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Thu, 21 November 2019

英国人女性は仕切りが命 バラエティ司会の女たち

日本で放映されるテレビのバラエティ番組では、大物男性タレントが司会を務め、女子アナや若い女性タレントが進行を補佐するというのがいわば基本的な構図となっている。ところがどっこい、ここ英国では男性の力を借りずとも、女性1人で見事な仕切りを見せる司会者がゴロゴロいる。ということで、英国の各界で活躍する女性たちを特集する新企画「英国の女たち」シリーズ第1回のテーマでは、バラエ ティ司会者たちに焦点を当ててみました。

(本誌編集部: 長野雅俊)


内面は脆い冷血動物
アン・ロビンソン   Ann Robinson

63歳、リバプール出身
太縁の眼鏡、首回りの皺 、そして甲高い声。
まさに魔女として適役である

「The Weakest Link」BBC1 月~金 17:15‐18:00
Ann Robinson


BBCの人気クイズ番組「The Weakest Link」の司会者。無表情な顔と声で、クイズの回答者を次々と罵倒していくスタイルを確立して支持を集めた。言葉の暴力で弱い者を痛めつけていく様は、まさに冷血動物そのもの。ただイジメの対象となる回答者の中には、そんな彼女の言葉責めを恍惚の表情で受け入れている者もいる。サゾとマゾが快楽を貪り合う様子を、全国のお茶の間に余すことなく伝えるBBCの懐の深さには頭が下がる。

元々はタブロイド紙の記者として才能を発揮。ダイアナ妃(当時)が摂食障害に陥っていることを暴いた敏腕記者だったという。だが王室の圧力に遭い担当を外され、やがてテレビに活動の場を移すようになった。

バツイチで、2度目の結婚も既に破綻している。アルコール中毒に陥った時期も長くあったようで、割と内面は脆いのかも。そういえば、回答者を苛めているときも声が裏返りそうになっていることがある。アン、無理しなくていいんだぞ。


深刻な顔を作らせたら英国No.1
ケイト・ソーントン   Kate Thornton

35歳、グロスターシャー出身
2006年に「National Television Award」を
受賞したときにはさすがにニッコリ

「X Factor」 ITV 2008年8月頃に新シリーズが開始予定
Kate Thornton


つい最近までオーディション番組「X Factor(ITV)」の司会をやっていたのに、突然クビになった人。英国人の中には、2007年に行われたダイアナ元妃追悼コンサートでのテレビ放送の司会者として覚えている人も多い。

彼女の十八番は、不幸の種を撒き散らしそうなほどの深刻顔。「X Factor」では出場者の落選が告げられる段階になると、目いっぱい眉間に皺を寄せて唾を飲み込みながら判定の瞬間を待っていた。あまりに思い詰めた顔をするので、体のどこかが悪いのではないかと見ていて心配になったほどだ。

22歳でポップ音楽雑誌の編集長に就任した経歴を持つケイト。「X Factor」の司会をクビになり、随分と落ち込んでいるらしいとの噂がタブロイド紙から流れたが、私生活ではクラブ・ミュージックの大御所「Underworld」のメンバーとついに婚約を果たした。5月には出産を控え、今は休業中。どうか幸せになっておくれ。


聖火を奪われそうになりました
コニー・ハック   Konnie Huq

32歳、ロンドン出身
化粧も薄め、等身大の美しさで
子供たちに人気のコニー・ハック

「Blue Peter」 BBC1 月~金16:35‐17:00
Konnie Huq


今年1月まで約10年にわたってBBCの子供番組「Blue Peter」の司会を務め、その前はFIVEの子供番組である「Milkshake」にも出演していた典型的な「お姉さん」キャラ。だがバングラデシュ出身の両親を持ち、ケンブリッジ大学で経済学の学位を取得した彼女は、英国移民が鏡とする「成り上がり」でもある。容姿が美しいために何度も男性誌のヌード写真撮影の依頼があったようだが、なんぼ積まれても頑なに拒んだという。子供番組の司会を長年務めるには、それなりの純潔を維持することが求められるってことなんだろう。

彼女がさらなる注目を浴びたのが、ロンドンで行われた北京オリンピックの聖火リレー。乱入者に聖火を奪われそうになった、そうあの人である。オリンピックの理想を高らかに語り、中国の人権問題についても懸念を示すなど社会派な面もチラホラ。子供とも大人とも語り合える、なかなか奥深い人間のようだ。


夫婦司会でやっています
ジュディ・フィニガン   Judy Finnigan

59歳、マンチェスター生まれ
ジュディの方が8歳年上。典型的な姉さん女房である

「Richard & Judy」 Channel4 6月14日から月~金 17:00‐18:00
Judy Finnigan


夫婦司会で有名なリチャード&ジュディの妻の方。独自のスタイルを前面に出しながらテンポよく仕切っていくのが英国のバラエティ番組司会の主流になっている中、旦那でもある男性司会者のリチャードを立てながら、間合いを計って進めていくところが彼女のセールスポイントとなろう。

2001年までITVで放映された「This Morning」で、爽やかな朝の顔として定着。同番組の終了後も、放映時間と放送局を変更して「Richard & Judy(Channel4)」を開始した。同番組の中で彼らがお勧めの本を紹介する「Book Club」は、国民的な人気コー ナーとなっている。

「This Morning」から合わせたら既に20年も夫婦司会で売ってきたこの2人も、2008年の夏でとりあえず番組を打ち切るのだそう。そう聞くと、この普通のおばさんの声と顔が何とも愛しくなってくるのだから、不思議だ。


その笑顔の奥にあるものは?
ホリー・ウィラビー   Holly Willoughby

27歳、ブライトン出身
ITV系で不定期に放送されているバラエティ番組
「Feel the Fear」。男女対抗形式で過酷な課題に
挑戦するという番組内容は、まさに打ってつけ

「Dancing on Ice」 ITV 2009年1月頃に新シリーズが開始予定
Holly Willoughby


天真爛漫な笑顔と無防備とも言えるほどの人なつっこさで、老若男女から愛されるホリー。自立心旺盛で男勝りな女性が跋扈(ばっこ)するここ英国で、ここまで安心感を与えてくれる女性は貴重な存在だ。

彼女が現在の地位を確立したのは、2004年にITV系でスタートした土曜朝の子供番組「The Ministry of Mayhem」への出演あたりから。司会なのに自ら罰ゲームで頭からペンキを被ったり、泥まみれになったりして、共演する子供たち以上に無邪気にはしゃぐ様は清く美しかった。

街角で出会った素人の恋人探しを敢行する番組「Streetmate(ITV)」では、完璧なまでに優しいお世話役を務めた。その姿は親友のためなら自分の恋もあきらめる、そんなお人好しの女子学生さえ彷彿とさせたほど。

若い頃は「貧乳ウィラビー」と呼ばれて馬鹿にされ続けてきたという。ところが今年3月に最新シリーズが終了した、芸能人たちがフィギュア・スケートの演技を競い合う番組 「Dancing on Ice」では、胸のパックリ開いた衣装を着て登場し、「家族で見る番組としては刺激が強過ぎる」との苦情が発生。昔一緒に泥んこ遊びしていた幼馴染みが、久しぶりに会ったら急に大人びた女性に変貌していてびっくりした、そんなイメージだろうか。

実生活では、「The Ministry of Mayhem」の番組プロデューサーと昨年結婚している。こういうタイプって、意外と抜け目がない。


人生相談、仕切ります
トリーシャ・ゴダード   Trisha Goddard

50歳、ロンドン出身
彼女の仕切りによって、英国人家庭の道徳観が
形成されているといっても過言ではない

「Trisha Goddard」 Five 月~金 10:30‐11:30
Trisha Goddard


自身の名前がそのまま番組名となった人生相談企画「Trisha Goddard(Five)」は、彼女の仕切りなくしては成り立たない。平日の朝っぱらから不倫、家庭内暴力、借金地獄と、世の中で思いつく限りの不幸を一般人がさらけ出していくこの番組。非常識な生活に感覚が麻痺し切っているゲストに対してギョロっと目をむいて詰問し、会場とお茶の間の「あんたらおかしいんじゃないの」という雰囲気作りをしていく手腕は見事だ。彼女に同調して溜め息をつく英国人を、これまで何度見たことか。

トリーシャの尋問に加えてDNA検査なりウソ発見器なりが気安く登場してくるので、警察の取り調べと比べても遜色ない。時たま泣き出す出演者に対して彼女が温かい言葉をかけているが、これなぞベテラン刑事が出す温かなカツどんを思わせる。

ロンドン東部ハックニー生まれのタンザニア育ち、若かりし頃はスチュワーデスとして働いていたというトリーシャ。司会業に転じた後に始めた、現在の番組の前身である「Trisha(ITV)」が大ヒットするも、契約をめぐって経営陣とトラブルが生じたためにこの番組から身を引いた。そして心理カウンセラーなどの共演者を何人か引き連れて、別局で「Trisha Goddard」を開始したのだ。ほぼ同じ番組形式で、しかも番組名をなぜかフルネームに格上げしている。

結婚は過去に3度経験。最初の夫は実は同性愛者だったことが後に判明し、2人目の夫には産後直後に浮気され離婚した。いや、あんたの人生もすごい。


古傷抱えたスナックのママ
デビーナ・マコール   Davina McCall

40歳、ロンドン出身
3月中旬に放映されたBBCのチャリティ番組 「Sport Relief」
でも、ラジオ司会者のクリス・モイルス(写真左)への
熱烈な応援などで番組を盛り上げた

「Big Brother」 Channel 4 2008年夏頃に新シリーズが開始予定
Davina McCall


世界中の教育関係者から「低俗番組」との烙印を押される実験ドキュメンタリー 「Big Brother(Channel4)」の司会者。ただでさえ批判が絶えないこの番組にして、この人あり。サービス精神が旺盛なのだが、どうも頑張ろうとする気持ちが裏目に出てしまうことが多いようだ。

例えば番組観覧者からの暴言を煽ったとして、放送監視機関の調査対象になったことがある。水着が似合う出演者をインタビューする際に、なぜか自身も水着になっておばさんの肢体を見せつけた結果、視聴者から「醜い」と苦情が殺到した事件もあった。水着姿を披露してこの種の苦情を受ける女性司会者って、広い世界を見渡してもそんなに多くいないだろう。つまりは司会者としての行動をいつも逸脱しているのだ。日本で中年の女子アナが同じことをしたら、袋叩きにされるに違いない。

それでもめげずに己の司会業を貫き通す強い意志は、波乱万丈の人生によって培われてきた。若き頃は歌手を目指すもすぐに挫折し、パリの有名なキャバレーである「ムーラン・ルージュ」のオーディションに落ちたことも。ロンドンのクラブでホステスとして働き出したら、薬物中毒に陥り人生の階段を大転落。実は元彼の、英国が誇るギタリストであるエリック・クラプトンが彼女を懸命に支え、やがては現在手掛けるテレビ司会業に落ち着いたという。

「あなたは生き方が不器用なんだ」ってお客に言われていた、スナックのママを思い出す。


スケバン司会者
ファーン・コットン   Fearne Cotton

26歳、ロンドン出身
ライブの仕切りでも、座りながらの対談でも、
なんでもこなす万能型の司会者だ

「Fearne and Reggie’s Request Show」BBC Radio1
毎週土曜日 16:00‐19:00
Fearne Cotton


威圧感さえ覚えるカミソリのような鋭い目。どんな大物に対しても決して媚びない堂々とした態度。きっと、彼女にはスケバン刑事のような長いスカートとヨーヨーがよく似合う。

BBCで2005年まで放映されていた人気音楽番組「Top of the Pops」や、ラジオ番組「Fearne and Reggie’s Request Show(BBC Radio1)」での司会を始めとして、音楽系の番組への出演が印象強い。それはきっと、バンドマンたちを仕切るのが上手いからだろう。派手な衣装と突飛なメイクで着飾った複数の男たちに取り囲まれても、彼女は絶対に萎縮しない。それどころか、必ずしもおしゃべりが上手くない彼らロッカーたちと波長を合わせながらも、肝心なところはスパスパっと仕切っていく光景はあっぱれの一言。こういう風に男付き合いができる女性って、どんな場所でも重宝されるんだな。現在、テレビ番組のレギュラーは持っていないようだが、すぐに大役を任されることであろう。だって使い勝手がいいんだもの。

実生活においては、やっぱりロックないしポップ系の男性ミュージシャンとの交際歴が豊富。そういえば、ロックの祭典「ライブ8」のときには、オンエア中にロビー・ウィリアムズにも口説かれていた。ちなみに現在の彼氏は米国人のスケートボーダーだという。どうやらストリート系にも強いようだ。彼女の体全体に11個あるといわれるタトゥーが今、疼(うず)いている。

 
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