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Wed, 24 April 2024

40%〜80%引きは当たり前! from France

パリなどフランス各地でこのほど、恒例冬のソルド(バーゲンセール)がスタートした。セールの中心はなんといっても冬物衣料が中心だが、暖冬の影響で売れ行きが伸び悩み、在庫を抱えた業者が40%〜80%の大幅な値下げを断行し、消費者を喜ばせている。

そもそもフランスには「プロモッション(Promotion)」と「ソルド(Solde)」と呼ばれる2種類のバーゲン・セールがある。違いを簡単に説明すると、「プロモッション」の場合は業者がバーゲン期間中に売れ筋の人気商品を再仕入れすることが可能だが、「ソルド」は「在庫整理のために、ある一定期間中は、大幅な値下げが許容される」という「ソルド法」に基づき、売れ行きのよい商品があったとしても商品を再入荷することは認められてない。

ここで、日仏の異なる商取引のちょっとした違いを説明する必要がある。一度に商品をたくさん仕入れる百貨店などは、仕入れの段階で業者に仕入れた商品分の代金を支払う。日本の場合、商品が売れ残っても、百貨店は在庫を仕入れ業者に返品すればお金が戻ってくる。しかし、フランスでは一度仕入れた商品を返品することはできない。そこで政府は「ソルド法」を制定し、百貨店を含む全ての小売店に年2回、数週間という限定された期間に破格の値下げすることを認め、在庫整理できるような救済制度を設けたのだ。

近年では不景気も手伝い、懐具合の寂しくなった一般市民の購買時期が「ソルド」に集中しており、百貨店などでは年間売り上げの15〜20%に相当するという。そのためソルドに向けてわざと商品を多く仕入れる傾向になっているが、例年にない大幅な値下げは、この作戦が裏目に出てしまった最悪のパターンといってもよいだろう。

本当の意味での「在庫整理」となった今年、家計簿の帳尻を合わせるのに必死な一般市民にとっては願ってもないチャンスだが、売る側にとっては暖冬どころじゃなく、厳しい冬を迎える羽目になったといえる。

「Le Parisien」紙 "Solde de vraie bonnes affaires"

 
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