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ニュースダイジェストの制作業務
Wed, 30 September 2020

異文化相互理解を深めるための ビジネス文化塾

日本人と英国人が、一つの職場で働く際の問題点とその解決方法を指南する

グレアム・ロレンス グレアム・ロレンス Graeme Lawrence 異文化コンサルタント。30年間の日系企業勤務を経て、現在ジャパンコンサルティングオフィス(JCO)の英国代表として活動。日英翻訳も手掛ける。静岡県立大学国際関係学部卒。2019年のSOASビジネス日本語スピーチ・コンテスト優勝。
https://graemelawrence.com

第10回 日本人はナノ・マネジメントをする!

日系企業の欧州子会社で働く英国人のフラストレーションがたまる要因の一つに、日本本社によるマイクロ・マネジメント(過干渉)があります。「日本サイドはマイクロ・マネジメントの範囲を通り越し、『Nanoマネジメント』までやっている!」と顔を赤くした英国人ビジネスマンから不満を聞かされたこともあります。

英国人が特にマイクロ・マネジメントを受けていると感じ、神経質になりやすいのが、情報の共有が要求されている場合です。日本人の上司、あるいは日本本社へ提示する情報が極端に細かく管理されていると感じてしまうと、英国人は提示する業務報告の量や頻度を段々減らしていきます。「提供する情報が細かければ細かいほど、些細なミスを追求されるから息苦しい」と感じる英国人社員もいます。

日本人駐在員や日本本社は、口で言わなくても自動的な報告を期待しますが、それは英国人社員に伝わっていない可能性があります。異文化コミュニケーション研修のワークショップで「英国人スタッフは定期報告をしない」と愚痴をこぼす日本人がいる一方、英国人側に聞いてみると、「だって、頼まれてもいないのに、報告資料を作るはずはないでしょう。忙しいから」というような返事が返ってきたりします。両者の間に期待ギャップが生じていることは明らかです。

日本人から聞くもう一つの不満は、「報告を受けたとしても、その内容は期待外れの場合が多い」ということです。会議の際に質問に対する答えが噛み合っていない、または「英国人の説明が長過ぎて、論点が分からない」こともよく挙げられます。

さて、どうすれば必要な情報を英国人社員から提示してもらえるでしょうか。一つの案は、日本人が求める情報を網羅する「報告書のひな型」を配り、その利用を定着させることです。日本人は写真や図などのビジュアルな情報を好む傾向がありますので、ひな型を提供しながら、その点を英国人スタッフに説明したらいかがでしょうか。きっと理解してくれます。

ビジュアルの情報は確かに効果的ですが、ここで注意していただきたいことがあります。英国人から「日本人が作成するパワーポイント資料は情報があり過ぎて、見づらい」という意見をよく聞きます。英国人が読みたくなる資料を作るためには、特に英語のフォントに気を付ける必要があります。不用意に和文フォントで英文資料を作成したことはありませんか。アルファベットを使う言語のネイティブ・スピーカーが和文フォントで書かれた英文を読むと、何となく違和感を覚えます。些細なことに思われるかもしれませんが、「この人のプレゼンは上手」と言われたい方は欧文フォントを慎重に選んだ方がいいと思います。同様に、英文資料では日本語の記号を使わないようにしましょう。和文フォントで英語版ウェブサイトを出している日本企業がありますが、ネイティブ・スピーカーからすれば、内容的に問題がなくてもデザイン的にあまりプロフェッショナルに見えないため、そのウェブサイトを読み飛ばしたくなります。

上述のような細かい注意を払うことでプレゼン資料の印象が良くなり、効果も増すので、ぜひ検討してみてください。

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