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Sun, 15 December 2019

The Imaginarium of Doctor Parnassus / Dr. パルナサスの鏡

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第66回

The Imaginarium of Doctor Parnassus
Dr. パルナサスの鏡 (2009 / 英・加・仏)

年齢が1000歳を越えるパルナサス博士が座長を務める謎の旅芸人集団は、人の欲望を具現化するという摩訶不思議なショーを行っていた。しかしこの見せ物を続けているのには深い訳があり……。

今週のロケ地

監督 Terry Gilliam
出演 Heath Ledger, Christopher Plummer, Verne Troyer ほか
ロケ地 Leadenhall Market
アクセス 地下鉄Bank / Monument駅から徒歩

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  • 今週の捜査対象は、モンティ・パイソン唯一の米国出身メンバー、テリー・ギリアム監督の、おなじみ奇妙奇天烈ワールドがたっぷり味わえる作品です。
  • しかしギリアム監督というと、とにかく多難な人という印象だよな。「未来世紀ブラジル」が米国で内容を改ざんされて公開され、配給元のユニバーサルと大揉めしたことに始まり、「ドンキホーテを殺した男」と題する作品を撮ろうとしたものの、多くの不運や災難に見舞われた挙げ句、撮影を断念せざるを得なくなったり。まあ、この、もはや笑うしかない状況をドキュメンタリーにまとめ「ロスト・イン・ラマンチャ」として公開してしまう不屈の精神は、アッパレ! としか言いようがないが。
  • 金策に手こずって頓挫した作品も、いくつかありますしね。本作でも途中、資金繰りに困り、監督自身、仕事場までバス通勤してたらしいですよ。
  • 金策もまあそうだが、それより今回は撮影中にヒース・レジャーが急死するという、思いもよらない悲劇に見舞われてしまった。本作で、ヒース扮するトニーがタロットカードの「吊られた男」のごとく、首を吊っているシーンがなんとも……。
  • あのシーンはテート・モダンの西側、Blackfriars Bridgeで撮られていますが……。ギリアム監督とヒース・レジャーは、2005年の「ブラザーズ・グリム」で出会って以来、ともに信頼し合う親友のような関係だったんですね。それだけにショックが大きく、またしても作品のお蔵入りが危ぶまれましたが、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウの3人を代役に立てるという妙案で危機を乗り越えました。
  • ヒースの急死を耳にして、トム・クルーズが代役に名乗りをあげたらしいが、監督はこの申し出を断ったらしいじゃん。
  • はい、ヒースとプライベートで付き合いがあった身近な友人を、どうしても使いたいという思いがあったようですね。
  • カナダで撮影予定だった「幻覚体験」のシーン以外は、既にロンドンで撮影を済ませていたことも、不幸中の幸いでした。
  • それにしても本作の舞台は2007年なんだな。1000歳を越えるパルナサス博士を始め、旅芸人たちの風貌があまりにも寓話的だから、あえて時代設定をしていないのかと思ったよ。
  • 現代のロンドンの街並みの中ではあの一団は浮いてますよね。ちなみにあの移動式の芝居小屋が登場する場面のロケ地となったのは、①酔っぱらいが絡んできて自業自得に陥る冒頭: Southwark CathedralとBorough Marketの並びにある高架下「Green Dragon Court」、②ゲーム好きの少年が誤って鏡を通り抜けてしまうシーン: ロンドン市庁舎の並び、タワー・ブリッジを眺める「Potters Field」と呼ばれる敷地、③一座に加わったトニーが、おばさん集団を勧誘してくる場面: New Southgate駅の南、Station Road 3番地にあるDIYストア「Homebase」、④パブで飲んでいる女性を無理矢理一人、鏡の中に取り込もうとしてトラブルになるシーン: Clerkenwell Close にあるパブ「The Horseshoe」の前、⑤お金持ちの奥さん連中が鏡の世界に夢中になってしまうシーン: シティ界隈にある「Leadenhall Market」、といったところでしょうか。本作を気に入った人はぜひ一巡してみてはいかがでしょう。ふと不思議な芝居小屋に出くわすかもしれませんよ……。

デカ長、物申す
誰もが認める才能を持ちながらも困難に見舞われることの多いギリアム監督は、自身の紡ぐ物語を誰にも聞いてもらえなくなったパルナサス博士に自らを重ねて本作を書き上げたんだとか。それにしても善悪、欲望、エゴ、夢などの概念をここまで想像力豊かにビジュアル化できるのは、ギリアム監督しかいないね。以前ポシャった「ドンキホーテを殺した男」に現在、再び取り掛かっているとの噂だから、期待して待とう!

 
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