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Sun, 15 December 2019

Wilde / オスカー・ワイルド

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第49回

Wilde(1997 / 英)
オスカー・ワイルド

19世紀の耽美主義を代表する詩人で劇作家のオスカー・ワイルドの後半生に焦点を当てた伝記映画。愛人アルフレッド・ダグラス卿との関係を中心に描く。

今週のロケ地

監督 Brian Gilbert
出演 Stephen Fry, Jude Law, Michael Sheenほか
ロケ地 Malmaison Oxford(元Oxford Prison)
アクセス Oxford駅から徒歩

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  • 自分を愛することは一生のロマンスの始まりである」「人を善悪で区別するなんて馬鹿げている。人は魅力的か退屈かのどちらかだ」「全く気にかけない人には、いつでも親切でいられるものである」——以上、オスカー・ワイルドの名言の数々ですが、さすが、言い得て妙ですねえ。
  • 「仕事とは、他になすべきものをもたない者の逃げ場である」なんていうのもありますよ。今ドキッとした人、いるでしょう!
  • 「不満とは、個人及び国家における進歩の第一段階である」なんてーのも、何かと言い訳に使えそうな一句だな。
  • と、すっかり名言特集みたいになってますが、仕切り直しまして、今回の捜査対象は、19世紀にアイルランドが生んだ耽美派詩人で劇作家、オスカー・ワイルドの後半生を追った伝記映画です。医師の父と作家の母の下に生まれ、天賦の才に恵まれたオスカー・ワイルド。「サロメ」「ドリアン・グレイの肖像」など、多数の名作を生み出している文豪であることは、もはや言うに及ばずでしょう。
  • しかし良家の娘と結婚して子供も2人、幸せな家庭を築きながらも、30歳を過ぎてから同性愛に目覚めてしまい、波瀾の人生を送ることになるんだよな。
  • 作家、俳優、司会者、また映画監督などもこなす英国のインテリ・マルチ・タレント、スティーブン・フライが、オスカー役に扮しています。彼は実生活で同性愛者であることを公言しているうえ、佇まいや風貌が本人に近いということもあり、適役でしたね。
  • 加えて我が儘で気まぐれな美青年、愛人のボージーを演じたジュード・ロウも、まさにハマリ役じゃないですか。そうそう、本作はあのオーランド・ブルームがスクリーン・デビューを果たした作品でもあるんですよ。端役といえどもあの美形ですから目立ってますね。
  • ちなみに、オスカーが道端で、オーランド演じる若い男娼に目を留めるシーンは、ロンドンのCity界隈、Addle Hillという通りで撮影されています。
  • オスカーが初めて男性に性的魅力を覚えた場面でもあるね。まさか後にその男色趣味を訴えられ、愛する青年の父親と法廷で争うことになろうとは、このとき、知る由もなく……。
  • 法廷のシーンは、Cityにある法曹院「Middle Temple」が使われていますね。また、オスカーが青年たちと「猥褻な行為」を行ったとされるホテルは、South KensingtonのSouth Audley Streetにある「Cadogan Hotel」の118号室です。このホテルは当時、オープンしたばかりだったのに、この事件でいきなり悪名高きホテルになってしまったんですね。まあ、今ではそれも語り種となっているわけですが。
  • 結局、オスカーは裁判で負け、刑務所に2年もの間、収容されてしまう。ここで著しく体調を崩したことが、後になって命取りになってしまったんだな。
  • 刑務所のシーンは、かつてOxfordに存在した「Oxford Prison」で撮影されています。この刑務所は1996年に閉鎖され、以後数年間、 映画のセットとして使われていましたが、その後、なんとブティック・ホテル「Malmaison Oxford」として生まれ変わっています。イカつい外観に刑務所時代の名残が見られますが、館内はラグジュアリーでスタイリッシュ。なんというか、英国らしいギャップですね。

デカ長、物申す
何はともあれ、オスカー・ワイルドの先進的で自由な精神に乾杯したい。結局のところ彼は、自分の心に正直に、気持ちの赴くままに生きたのだ。晩年は不遇の日々を送り、寂しい葬儀だったと言われるが、心から愛した人々に見送られて本人は満足だったんじゃないかな。では最後にもう一つ名言を。「誘惑から逃れる唯一の方法は、誘惑に屈することである」。

 
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