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日本に本帰国する際の送金方法や日本における英国のキャッシュ・カードの利用などを取り上げた前回に引き続き、帰国シーズンに知っておきたいマネー事項についてお話致します。今回は、英国で加入した年金や保険をどうすればいいかといった質問にお答えします。
滞在中、何社かに勤めまして、それぞれの会社に企業年金があります。数十年後に定年を迎えた際に、日本からそれぞれ年金申請するのが厄介だと思うのですが……。
そうですね。英国にいても異なる複数の会社から年金の申請をするのは大変なのですから、それを日本から、しかも英語で行うのは大変でしょう。また数十年後にはその会社が英国支店を閉鎖したり、他社に買収されたりした結果、年金申請の際の連絡先が分からなくなるということもあるかもしれません。
そこで、英国にいるうちにご本人の個人年金を設定、各企業年金をそこにトランスファーして一つにまとめるというのも一案です。そうすれば英国における民間の年金は一本にまとまりますので、申請の際は該当する保険会社かファイナンシャル・アドバイザーへ連絡するだけで手続きが済みます。また個人年金はご本人のものですので、定年年齢の変更や運用内容、また年金の受け取り方などを自在に決定することが可能です。ただトランスファーを検討する際は、利便性だけではなく、コストや運用内容など様々な条件を調査する必要があります。年金のトランスファーに際しては、必ず専門家に相談するようお勧めします。

英国滞在中にナショナル・インシュランス(NI)を払いましたので、将来は英国の国民年金を受け取る資格があると思います。帰国前にしておかなければならないことはありますか。
英国国民基礎年金はご本人のNI支払い年数により支給額が決定されます。英国滞在中に将来の受け取り額予想を獲得するのも一案だと思います *。予想には受け取り年金額に加えて、現段階と定年時のNI支払い年数が明記されます。
もしNI支払い年数が思っていたより少ない場合、税務当局の記録ミスの可能性もありますので、その場合は英国にいる間にこのミスを訂正するよう手続きを取ることができます。帰国後、長期間経過した後に同じ手続きを取るより、はるかに簡単だと思います。尚、NI番号がないと年金の申請が将来とても複雑になりますので、帰国後はNI番号を大切に保管するようにしてください。
*国民年金の受取額予想の獲得手続きにつきましては、下記のサイトを参照ください。
www.direct.gov.uk/en/Pensionsandretirementplanning/
StatePension/StatePensionforecast
日本へ帰国後、NIを払い続けることは可能ですか。
はい、可能です。「Voluntary Contribution」という拠出をすることができて、この拠出は国民年金の受け取りに必要なNI年数として計算されます。現行は週12.05ポンドで、帰国前に銀行引き落としを設定すると便利です。将来、一括払いで不足分をある程度補足することも可能です。
不動産を売却してから英国を発つ予定です。まとまった現金ができることになりますが、どのように運用すればよいでしょう。
まず、短期的(3年程度)に資金がいくらほど必要になるかを計算してみましょう。当面の生活費や、車を購入するための資金などです。そして日本へ送金するか、英国の銀行に預けて必要な際にすぐに引き出せるように手配しておきましょう。その後、中期から長期にて運用できる資金が残ることになります。
中長期にて保有する場合、株式、公社債、不動産などの銀行預金以外の資産として運用する方が、利回りが良い傾向にあります。一方、独自でこれらの資産を調査したり市場をウォッチするのは複雑で費用もかかりますし、またそうする時間が取れない場合がほとんどです。そこで運用の専門家にお任せするという形を取るのが、投資信託への投資です。
英国には日本ではなかなかアクセスできないような優秀な運用責任者がたくさんいます。英国にいるうちに、彼らの運用する投資信託を利用するのも一案だと思います。無論、これらの投資には元本保証がありませんので、市場動向により資産価格が上下することを念頭に置いてください。

英国で加入した保険があります。帰国後も加入を続けることは可能ですか。
保険会社・保険の種類にもよりますが、一般的に、生命保険は保険料を払い続けていれば加入継続・保険料の申請が可能なようです。一方、がんや脳溢血などの重病と診断された際に保険金が支払われる疾病保険や、病気で就労不能になった際に保険金が払われる生活保障保険は、継続できない場合もあります。仮に継続可能であっても、欧州連合や英連邦の加盟国にある病院にて作成された診断書がなければ保険金を申請できないなどの場合が多いようです。
これらの理由より、できれば帰国後は日本にて保険加入された方が便利と思われますが、まずは帰国後に日本の保険プランを調査、保険料を英国のものと比較し、同様であればその時に英国の保険を解約して日本の保険に加入というシナリオが良いかと思われます。このようにすれば、日本の保険加入まで英国の保険にて「カバー」されますね。尚、英国の保険の解約は、帰国後でも書面にて行うことができます。
* *当コラムにて挙げられたウェブサイトは、情報提供のためのみに引用されています。サイト内容については責任を負いかねますのでご了承ください。
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