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イングランド、スコットランド、北アイルランドと並び、ユナイティッド・キングダムを構成するウェールズは、独特のダイナミックな大自然とケルト神話などに代表される神秘的な伝統文化を誇る国。そんなウェールズの魅力を伝えるべく、ダイジェスト版ウェールズ・ガイドをお届けします。自然溢れる「世界で最も美しい場所」ウェールズを目指して、旅に出てみては。

独自の文化を守り続けた土地
ウェールズの歴史

ウェールズの歴史は長い。ウェールズ人の祖先であるケルト人は、遥か紀元前5世紀頃に鉄器文化を伴ってブリテン島に渡ってきたという。自然を信仰の対象としたケルト人は、ブリテン島全域で暮らし、音楽・詩など芸術をこよなく愛したと言われている。

紀元前100年ごろから、大ローマ帝国軍のブリテン島への遠征が始まり、まもなくブリテン島はローマ人の支配下に置かれたが、大陸でのゴート人との戦いが激しさを増した結果、ローマ軍はブリテン島から引き上げることになった。そしてその後の5世紀半頃からアングロ・サクソン人によるブリテン島攻略が始まったのだ。あの伝説のアーサー王が活躍したのはこの頃。 瀕死のアーサー王が「いつの日か、必ず戻ってくる」という言葉を残して湖に消えていったという言い伝えをウェールズの人々は今でも信じているという。

7世紀に入ると、ほぼ現在のウェールズの位置までケルト人は追いやられ、アングロ・サクソンとは異なる独自の文化を形成していくことになった。しかし11世紀のノルマン人侵略、ウェールズ最後の王子スウェリン・アップ・グリフィスの戦死を経た1284年、時のイングランド王エドワード1世によって、ウェールズはイングランドの支配下に置かれることになった。1485年、ウェールズ人のヘンリー・チューダー伯爵がイングラドの王位に就くと、一層イングランドとの一体化が進んでいき、1536年には法律・経済面でも統合され、英語が公用語となった。さらには 「Welsh Not」というウェールズ語禁止運動が拡がり、ウェールズ語を理解する人口が徐々に減っていったという。

ウェールズ語の教育が再開され、公用語として認められるようになったのはほんの39年前の1967年のこと。最近では、ウェールズ語の保存運動が盛んになり、徐々にウェールズ語を話せる人が増えてきているという。

差別と偏見により失われかけていたケルト文化の復興と発展は現在も続けられている。ウェールズの新たな時代の幕開けは始まったばかりだ。

ウェールズ地図はこちら >>

ウェールズ基礎知識
国名 ウェールズ、ウェールズ語では、Cymru(カムリ)
首都 カーディフ 公用語: 英語、ウェールズ語
首相 ロードリ・モーガン
面積 2万720平方キロメートル
人口 290万3085人(2001年調べ)
国歌 Hen Wlad Fy Nhadau(Land of My Fathers)
国花 ラッパ水仙

ウェールズ? カムリ?
2つの名の由来

現在ウェールズは、英語でウェールズ、ウェールズ語でカムリと呼ばれているが、この2つの言葉の語源を辿ってゆくと、興味深い事実に行き着く。これらは、それぞれ背反する意味を持つ2つの言葉に由来するのだ。

5世紀頃、ローマ人に代わってアングロ・サクソン人がブリテン島での勢力を伸ばし始めたが、彼らはもともとケルト民族が生活していた土地をも侵略した。ケルト人に残された道は、彼らの奴隷となるか、さもなければ北部や西方へ逃げることだったのだが、現在のウェールズにあたる西の山岳地帯に移動したケルト民族は、逃げ延びた先でいくつかの国を築いた。これが現在のウェールズの基盤となっている。

この時、ケルト人たちは自分たちのことを、「仲間」を意味するカムリ(Cymry)と呼んだ。しかしアングロ・サクソン人たちは、西の山岳地帯に逃げ延び反撃に出た彼らのことを、当時の彼らの言葉で「外国人」を意味するウェリース(Weleas)と呼んだのだ。

この時築かれた国はその後発展し、英語ではウェリースに由来すると思われるウェールズ、そしてウェールズ語ではカムリと呼ばれるようになったという。

ウェールズのおみやげ
ラバブレッドウェールズ人は海苔を食べる?!
ウェールズの海苔、ラバブレッド

ウェールズの伝統食を語る時に必ず挙げられるのが、ラバブレッド。ラバとは、ウェールズ海岸の岩場で採れる海苔のこと。特に南ウェールズ、スウォンジーの西岸で採れるものが有名だが、日本の海苔に比べると、少しドロドロしている。ウェールズでは、これをそのままトーストに塗ったり、バターで炒めレモンを絞って食べたり、フライしベーコンと合わせたり、ハンバーグに練りこんだりと様々な料理に利用されているとか。ビタミンやミネラルが豊富なラバブレッドは、健康食としても注目を集めている。

ラブスプーン愛する人の幸運を願って
ロマンチックなラブ・スプーン

ウェールズのおみやげ品の中でもダントツの人気を誇るというラブ・スプーンは、木彫りのスプーンに、ハートや鍵などのモチーフが施されたもの。17世紀頃のウェールズでは、婚約指輪の代わりにスプーンを送る習慣があり、男性は大切な女性を思いながらスプーンを彫り、それに愛を託したそう。あなたも意中のあの人にラブ・スプーンでプロポーズしてみては? ラバブレッドやラブ・スプーンは、ウェールズに行かずして、ウェールズの特産品を入手できる便利なサイト「ウェールズ・ダイレクト」で販売中。www.wales-direct.com

あいさつだけでもマスターしたい
ドラゴン先生のウェールズ語講座

ドラゴン先生Coeso i Cymru(ウェールズへようこそ)! ウェールズ語と聞いて、「英語の方言のようなもの?」と思う人も多いはずじゃ。だが、ウェールズ語は、インド・ヨーロッパ語族ケルト語派の中で現在も生き残っている数少ない言語で、英語とは全く違う言葉なのじゃよ。

ウェールズに入った途端、至る所でウェールズ語の標識・看板を見かけるようになる上、ウェールズの公式資料はすべて英語・ウェールズ語表記だが、残念なことに実際にウェールズ語を話せるウェールズ人は人口のわずか20%ととも言われているのじゃ。

最近は、ウェールズ語の保存運動が盛んになってきたお陰で、若い者でもウェールズ語を習得しようとするようになってきたのはうれしいのう。ウェールズ語を習いたいという者は外国人でも大歓迎じゃよ。簡単なあいさつなどを表にまとめてみたので、ウェールズに来る際には、是非覚えてきておくれ。Pob Lwc(グッド・ラック)!

  ウェールズ語 読み方 日本語  
  Bore da ボーレー・ダー おはようございます  
  Prynhawn da プラーンホウン・ダー こんにちは  
  Noswaith dda ノスワイス・サー こんばんは  
  Nos da ノス・ダー おやすみなさい  
  Wela i chi ウェラー・イー・ヘー またね  
  Hwyl fawr フエイル・ヴォウラー さようなら  
  Diolch デーオルカー ありがとう  
  oes オイス はい  
  nac oes ナッグ・オイス いいえ  
  * カタカナ表記には制限がありますので、実際の発音とは多少異なります。  

ウェールズの町でケルト文化を満喫

堂々たるウェールズの首都
カーディフ Cardiff / Caerdydd

カーディフが名実共にウェールズの首都となったのは、ウェールズに独立した議会が設置された1998年のこと。「市」となってからもまだおよそ100年ほどという、ヨーロッパで最も若い首都だ。もともとは産業革命時に、石炭や鉄を集積する港として栄えた町だが、現在ではカーディフ湾に面したお洒落なウォーター・フロントが建設されたりと様々な変化の波に乗っている。EU諸国から毎年選ばれる「ヨーロッパ文化首都2008」候補地ともなり、これからの益々の発展が期待できる都市。

ロンドンからの行き方
列車:Paddington駅からCardiff Central 駅までおよそ2時間。
カーディフ観光局:www.visitcardiff.info


ここが見どころ

カーディフ城 Cardiff Castle

ミレニアム・スタジアムカーディフの真ん中にそびえる 古城。ローマ人やノルマン人が要塞として使用したという歴史ある城だが、17世紀以降は廃墟と化していた。1766年に石炭の輸出で財を成したビュート公爵家が購入し、現在の形に復元された。建物内部は悪趣味なまでに豪華絢爛だが、庭にはクジャクやアヒルが戯れ、のどかな雰 囲気を醸し出している。
時間 9:30~17:00(3~10月)、9:30~16:00(11~2月)
入場料 ガイド・ツアー付チケット 大人£6.95、子供£4.30、学生£5.60、シニア£5.40
  敷地への入場のみ(建物には入れません) 大人£3.50、子供£2.20、学生£2.95、シニア £2.70
住所 Castle Street, Cardiff, CF10 3RB
TEL 029 2087 8100
WEB www.cardiffcastle.com


テーマパークの元祖
ポートメーリオン
Portmeirion / Penrhyndeudraeth

Portmeirion

海岸沿いに建ち並んだパステル・カラーのカラフルな家、「ピアッツァ」と呼ばれる村の広場、ウェールズに突如として現れたイタリアの町のようなポートメーリオンはユニークな趣向の村だ。

ウェールズ北部スノードニアの南に位置する原野に、ウェールズ出身の建築家クラス・ウィリアム・エリス(1883-1978)が、「自然の美しさを損なうことなく開発を行う」という試みを挑んだのは1925年のこと。見捨てられていたこの土地を5000ポンドで購入したクラスは、見事なイタリア風の街並みを再現した。

この村に入るとまずは、レストラン兼ホテルとして改装さ れたビクトリア朝時代の豪邸「Castell Deudraeth」が堂々と迎えてくれる。村を囲むおよそ70エーカーの異国情緒あふれる庭園は素晴らしいの一言。


ロンドンからの行き方
列車: Euston駅からBangor駅までおよそ4時間。Bangor駅からはタクシーで約45分。
時間 9:30~17:30
入場料 大人£6.50(割引£5.00)、子供£3.50(16才まで、4才以下無料)
住所 Gwynedd LL48 6ET
TEL 01766 770 000
WEB www.portmeirion-village.com


自然豊かなビーチの宝庫

アングルシー島
Isle of Anglesey / Ynys Mon

カーディフが名実共にウェールズの首都となったのは、ウェールズに独立した議会が設置された1998年のこと。「市」となってからもまだおよそ100年ほどという、ヨーロッパで最も若い首都だ。もともとは産業革命時に、石炭や鉄を集積する港として栄えた町だが、現在ではカーディフ湾に面したお洒落なウォーター・フロントが建設されたりと様々な変化の波に乗っている。EU諸国から毎年選ばれる「ヨーロッパ文化首都2008」候補地ともなり、これからの益々の発展が期待できる都市。

ロンドンからの行き方
列車:Euston駅からBangor駅までおよそ4時間。Bangorから島まで列車が出ている
アングルシー島観光局:www.islandofchoice.com
島内ではHolyheadとLlanfairpwllにツーリスト・インフォメーション・センターがあります。

ここが見どころ

ボーマリス城 Beaumaris Castle

Beaumaris Castleエドワード1世が1295年に着工したが、途中で資金が底をついて工事が中止されたという未完の城。しかしながら、完全な左右対称のバランスや城壁の中に城壁があるという珍しい構造上、建築の観点から言って「最も完全な城」と称されることもある。世界遺産指定。
日時 4月1日~5月31日 09.30 - 17.00(毎日)
6月1日~9月30日 09.30 - 18.00(毎日)
10月1日~31日 09.30 - 17.00(毎日)
11月31日~3月31日 09.30 - 16.00(月~土)、11.00 - 16.00(日)
入場料 £3.00(割引£2.50)
住所 Beaumaris, LL58 8AP
TEL 01248 810 361


ここが見どころ

世界一長い名前の駅
Llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch
通称Llanfair(スランバイル)

Llanfair

なんとこのアルファベットの羅列が駅名! あまりにも長すぎるので、通常は「Llanfair(スランバイル)」などと省略されていると言うが、駅にはちゃんと長々とした正式名の看板がかけられている。ただ長いだけではなく、ちゃんと、「激しい渦と赤い洞窟のそばの聖ティシリオ教会と白いハシバミの谷間にある聖マリア教会」という意味があるとか。


www.llanfairpwllgwyngyllgogerychwyrndrobwllllantysiliogogogoch.co.uk
www.llanfair.wales.com


ウェールズの自然に触れる

英国の「グレート・アウトドアーズ」として愛されるウェールズは、野生美溢れる国立公園から、1200キロを超える海岸線まで、変化に富んだ地形に恵まれた自然の宝庫だ。北にはスノードニア国立公園、南には牧歌的なブレコン・ビーコンズ国立公園。そのほか緑濃く静かな谷間、中部の湖、海岸線にあるペンブロークシャー・コースト国立公園など、どれをとっても多彩な景観が広がっている。

広大な自然に癒しを求めて
スノードニア国立公園
Snowdonia National Park / Parc Cenedlaethol Eryri

標高1085メートルのウェールズで最も高い山(!)スノードン山を中心とした山岳地帯一体に広がる国立公園。敷地も広大ながら、険しい山々、長い砂浜、優美な湖、清らかな川などその多彩な自然美に息を呑むこと間違いなし。

荘厳な中世の古城、子供が楽しめる蒸気機関車、ファームなどのアトラクション、カヤック、急流下りなどスリル満点のスポーツなどアクティビティも豊富で、どんなニー ズにも応えてくれる。公園の敷地には、広大な未開地も含まれているため、都会の喧騒から離れ大自然の中でゆっくりしたい人も満足できるはず。スノードニア山では本格的な登山が楽しめるが、のんびりと山歩きをするだけでも十分楽しい。

ロンドンからの行き方
スノードニア国立公園には、いくつかの拠点があります。以下に、代表的な拠点を記しています。
■ スランベリス(Llanberis)
列車: Euston駅からBangor駅までおよそ 4時間。Bangorからバス。
■ ベトゥス・イ・コエド(Betws-Y-Coed)
列車: Euston駅からBetws-Y-Coed駅まで、所要時間およそ3時間45分(Llandudno Junction駅で乗り換え)。
■ マカンスレス(Machynlleth)
列車: Euston駅からMachynlleth駅まで、所要時間およそ4時間(Birmingham High Street駅で乗り換え)。

Snowdonia National Park
Tel: 01766 770274
www.snowdonia-npa.gov.uk

スノードン
1)マムバイ湖(Llynnau Mymbyr)からスノ ードン山を望む
2)スノードニア国立公園の眺め。遠方にはグウィンアント湖(Llyn Gwynant)が広がる
3)小高い丘にポツリと佇むドルバダン城(Dolwyddelan Castle)
4)ロゴには、ウェールズの花、らっぱ水仙とスノードン山があしらわれている


ここが見どころ

スノードン山岳鉄道 Snowdon Mountain Railway

スノードン山岳鉄道スノードン山頂上までの約8キロを1時間かけて登る観光用の鉄道。登山はしたくないが、ウェー ルズの広大なパノラマを見てみたいという人にピッタリ。辛い登りは列車を使い、下りはウォ ーキングという楽しみ方も可能。
発着地 スランベリス(Llanberis)
時間 9:00~17:00(季節により異なるため事前にお 問い合わせを)
料金 <スランベリス~頂上>
往復 大人£21.00、割引£18.00、子供£14.00、
片道 大人£14.00、割引£11.00、子供£11.00
住所 Snowdon Mountain Railway Llanberis, Gwynedd LL55 4TY
TEL 0870 458 0033
WEB www.snowdonrailway.co.uk


the Great Littele Trains of Wales鉄道から眺めるウェールズ
「ザ・グレート・リトル・ トレインズ・オブ・ウェールズ」

ウェールズに残された 「リトル・トレイン」と呼ばれる鉄道路線では、通常よりも細い線路を小さな可愛らしい鉄道が走るほのぼのとした風景が楽しめる。せっかくウェールズに行くなら、この「リトル・トレ イン」での移動も楽しんでみてはどうだろう。牧歌的な風景を眺めながら、ゆったりとした時間が流れるウェ ールズを楽しめること請け合い。
Tel: 01654 710 472
www.greatlittletrainsofwales.co.uk


ウェールズでの移動に便利
Wales Flexi Pass「ウェールズ・フレキシ・パス」

ウェールズ内の主要鉄道とバスのほとんどが乗り放題になる「ウェールズ・フレキシ・パス」はウェールズ観光の強い味方。下記の種類から選べます。

Wales Flexi Pass
Tel: 0845 6061 660(問い合わせ)/ 0870 900 0777(チケット予約)
www.walesflexipass.co.uk


便利帳

ここで紹介した街・国立公園以外にも、ウェールズにはまだまだ素敵な場所がたくさんあります。 更に詳しいウェールズ情報をお求めの方は下記のウェブサイトをご利用ください。

ウェールズ観光局:www.visitwales.co.uk
アドヴェンチャー好きに:www.adventure.visitwales.com
ウェールズを歩く:www.walking.visitwales.com
ウェールズで魚釣り:www.fishing.visitwales.com
ウェールズでゴルフ:www.golfasitshouldbe.com
ウェールズで農場体験:www.farmstaywales.co.uk

 



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