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Wed, 24 April 2024
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ロンドンで次世代の若者たちが語りつくすG7広島サミット レガシー・プロジェクト「若者たちのピース・キャラバン」

11月1日、ロンドン東部のオックスフォード・ハウスでトーク・イベント「若者たちのピース・キャラバン」が開催された。これは今年広島で行われたG7サミットにちなみ、広島の平和推進プロジェクト「へいわ創造機構ひろしま」(HOPe)が企画したもので、G7各国の16~27歳の若者が地球の未来について語り合うイベントの一環。欧州ではロンドンのほかパリでも行われ、その後11月12~19日には米国とカナダでも開催されている。

イベント終了後に笑顔を見せる参加者たちイベント終了後に笑顔を見せる参加者たち

当日は日本から5人、英国から5人の計10名の現役学生たちが、核兵器問題をはじめ地球規模で取り組む課題についてそれぞれプレゼンテーションを行った。トップバッターを飾ったのは沖縄出身で立教大学在学中の 神里晏朱 かみざと あんじゅ さん。食糧の過剰な生産と食品ロスが環境問題にまで発展していると述べ、その対策として昔から日本に根付く「もったいない」の精神を世界に広げようと説いた。一方、ロンドン在住でHult International Business Schoolで学ぶドイツ人学生ヴィクトリア・ヌーマー(Victoria Newmer)さんは、留学生らが購入しなくてはいけない「取りあえずの家財道具」は資源や金銭の無駄と考え、物品交換のプラットフォーム構築を提案。ビジネスとしての可能性を示唆した。

プレゼンテーションをする神里さんプレゼンテーションをする神里さん

3人目は、同志社大学在学中の 越智歩 おち あゆむ さん。環境問題を解決するには、まず幼いころから自然に興味を持ってもらうことが必要だとし、単なるセオリーではなく感情に訴えかける学習プログラムを推奨した。次に登壇したCity University of London在学中のステファニー・ダノ(Stephanie Danho)さんも、環境問題と発電エネルギーの推移について語り、現在は太陽光発電が増加している事実を踏まえ、今後何ができるかについて述べた。

5人目はただ一人高校生としてイベントに参加した広島県立広島叡智学園高等学校の 黒瀬陽音 くろせ はるね  さん。小柄な体型のためマイノリティーとして過ごした自身の体験から、ヒューマン・ライツに興味を持ち始め、世界平和とは「戦わない」だけではなく、自分を愛し他人を認めることだと考えるに至った経緯を述べた。これに呼応するようにダイバーシティーについて語ったHult International Business Schoolで学ぶイタリア人学生ベアトリス・カンテリ(Beatrice Cantelli)さんは、優れた若い人材が国境を越えて活躍できるようなシステムの構築が必要だと説いた。さらに、世界の平和のためにも、グローバルな視点で物事をとらえ、海外の文化への理解も示せる人材が育成されるべきだと持論を展開した。

プレゼンテーションのため登壇したステファニー・ダノさんプレゼンテーションのため登壇したステファニー・ダノさん

7人目は広島出身で東京大学在学中の 庭田杏珠 にわた あんじゅ さん。「Rebooting Memories」と題したプレゼンテーションでは、原爆被爆者家族のモノクロ写真のカラー化という2017年から自身が携わっているプロジェクトについて発表。遠い昔のこと、他人事にすら思える戦前のモノクロ写真がAIと人の手でカラー化されることで、つい最近の写真のようによみがえる。風化していく戦争の記憶、戦前の暮らしを今一度新たな眼差しで見ることができ、平和について再認識をうながすツールとしてアプリ化も行われた。またこれは、戦争を体験していない者がどうやって過去の戦争を語り継げばいいのか、というところから出立したと述べた。

質疑応答で意見を述べる庭田さん(写真中央)質疑応答で意見を述べる庭田さん(写真中央)

同じく平和について考えたのはUniversity of Law在学中のトマス・ノブ・ダリ―(Thomas Nobu Daly)さん。憲法が平和にどう関わっているかを、日本の憲法第9条をはじめ英国や母国カナダの法律を基に考察。平和憲法である9条を、法律を知らない一般の人に伝えるにはどうしたら良いのかということから、小学校から法律の授業があっても良いはずだと発表した。

9人目は慶応大学在学中の 中本結子 なかもと ゆいこ さん。日本ではコロナ禍の際にアートや文化が贅沢品として切り捨てられたこと、それに対し、今回ロンドンを訪れて美術館や博物館に無料で入場できることに驚いたことなどを話し、改めてアートの重要性について語った。また、パブリック・ディプロマシーとしてではなく、民間から立ち上がってきた本物のアート、本当の文化が他国に伝わることの重要さについても述べた。アートは生きていく上での希望につながるので、そうした文化を学ぶ機会を増やすべきだと締めくくった。そして最後を飾ったのはUniversity College Londonで学ぶアリス・プリンガルト(Alice Pringault)さん。性差や人種、宗教の違いを超えて、地球という社会の一員(グローバル・シチズン・オブ・ザ・ワールド)として生きていくためには、何が必要なのかを改めて考察。ほかの9人と同様、プリンガルトさんも教育の重要性を説いた。

終了後、参加証をもらうヴィクトリア・ヌーマーさん終了後、参加証をもらうヴィクトリア・ヌーマーさん

このイベントでは、次世代を担う10人による革新的かつ画期的なアイデアの数々が紹介されただけでなく、プレゼンテーション後に設けられたディスカッションの時間では、短いながらも日本と英国の若者の知識交換の場となりお互いの理解が深まった。イベントは和気あいあいとした雰囲気のなかで終了し、参加者へは会場から大きな拍手が送られた。

会場にはG7広島サミットの写真や、庭田さんのプロジェクトの紹介も会場にはG7広島サミットの写真や、庭田さんのプロジェクトの紹介も

 

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