ロンドンのゲストハウス
Sun, 18 February 2018

ロンドン読書散歩 - 英国の子供たちが読んで育った本 - 絵を楽しむ、言葉を味わう

英国の子供たちは、どんな本を読んで育ったのだろう。
幼いころにはお母さんやお父さんに読み聞かせてもらい、
成長するにつれて自ら夢中になってページを繰った絵本や小説の数々。
今回は、現在ロンドンの街の至るところに設置されている
本のインスタレーション「BookBench」50点のうち、
特に子供たちに愛されている本18冊をピックアップ。
小さなお子さん向けの絵本から、大人も夢中になって読める本までをご紹介。
(写真: Nana Suzuki)

BookBenchとは?

現在、ロンドン各所に鎮座している、開いた本の形をしたインスタレーション。英国における読み書き能力向上に努めるチャリティー団体の「The National Literacy Trust」と、パブリック・アートのイベント・プロデュース団体「Wild in Art」によるプロジェクト「Books about Town」で、ロンドンと何らかの関連がある本50冊が選定され、プロのイラストレーターや地元アーティストによって物語のイラストが描かれている。インスタレーションは9月15日まで展示された後、オークションが行われる予定。収益はThe National Literacy Trustの活動のために使われる。 www.booksabouttown.org.uk

City Trail シティエリア


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  1. Jacqueline Wilson
    ジャクリーン・ウィルソンの著作本 ジャクリーン・ウィルソン

    親の離婚や養子縁組などの社会問題を取り入れながらも、子供たちの生き生きとした日々を描き、世界各国で人気の高いジャクリーン・ウィルソンの児童小説。養護施設で生活するおてんばな女の子、トレイシーが主人公の「トレイシー・ビーカー」シリーズや、性格の異なる双子の女の子、ルビーとガーネットの成長をユーモアいっぱいにたどる「ふたごのルビーとガーネット」などからお気に入りの一冊を探して。

  2. Mary Poppins
    「メアリー・ポピンズ」シリーズ P. L. Travers

    メアリー・ポピンズ

    バンクス夫妻の子供たちの面倒を見るために、東風に乗って現れた不思議なナニー、メアリー・ポピンズが主人公の人気シリーズ。愛想が悪く厳格なのに、路上に描かれた絵の中に導いてくれたり、磁石を使って世界の北から南までを瞬時に旅したりと、摩訶不思議な現象を繰り出すメアリーに子供たちは夢中。ちなみにバンクス氏が勤めているのは、このベンチが置かれているシティ・エリアにある銀行という設定だ。

  3. Katie in London
    「ケイティ、ロンドンへ」 James Mayhew 「ケイティ、ロンドンへ」

    ケイティはおばあちゃんに連れられて、弟のジャックと一緒にロンドンへ。何もすることがないと思っていたら、トラファルガー広場で話をする石のライオンと出会って友達に。ライオンに案内されて、ロンドン塔やバッキンガム宮殿を回っていく。ジェームズ・メイヒューが文とイラストを手掛けるこのシリーズには、ほかにもケイティがスコットランドを訪ねたり、名画の中に入り込む話などがある。

  4. Alex Rider
    「アレックス・ライダー」シリーズ Anthony Horowitz

    アレックス・ライダー

    英国と言えば、ジェームズ・ボンドが活躍する007シリーズを始めとするスパイものの宝庫。数あるスパイ小説の中でも、お子さんにぴったりなのが、10代の少年、アレックス・ライダーが諜報部員となって活躍するアンソニー・ホロヴィッツ著「女王陛下の少年スパイ! アレックス」シリーズ。スパイだった叔父を殺されてしまったアレックスは、その復讐を遂げるため、苦難の末に英国諜報部員となる。

  5. The Wind in the Willows
    「たのしい川べ」 Kenneth Grahame たのしい川べ

    1908年の出版以来、英国の風光明媚な田園風景を舞台に動物たちが織り成すこの物語は、世代を超えて愛され続けている。同じ川べでも住む場所の異なるモグラやアナグマ、ヒキガエルたちは、英国の階級社会を表しているとも言われる。動物たちの可愛らしい冒険をお子さんとわくわくしながら楽しむも良し、当時の社会背景にまで思いを馳せて読み込むも良し。長い年月を経て幅広い世代に支持される本作の魅力を探ろう。

  6. The Laura Marlin Mysteries
    「ローラ・マーリン」シリーズ Lauren St John

    ローラ・マーリン

    孤児のローラ・マーリンは、コーンウォールに住む親戚の家へ引き取られることに。大好きな推理小説の登場人物のように、スリルに満ちた生活を送りたいと新天地に向かったローラは、様々な謎に出くわす。アフリカで野生動物に囲まれて育ったというローレン・セントジョンが描く本シリーズには、ハスキー犬のスカイが登場。セントジョンはこのほか、アフリカに暮らす11歳の少女マーティーンのシリーズなども執筆している。

  7. Riverside Trail テムズ川沿い


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  8. From the Gruffalo to Scarecrows:
    The World of Axel Scheffler and Julia Donaldson

    グラファロからカカシまで:
    アクセル・シェフラー とジュリア・ドナルドソンの世界
    Author: Julia Donaldson. Illustrator: Axel Scheffler グラファロからカカシ

    ジュリア・ドナルドソンの文章とアクセル・シェフラーの絵は、誰もが一度は目にしたことがあるのでは? 自分を襲おうとする動物たちを追い払うために怖い怪物の話をつくり出したねずみが、想像通りの怪物「グラファロ」と出会ってしまう「グラファロ」シリーズや、ほうきに乗った魔女とねこどんが仲間たちを増やしていく「まじょとねこどん ほうきでゆくよ」など、リズミカルな言葉が心地良いお話がいっぱい。

  9. Clarice Bean
    「クラリス・ビーン」シリーズ Lauren Child

    クラリス・ビーン

    大家族の一員であるおしゃまな女の子、クラリス・ビーン。たまには静かなひとときを過ごしたいのに、異性のことで頭がいっぱいのお姉ちゃんや引きこもりがちのお兄ちゃん、部屋をシェアしている弟やコーンフレークにスープをかけちゃうおじいちゃんたちのせいでいつも大騒ぎ! カラフルなイラストに、文字の大きさや形の異なる個性的な文章が付いたチャーミングな本は、眺めているだけでも楽しい気分に。

  10. How to Train Your Dragon
    「ヒックとドラゴン」シリーズ Cressida Cowell

    ヒックとドラゴン

    バイキングの少年ヒックと、歯がない子ドラゴン、トゥースレスの友情と冒険を描いたクレシッダ・コーウェル作の「ヒックとドラゴン」シリーズ。ヒックは一人前と認められるためにドラゴンをてなづけなければならないが、捉えたドラゴンはとにかくわがままで……。アニメ映画化もされているが、ヒックがドラゴン語を話せるなど原作のみの設定も多いので、映画ファンも原作を読めばまた違った魅力を感じられるはず。

  11. War Horse
    「戦火の馬」 Michael Morpurgo

    戦火の馬

    ロンドンやニューヨークで舞台化され、映画も人気を博した児童小説家マイケル・モーパーゴの「戦火の馬」。第一次大戦下、アルバート少年の元で大切に育てられた馬のジョーイは、軍馬としてフランスの戦場に送られてしまう。ジョーイと再会するため、自らも兵隊に志願するアルバートだが……。小説では、ジョーイの視点からアルバートとの生活や戦争での出来事が語られているのがユニーク。

  12. Please Look After This Bear. Thank You. (Paddington Bear)
    このクマの世話をしてやってください。
    お願いします── 「くまのパディントン」より Michael Bond

    くまのパディントン

    このくまの存在を抜きにして、英国の絵本を語ることはできない。ロンドンのパディントン駅で「Please Look After This Bear. Thank You.」と書かれた札をぶら下げていたくまを家に連れ帰ったブラウン夫妻は、くまに「パディントン」という名を付ける。作者マイケル・ボンドが妻へのプレゼントとして買ったぬいぐるみがモデルとなったという愛らしいくまの物語、年末には映画も公開されるので、その前に改めて原作を読んでみよう。

  13. Greenwich Trail グリニッジ


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  14. The Railway Children
    「ザ・レイルウェイ・チルドレン」 Edith Nesbit

    ザ・レイルウェイ・チルドレン

    1906年出版、英国で長年にわたり読み継がれてきた、エディス・ネズビットによる児童文学の古典的作品。突然父親が何者かに連れ去られ、母親とともに田舎の線路近くにある家に越してきた3人の姉弟たち。駅に通い、列車を眺める日々を過ごすうちに、いつも決まった列車に乗ってくる老紳士と親しくなる。子供向けの平易な本ながら、スパイ冤罪や貧困問題など、当時の社会が抱えていた闇も盛り込まれている。

  15. We're Going on a Bear Hunt
    「きょうはみんなでクマがりだ」
    Author: Michael Rosen. Illustrator: Helen Oxenbury

    きょうはみんなでクマがりだ

    お父さんと4人の子供、そして犬1匹が、クマがりに出発。草原を抜けて、川を渡って、森を突き進んで……。ひたすら進んだ先にクマはいるのか? シンプルな言葉のつらなりが繰り返し出てくるので、小さなお子さんと一緒に、歌うように節をつけて読んでみるのも楽しいだろう。ロンドン在住の絵本作家、マイケル・ローゼンによるこの人気作、昨年は音楽の祭典プロムスにも音楽付きで登場している。

  16. Elmer the Patchwork Elephant
    「ぞうのエルマー」シリーズ David McKee

    ぞうのエルマー

    ぞうのエルマーは、ジャングルに住む仲間たちの中でも一際目立つ存在。なぜならグレー色のぞうたちの中で、エルマーだけが赤、青、黄色と色とりどりだったから。皆の人気者ではあるけれど、周りと違うことにちょっぴり孤独も感じるエルマーはあるとき、仲間たちの元を離れて……。デーヴィッド・マッキーにより1968年に生み出されたエルマーは、多様性と個性を貴ぶ象徴としても世界中で高い人気を誇っている。

  17. Bloomsbury Trail ブルームズベリー


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  18. Jeeves and Wooster Stories
    「ジーヴスとウースター」シリーズ P. G. Wodehouse

    ジーヴスとウースター

    人から何か頼まれると嫌とは言えないお人よしな貴族のウースター(通称バーティー)の元には、何かとトラブルが舞い込んでくる。冷静沈着、頭脳明晰な従者のジーヴスは、そんな主人のために、ときに主人すら駒として利用しつつ、問題解決に奮闘する。約100年前に第一作が発表された本シリーズは、今も人気の高い「執事もの」のはしりとも言われる。古き良き英国の貴族の生活を面白おかしく見てみたい人にお勧め。

  19. Always Try to be a Little Kinder Than is Necessary
    (The Little White Bird)

    いつも、必要以上に少しだけ優しくあればよい
    ──「小さな白い鳥」より J. M. Barrie

    ピーター・パン

    世界中の子供たちから愛される永遠の少年、ピーター・パン。彼がこの世に生まれたのは、1902年に出版されたJ・M・バリの小説、「小さな白い鳥」の中だった。頑固でひねくれ者な一人の退役軍人と彼を取り巻く人々を描いたこの物語の一節に登場したピーターは、「ケンジントン公園のピーター・パン」という小説を経て、「ピーター・パンとウェンディ」という、世界中で読み継がれる物語の主人公となる。

  20. Sherlock Holmes Stories
    「シャーロック・ホームズ」シリーズ Sir Arthur Conan Doyle

    シャーロック・ホームズ

    現在でも世界中で映画化やドラマ化が行われている推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズを、この機会に原作で読んでみるのも面白いのでは。ロンドンのベーカー街221Bに居を構える名探偵シャーロック・ホームズとその助手ジョン・ワトソンが、様々な事件を解決する本シリーズでは、今も当時の面影を残すロンドンの様子が色々と描かれているので、読書後には本を片手にロンドンの街を散策してみよう。

  21. The Lion, the Witch and the Wardrobe
    「ライオンと魔女」 C. S. Lewis

    ライオンと魔女

    英国を代表する作家の一人、C・S・ルイスの「ナルニア国物語」シリーズの第一作。第二次大戦中にロンドンから地方の親戚の家へ疎開したペペンシー家の4人兄弟が、もの言うけものや妖精たちが生きるナルニアへと誘われる。ナルニアの創造主であるライオンのアスランとともに白い魔女に対峙する4人の冒険譚として読むのはもちろん、随所に盛り込まれたキリスト教的なモチーフを探っていくのも面白いだろう。


 
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