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Tue, 19 March 2024

日本のチャリティー支援のために走った英国人 ロジャー・バーマンさん Roger Berman

日本在住歴が30年以上になる英中部リバプール出身のロジャー・バーマンさんは、4月28日に行われたヴァージン・マネー・ロンドン・マラソンに海外からの一般ランナーとして参加しつつ、日本のチャリティー団体を支援するチャリティー・ランを行った。自分の行動を社会貢献に結びつけようとするバーマンさんに、そのモチベーションについて話を伺った。

ロジャー・バーマンさん

まず始めに、どのような経緯で日本にいらっしゃったのでしょうか。

昔バックパッカーだった頃、旅行先として訪れたのが最初です。その後一旦英国に戻りましたが、「再び日本に行ってみたい」と思ったので、バイトをしつつロンドンの学校で日本語を学び、1985年に再び日本へ。それから現地で2年半ほど語学学校に通った後、キャラクターやブランドのライセンスを扱う日本の会社へ就職し、英国と日本を結ぶ橋渡しとして働きました。現在は同じ分野で独立し、東京で会社を経営しています。

今回応援した「NPOみらいの森」(以下みらいの森)との出合いを教えてください。

みらいの森を知ったのは今から約3年前、日本在住の英国人が月1回集まる「ブリッツ・アット・ランチ」という昼食会でした。そこでみらいの森のスタッフの方が、日本国内を自転車で500キロ走って資金を募るファンドレイジングで同団体を支援したKIWL*1の活動についてプレゼンをしたのです。みらいの森の理念は「児童養護施設にいる子供たちに、アウトドア活動や多文化を通じて、生きる力を身に付けてもらう」というもので、それまで自分の会社のCSR活動*2に力を入れていた私にとって、スポーツ活動を通じたチャリティーは好感が持てました。

また、学生の頃からトレッキングなどに親しんでいたので、大自然が持つ人間を育てる力を知っていたことも大きかったですね。親がいない、虐待された経験があるといった、さまざまな事情を抱えて児童養護施設で生活する子供たちは、英国と違い日本ではタブー視されることすらあります。こういった子供たちをサポートする団体の活動からファンドレイジングの方法に至る全てが、私の価値観と一致していたのです。

*1自転車やランニングなど、スポーツを通じてファンドレイジングを行う団体Knights in White Lycra
*2「Corporate Social Responsibility」の略称で、企業の自主的な社会貢献のこと

そこからなぜロンドン・マラソンでファンドレイジングを行おうと思ったのでしょうか。

私はランニングが趣味なのですが、その延長で前述のKIWLと一緒に55キロのチャリティー・ランを企画・開催しました。同団体がサポートしている児童養護施設の子供たちとも交流する、という企画で、これを各ランナーたちが企業や友人に宣伝し、寄付金を募るというものでした。既にチャリティー・ランは私にとって身近な存在だったわけです。そんな折、出場倍率がとても高いロンドン・マラソンの海外一般枠に当選したのです。あの舞台で走るなら、チャリティー・ランをやってみたい、と思ったのは自然な流れでした。

私が走り、宣伝することで団体の活動内容がより多くの人に伝わっていきますよね。子供を支援する団体は他にもたくさんありますが、みらいの森なら自分にとって近い関係だし、実際的な活動も見ているので、ここを支援したかった。走ることは自分のためでもあるけれど、それだけでは甘いと個人的に思っています。自分の行動が誰かに対しても意味を持つような、責任を持った活動を行いたい。今回は自己ベストを更新できるよう頑張ります。*3

*3バーマンさんは20分ほど自己ベストを更新されました!

 

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