔をされました。英語ではあの髪型をポンパドールと呼び、リーゼントとは言わないとのこと。確かにトップの部分はルイ15世の公妾ポンパドール夫人の髪型に似ているからポンパドールと言いますが、横から後ろにかけての曲線はリージェント通りに似てリーゼントと言うのだ、と寅七も負けません。ところがそれを命名したのは広島県の理容師の小田原俊幸氏で、「リーゼント・ヘア」は和製英語でした。それでは英国人に伝わりませんね。

リーゼント・ヘアリーゼント・ヘア

19世紀初頭、ジョージ3世の摂政(後のジョージ4世)がロンドン北部のリージェンツ・パークと、自宅のあった中心部カールトン・ハウスを直線の大通りで結ぼうとしました。ところがそれでは西部の貴族街で立ち退きが必要になり貴族が大反対。そこでやや東に移されソーホーの歓楽街との境界線となる通りに変わりました。90度の曲線を描いてピカデリー・サーカスにつなげることで、買物客を王室から遠ざけることにも成功。その流れるような曲線を日本の理容師が髪型に例えたのです。

美しい曲線のリージェント通り美しい曲線のリージェント通り

リーゼントはポンパドール夫人の髪型からリーゼントはポンパドール夫人の髪型から

続けて件の知人がショート・ボブの髪型は英国馬の尻尾に由来すると言い出し、今度は寅七がポカンとした表情になりました。ボブは20世紀前半のフランスで流行した髪型ですよね。ポニーテールならそのままポニー(子馬)の尻尾を意味しますがボブというのも馬の尻尾を意味するのでしょうか。彼は自慢げに説明を続けます。

ショート・ボブの髪型ショート・ボブの髪型

17世紀の英国では英国産とフランス産の馬を区別するために英国馬の尻尾を短く切り、意図的に尻尾を立たせることが流行しました。それをボブ(動詞で「短く刈る」)テール(尻尾)と呼び、俗語では雄鶏の尻尾に似ていたのでコックテールとも言われました。やがて18世紀になると大型馬車を引く馬やポロ競技の馬の尻尾は騎手の邪魔にならないよう短く整えられました。おかっぱ頭の髪型はまさにボブテール(短く刈られた馬の尻尾)にそっくりでボブと呼ばれるようになります。

尻尾を切られた馬尻尾を切られた馬

さらに競走馬のサラブレッドだけが長い尻尾を維持し、雑種の馬は尻尾を短くされるようになります。コックテールは雑種の馬の意味でも使われ、いくつか通説があるものの、これがさまざまな酒を混ぜて作るカクテルの語源になったとも言われます。

 
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シティ公認ガイド 寅七

シティ公認ガイド 寅七
『シティを歩けば世界がみえる』を訴え、平日・銀行マン、週末・ガイドをしているうち、シティ・ドラゴンの模様がお腹に出来てしまった寅年7月生まれのトラ猫


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