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Tue, 20 August 2019

Breaking and Entering / こわれゆく世界の中で

映画の舞台裏を捜査する!特捜シネマ刑事
第77回

Breaking and Entering(2006 / 英・米)
こわれゆく世界の中で

再開発で移り変わるロンドンの街を舞台に、男女の関係の中で生じる複雑な心の揺れ動きを描いた大人の恋愛ドラマ。

今週のロケ地Breaking and Entering
監督 Anthony Minghella
出演 Jude Law, Robin Wright, Vera Farmiga ほか
ロケ地 Camden Lock Market
アクセス 地下鉄Camden Town駅から徒歩

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  • 今週は大人の恋愛ものということで、久しぶりにサユリさんをお迎えしました。
  • どうもご無沙汰。実は私、今あんまり恋愛映画って気分じゃないんですけど。
  • あれれ、そうなんですか。国中がいまだロイヤル・ウエディングの余韻に浸り、幸せ気分を分かち合ってるっていうのに。まあ本作は、いわゆるハッピー・ハッピーな恋愛ものとはちょっと違いますけどね。
  • そうね。でも、時代性や社会的背景をさりげなく織り込みつつ、行き詰まった男女の複雑な心の機微を気の利いた会話で浮き彫りにしていて、とってもロンドンらしい作品と言えるんじゃないかしら。
  • 監督・脚本は、2008年に弱冠54歳で他界したアンソニー・ミンゲラ。「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー監督賞を受賞し、2001年には大英帝国勲章も受勲している名監督ですね。惜しくも本作が遺作となってしまいましたが……。
  • あらすじをロケ地とともにざっとお伝えしますと、ロンドンの再開発計画を進める建築家のウィルは、10年来のパートナー、スウェーデン人と米国人のハーフであるリブと、彼女の連れ子で自閉症を患うビーとともに運河沿いの瀟洒な家—こちら、Primrose Hill近くのSt. Marks Crescent 4 番地のフラットが使われました—に暮らしているのですが、主にビーのことが原因で、2人の関係はかなりぎくしゃくしています。
  • そんなある日、キングス・クロスに新設したオフィス—実はハックニーのDace Roadに立つ「Ironworks」で撮影されているんですが—に強盗が入る。ウィルは犯行グループの一味だった少年ミロが、ボスニアからの難民で、母アミラと2人暮らしであることを個人的につきとめます。そしてなぜか警察に届けず、自らこの親子に近づき、挙げ句、アミラに恋してしまいます。この親子が暮らすフラットのシーンは、South HampsteadのRowley Wayに立つ「Alexandra Road Estate」で撮影されました。
  • そのほか、ミロが登場するシーンで「Camden Lock Market」や、Muswell Hillの「Alexsandra Palace」も出てきますね。
  • この映画を観た多くの人が感じたと思うけど、ジュード・ロウ扮するウィルの役柄が、彼の私生活そのものなんじゃないの?って思わせるのよね。観ていてなんだか無性に可笑しくなっちゃうところがあって。感情豊かですぐにその気になっちゃう男、つまり恋愛体質の男って、可愛さ余ってときにちょっと滑稽に映らない?彼のファンにとってはそこがまた魅力的なんだろうけど。
  • 滑稽かどうかは分かりませんが、ジュード・ロウが出た途端にたちまち恋が展開しそうな雰囲気が醸し出されるのは、ある意味すごいと思います。僕も頑張らなきゃ。
  • 頑張ってどうにかなるもんじゃないのよタロウ君。繰り返すようだけど、この作品はチャラチャラした恋愛映画ではないの。ウィルとリブの会話の端々に表現される気持ちの微妙なズレや緊張感なんか、とてもリアルで切なくなるし。その上、ウィルが恋するイスラム教徒のボスニア難民である母アミラを演じているのが、これまた「恋多き系」のジュリエット・ビノシュ様なのよね。濃ゆいわ。
  • でも、ストーリーはそれなりにシリアスですが、重くない。全体に漂う雰囲気もどこか軽妙じゃないですか。
  • それが「大人の恋愛映画」って言われる所以なのよね、きっと。

デカ長、物申す
天井を「突き破って」オフィスに「侵入した」少年。煮詰まった関係を「壊して」新しい世界へ「踏み出そう」とする男。原題の「Breaking and Entering」が絶妙ね。男女間に限らず、人と人の関係ってときに本当に難しいし、そんな中で過ちを犯してしまうこともある。よくある話といえばそれまでだけど、コミュニケーションってやっぱり一番骨が折れて、大切な作業だと思うから、そういう意味で興味深く観たわ。

 
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