ニュースダイジェストの制作業務
Tue, 19 March 2024

東南アジアのレストラン

ぞうさん

フレッシュな野菜や香草をふんだんに使い、
マイルドでデリケートな味が人気の
アジア系エスニック料理。
すっきりした味わいは、
夏に向かうこれからの季節とも相性ぴったりだ。
今回は、東南アジア各国の自慢の味が楽しめる、
ロンドンならではの8軒をご紹介。
日本人にもなじみの深い東南アジアのやさしい味、
お気に入りを再確認してみては。

取材: Sayaka Hirakawa ①〜④ / Tora Chestnut ⑤〜⑧

1
「ごちゃごちゃ」が楽しい、店内も見所のモダン・マレーシアン
Champor Champor

Champor Champor
写真上段)奥からCrispy Soft Shell Crab: Five Spice, Salt & Pepper £9.75
King Prawns in Yellow Turmeric and Crab Meat Curry £16.95

ロンドン南西部に目下建設中の市内で一番高いビル、「シャード・ロンドン・ブリッジ」のふもとで、おしゃれなカフェやギャラリーの点在するバーモンジー地区。近頃急速に注目されつつあるこの界隈で、11年前から親しまれてきたマレーシアン・レストランがこちら。ヘナで描かれた赤い牛の壁画や、ちょっとこわもてのお面など、アジア各地のエッセンスが凝縮された店内は、「ごちゃごちゃ」を意味する店名にぴったり。メニューはハーブやスパイスを効かせたモダンなマレーシア料理が中心。殻ごとカリカリに揚がったワタリガ二は、5種のスパイスが素材の自然な甘みを引き立てる人気の一品。数あるカレーの中から一つを選ぶなら、新鮮な車海老のイエロー・カレーがお勧めだ。さっと揚げた車海老と食感の良い野菜のハーモニーが至福の味。下のフロアを見下ろすように一席だけ用意されている、中2階のメザニン・テーブルは、特別なデートの際にいかが。

店名 Champor Champor
住所 62-64 Weston Street SE1 3QJ
TEL 020 7403 4600
最寄り駅 London Bridge 駅より徒歩10分
オープン ランチ 月~金 11:30–14:30  
ディナー 月~土 18:00–22:00 
日休
Website www.champor-champor.com

2
アジアの味が融合、おいしいところ取りのパン・アジアン・フード
Great Eastern Dining Room

Great Eastern Dining Room
写真上段)左からPumpkin Gyoza £5.50 Chilli Salt Squid £6.95 Prawn Har Gau £5.75

中国、タイ、ベトナム、日本など、ぐるりと環太平洋料理を網羅するパン・アジアン・レストラン。当店を含め5軒のレストランを経営するオーナーのウィル・リッキー氏が、各地を旅する中で、特別惹かれた味だけをメニューに取り入れた。この店の人気メニュー「チリ・ソルト・スクイッド」は、フェンネルやカルダモンを混ぜ込んで揚げたイカのパリパリした食感と、スパイシーなスイート・チリ・ソースの相性が格別。シェフのオリジナルである、チリやガーリックを効かせたカボチャ餃子は一味違った風味が魅力だ。寿司やてんぷらにひねりを加えた、モダンな和食も充実しており、甘みのある秘伝の味噌に一晩じっくり寝かせたフレーバー豊かなサーモンは、日本人の心を溶かしてしまうこと間違いなし。店内はダイニングのほか、居心地の良いソファー席が並ぶバー・エリアも。豊富なカクテルとともに、巻き寿司や飲茶などのバー・メニューを試してみるのもお勧め。

*このお店は閉店しました

店名 Great Eastern Dining Room
住所 54-56 Great Eastern Street EC2A 3QR
TEL 020 7613 4545
最寄り駅 Old Street 駅より徒歩5分
オープン 月~金 12:00-15:00 & 18:00-22:45
土 18:00-22:45 
日休
Website rickerrestaurants.com/
greateasterndiningroom

3
真っ赤な外観が目を引く、ロンドン・スタイルのタイ・フード
Rosa's Soho

Rosa's Soho
写真上段)左からSeafood Mouse in Butternut Squash £12.99 Venison in Black Pepper Sauce £11.99
写真中段)奥からThai Calamari £6.25 Fresh Spring Roll £6.25

ロンドン東部、ブリック・レーン近くのマーケットで屋台を営んでいた夫婦が、2010年にオープンしたタイ・レストランの姉妹店。ありきたりなエスニック調をすべて排し、赤を基調にしたミニマル・モダンなインテリアに統一したところが、おしゃれ感度の高いソーホー地区にぴたりとマッチし、いつも満席の人気店に。目も舌も満足できるよう計算された「タイ・カラマリ」は、ドライ・チリ、グリーン・ペッパーなどのハーブを衣に混ぜ込んで作る、オーナーのオリジナル・レシピ。野菜の生春巻は辛みを抑えてピーナッツ・ソースを使うなど、伝統的なタイの味にロンドナー向けのアレンジが加えられている。お勧めは、バターナッツを丸ごと使った「シーフード・ムース」。イカ、海老、ムール貝といった贅沢な海の幸が、ココナッツ・カレーのムースに包まれ、くり抜かれたバターナッツの器に。卵と魚のスープが溶け合ったまろやかな味わいに、思わずため息がこぼれる。

店名 Rosa's Soho
住所 48 Dean Street, London W1D 5BF
TEL 020 7494 1638
最寄り駅 Leicester Square / Piccadilly Circusより徒歩5分
オープン 月〜木 12:00 – 22:30 
金・土 12:00 – 23:00 
日 13:00 – 22:30
Website https://rosasthai.com

4
インドシナ各国の味を初めてロンドンへ持ち込んだパイオニア
Banana Tree

Banana Tree
写真上段)The Legendary Rendang Combo £8.90 /2.95
写真中段)奥からNgho Hilang Soya Filo Roll £5.20 Spicy Green Papaya Salad £5.90

ロンドンに6店舗を構える「バナナ・ツリー」は、今年で開店21周年。インドチャイナ・フードと銘打つこの店では、「レモングラスが生える地域」と呼ばれる、インドと中国の間に位置した国々の味を楽しめる。それぞれに少しずつ違った特色のある料理だが、使うハーブやスパイスが共通しているため、同じテーブルに並ぶと不思議とすべてに調和が生まれる。「ロンドンで一番おいしい」と評判の「ラクサ」は、マレーシアやシンガポールで親しまれるココナッツ・ミルクがベースのカレー・スープ。魚のうまみが香るスープと、米粉と麦粉、2種の麺の食感が優しく豊かな味わいだ。インドネシアの伝統料理「ランダン」もこの店自慢の一品。ココナッツ・ミルクに各種ハーブを加えた、水を使わない濃厚なカレーで6時間煮込んだビーフは、口の中でほろほろと崩れる極上の味。セットを選べば、ジャスミン・ライスやヌードル・サラダが付き、バランスの取れた食事に。

店名 Banana Tree
住所 237-239 West End Lane, London NW6 1XN
TEL 020 7431 7808
最寄り駅 West Hampstead駅より5分
オープン 月〜土 12:00-23:00 
日 12:00-22:30
Website www.bananatree.co.uk

5
ロンドンでも数少ないミャンマー料理店
Mandalay Burmese Restaurant

Banana Tree
写真上段)奥からTwice Cooked Fish Curry £7.50 Shrimp & Bean Sprout Fritter £4.30 Rice Noodles in Fish Soup £7.50
写真中段)Dried Shrimp £3.20

アラブ系の店が立ち並ぶエッジウェア・ロードにあり、知らなければ通り過ぎてしまいそうな何の変哲もない佇まいのこちらは、ロンドンでも数少ないミャンマー料理の店。オーナーのアリーさんが18年前に開いた。奥様が料理を担当、アリーさんがフロアを仕切り、アルバイトの学生らが料理を運ぶ様子は、アット・ホームな定食屋さんという雰囲気だ。国を代表する料理の一つ「モヒンガー(Rice Noodles in Fish Soup)」は、魚から出汁を取ったスープに、米麺、豆や米の粉、レモングラス、バナナの茎などが入った麺料理。スープは一見重そうだが、ミャンマーでは通常、朝に食されるだけあり、実はさっぱりとしており、そうめんのような細さの麺ともよく合う。ほかにも、油にうまみを見い出す中華と、スパイス使いに秀でたインド料理を融合させたミャンマーの味の数々がいただける。メニュー選びに困ったときはアリーさんにご相談を。気軽に通えるリーズナブルな価格設定もうれしい。

*このお店は閉店しました

店名 Mandalay Burmese Restaurant
住所 444 Edgware Road, London W2 1EG
TEL 020 7258 3696
最寄り駅 Edgware Road駅より徒歩5分
オープン 月〜土 12:00-23:00 
日 12:00-22:30
Website www.mandalayway.com

6
辛さ色々! 自家製ソースで味が光るマレーシアン
C & R Restaurant

C & R Restaurant
写真上段)奥からMixed Seafood with Homemade Spicy Sambal Sauce £11.00 Satay Chicken £5.50 Satay Lamb £6.00 Seasonal Green £7.00
写真中段)Singapore Laksa £7.00

ココナッツ・ミルクやチリ・ソースが特徴の、南国マレーシア料理がいただけるのがこちらのレストラン。自家製チリ・ソースのバリエーションが豊富で、鋭い辛さや、辛さの中に甘みや香ばしさを感じるものなど、料理ごとに驚くほど異なる辛さが体験できる。これらのソースについては「マレーシアでは店や家庭によって秘伝の味があり、それが料理のうまさにつながるから、作り方は内緒」だそうだ。季節の野菜の炒め物は、好みのソースを選ぶスタイルで、スタッフの一押しは、海老を使った「サンバル・バラチャン」。刻み唐辛子入りソースで、噛むほどにソースに含まれる海老の風味と炒めた野菜のうまみが引き出されていく逸品だ。デザートには、「マレーシアかき氷(Ice Kacang)」や「ココナッツのパンケーキ巻き(Kueh Dadar)」など、ココナッツ・ミルクやパーム・シュガーで甘みを調えた南国らしいスイーツがそろう。チャイナ・タウンにある姉妹店では、レストランというより定食屋さんという感覚で気軽に食事を楽しめる。

*このお店は、現在C & R IZAKAYAとして営業しています。

店名 C & R Restaurant
住所 52 Westbourne Grove, London W2 5SH
TEL 020 7221 7979
最寄り駅 Bayswater駅より徒歩8分

7
カンボジア出身のオーナーが一人腕を振るう
Lemongrass

Lemongrass
写真上段)奥からFresh Ginger Egg Fried Rice £2.90 Lok Luk Fillet Steak £8.60
写真中段)Garlic Lemon Mushroom £4.80

タイやベトナム料理、中国の中でもあっさり系の潮州料理の要素が融合し、更にはフランス植民地時代の食の影響も残るカンボジア料理は、各国の味覚の「いいとこ取り」から誕生した。店の名の通り、レモングラスやショウガを用いた、香りの良い料理が特徴だ。人気の前菜「ガーリック・レモン・マッシュルーム」はシンプルな料理だが、生ではなくあえてドライ・ガーリックを使うことで香ばしさを引き立たせた、レモンの酸味が爽やかな炒め物。カンボジア料理を代表するスープ(Cambodian Seafood)は、パイナップルやトマトの甘さと酸っぱさを同時に味わえる、スタッフの一押しだ。店内は赤いライトのイルミネーションでデコレートされ可愛らしい雰囲気。奥にあるオープン・キッチンに目を向けると、次々に来る注文をさばき、一人寡黙に腕を振るうオーナーの後ろ姿が目に入る。一皿一皿丁寧に、しかも手早く作るその背中は頼もしい限り。足しげく通ってくる常連客が多いというのも頷ける。

店名 Lemongrass
住所 243 Royal College Street, London NW1 9LT
TEL 020 7284 1116
最寄り駅 Camden Road駅より徒歩2分
オープン 月~土 17:30-23:00 
日休

8
新鮮な野菜が決め手のヘルシーなベトナム
Cay Tre

Cay Tre
写真上段)奥からPho (Corn-fed Chicken, Beef, Hanoi) £9.00 Sun-dried Squid and Green Mango Salad £8.50 Wild Shrimp Fresh Rolls £5.00
写真中段)Grilled Calamari and Okra £8.50

ベトナム料理のレストランが多いオールド・ストリート界隈でも人気の高い「Cay Tre」が、昨年5月、ソーホーに姉妹店をオープンした。白と黒を基調にしたインテリア、柔らかい照明、スタッフが着る鮮やかなピンク色のシャツなど、モダンな雰囲気でヨーロピアンからも支持を得ている。平たい米麺の入った、野菜たっぷりのヌードル「フォー」は、ベトナムの国民食と言われるだけあり、バラエティーも豊かだ。フォーに添えられたホーリー・バジルは独特の苦みを持つが、新鮮だからこその爽やかな香りで食欲を刺激する。長時間煮込んだというだけあって、スープはさっぱりとした中にもビーフのうまみが凝縮している。聞けば、「しっかりとした味付けを好むヨーロピアンの口にも合うよう、香りと味の具合を日々改善している」のだとか。ビールのつまみにぴったりな「イカとオクラのグリル」は、オクラをイカの足に見立てた遊び心のある盛り付けが楽しい。締めには、ベトナム産の苦いコーヒーと練乳を混ぜたベトナム式コーヒーをぜひ。

店名 Cay Tre
住所 42-43 Dean Street, London W1D 4QA
TEL 020 7317 9118
最寄り駅 Leicester Square 駅より徒歩5分
オープン 月~土 12:00-23:00 
日 12:00-22:00
Website www.caytresoho.co.uk

より大きな地図で 東南アジアのレストラン を表示
 
  • Facebook

*本文および情報欄の情報は、掲載当時の情報です。

Embassy 202403 JRpass

英国ニュースダイジェストを応援する

定期購読 寄付
ロンドン・レストランガイド
ブログ