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Thu, 21 November 2019
トイレにまつわるエトセトラ

多文化主義をうたってはみるが実現はなかなか難しく、さらに階級意識もいまだに根強い大都市ロンドン。そんな場所で唯一「平等と公平さ」を体現している空間は、ひょっとしたら街中のトイレかもしれません。なにしろ生まれ育ちも関係なく、同じような場所で、同じように腰掛ける。フォアグラもフィッシュ&チップスも、最後に行き着く場所は……後はお食事中の方のために口に出さずにおきましょう。しかしトイレと一言でいっても、その道はかなり奥深いのです。というわけで、英国ならではのトイレ特集をぜひお楽しみください。便座に腰掛けて読んでいただくのもまた一興? (本誌編集部 佐野 道子)

英国トイレ協会 推薦トイレへGO!

最近はあちこちで公衆トイレの閉鎖が目立つし、やっと見つけたトイレも有料でガックリ……そんな話をよく耳にしませんか。実際、自治体運営の公衆トイレの数とロンドンの人口を比較すると、1万8000人につきトイレ1つと、決して多いとはいえない割合。日本と違ってコンビニ頼りというわけにもいかないし、駅にトイレがついているとも限らない。デパートなら! と思っても「ものすごく上の階にあってたどり着くまで苦労した」などという話もよく聞きます。公衆トイレが意外な場所にあって、ついつい見逃してしまうのも「ロンドンではトイレが見つからない!」と言われてしまう原因かも。

しかし、そんな時のために用意した中心街のおすすめトイレ・マップ。切り取ってバッグの中にでも忍ばせておけば、意外な時に役に立つかもしれません。ぜひご活用ください。



トイレット・オブ・ザ・イヤー賞

英国トイレ協会(BTA)が発起したLOO OF THE YEAR AWARDSという賞をご存知でしょうか? 毎年、英国中の美しいトイレを表彰、公衆トイレもホテルのように星の数で格付けされるわけです。そして昨年の英国内総合2位という栄誉に輝いたのが、ロンドン中心街の多くを管理下に置くウエストミンスター地区のカウンシル。30万ポンド(約7000万円)もの費用をかけて改装されたオックスフォード・サーカスの公衆トイレは最高ランクの5つ星が与えられました。また、ナショナル・レールのチャリング・クロス駅構内にあるトイレも「公共交通機関」部門での受賞をしています(ただしこちらは有料)

それでは、こちらが中心街にある5つ星トイレ!! ★★★★★

Oxford Circus
オックスフォード・ストリート北側の歩道の脇に、実はトイレがあるのです。いつも通っていたのに知らなかった、という方も多いのでは?

Barrett Street
ボンド・ストリート駅近辺ではイチオシの無料トイレ。H&M脇の小道を入った小さな広場にあります。中も掃除が行き届いていて、文句なしの5つ星!

他、Picaddilly Circusのトイレを含む3カ所が5ツ星トイレとして表彰されています。



お買い物中にデート中、ロンドンのど真ん中でいつでも起こる緊急事態。そんな時にロンドナーたちはどこへ向かうのか、突撃アンケートを実施してみました。男女各25人ずつ総勢50人の「トイレな現実」、結果は次のグラフを参照下さい。



やはりトイレ選びの基本は清潔さ? 洋式トイレでは必ず腰掛けなければいけない女性陣は特に敏感なよう。デパート、美術館・シアターを選んだ女性の大多数が、国籍問わずに「きれい、使いやすい」という意見で一致。逆に道端で見かける公衆トイレは最終手段のようです。また、「デパートやチェーンのカフェではトイレットペーパーが比較的やわらかいので」(Nさん、英国出身)というこだわりの男性意見もありました。

また、無料かどうかも大きなポイント。「金なんか払ってられるか!」(Tさん、日本出身)という意見が大多数を占めました。「多国籍企業が嫌いなので、チェーンのカフェやファーストフードのトイレをタダで使ってやります」(Dさん、ギリシャ出身)「国際展開しているお店は、たくさん儲けてるんだからいいじゃない」(Mさん、デンマーク出身)という個性的な理由も。また、男性の回答には「道端でしょう!」という意見もちらほら見受けられましたが、ウエストミンスター地区での行為は50ポンドの罰金なのでご注意あれ!

しかし、緊急事態には場所を選んでいられないものまた事実。パブ、チェーンのカフェ、ファストフードが3大駆け込みトイレとして男女を問わず人気です。理由はやはり「どこにでもあるから」というもの。ただし、トイレだと思ったドアがスタッフ・ルームだったりする可能性もあるので、注文してから使う派の人は注意が必要。また「利用客の層が広いから、どんな服でも入れる」(Kさん、男性、日本出身)という声もありました。確かに高級デパートのトイレに汚い格好で駆け込むのはやや気がひけてしまうのかも。



さて、いまやトイレと言っても、単に用を足すだけの場所ではないようです。次は「えっ?!」と思う意外な「トイレット」をご紹介しましょう。

入場料5ポンド?! 話題の超豪華トイレ

高級デパート、セルフリッジの目の前に先日オープンした女性用トイレWC1。美しさ、設備、サービスすべてが一級品ですが、入場料5ポンドとお値段も超一級。もちろんそれだけの価値はあり、トレーニングを受けたプロのスタッフによるハンド・マッサージ、さらにメイク・アドバイスという嬉しいサービスつき。生理用品、ソーイング・セット、ハブラシ・セット(各1ポンド)など、困ったときのお助けグッズも充実です。ゴージャスなのにリラックスした雰囲気が魅力の高級トイレ、仕事帰りにそのままお出掛けしたい時の駆け込み寺としても活躍してくれそう。

まずは肝心のトイレ設備。奥の自動ドアの向こうにあるホールに案内されると目に飛び込むのは、花が飾られピンクと白の色使いがとても可愛らしい個室の数々。もちろん塵1つなく、便器は「清掃済み」というカバーもついています。紙もふかふか!! 高級ホテルのような豪華な内装に、思わず必要以上に長く居座ってしまいたくなる……。使用後はすぐさまスタッフが個室を清掃するという徹底振り。
メイン・ホールに戻ってみれば「こちらへどうぞ」と美しい女性スタッフに案内され、ずらりと並ぶミラーの前へ。そしてハンド・マッサージが始まります。ブラジル出身だという彼女と世間話をしながらくつろいでいると、ここがロンドン随一のショッピング・ストリートだということを忘れてしまいそう。ちなみにハンド・マッサージの時間は10分と聞いていましたが、個人差があるようで私の場合は6分くらいだったかも? その後は、備え付けのコスメで好きにメイク直しをしてもいいし、スタッフによるメイク・アドバイスも受けられます。オリジナルのコスメやグッズは購入も出来ますが、押し売りのような雰囲気はまったくないので安心。ちなみに個人的なお薦めはリップ・バーム(1ポンド)。使いやすいサイズと柔らかいバラの香りが癖になる一品です。

ディレクターのエレインさんにミニ・インタビュー

買い物をしている時に、トイレが見つからなくて大変な思いをしたことがあって。それがこのコンセプトを思いついたきっかけです。でも、ここはただのトイレ以上の場所。地下のトリートメント・ルームを使って、今後はヘッド・マッサージや背中のマッサージも取り入れていこうと検討中なの。女の子って、たくさんのショッピング・バッグを抱えているから疲れるでしょう? パーティーの準備、待ち合わせ、休憩にメイク直しと様々な用途があるけれど、すべての女性に利用してもらえればって思うわ。


WC1
439−441 Oxford Street, London W1C 2PW
最寄駅: Bond Street
Tel: 020 7495 0229
月−土 8:00−21:00、日 12:00−18:00
www.wc1.co.uk


実は昔、公衆トイレだったんです(1)

閉鎖された公衆トイレを03年の秋にギャラリーとしてオープンさせた、その名も「トイレット・ギャラリー」。現代アーティストの作品発表の場として、密かな注目を集めています。壁にはギャラリーがオープンする際にテープ・カットを行った英国現代アーティストの大御所、ギルバート&ジョージのサインが。トイレだった頃の名残で個室や便器も残されたままですが、水道が通っていないので使用不可というのはちょっとした皮肉? 最新のエキシビジョン情報はギャラリーのウェブサイトを参照。


The Toilet Galley
151 Clarence Street, Kingston - Upon - Thames, Surrey KT1 1QT
最寄駅: ナショナル・レール Kingston(徒歩1分)
水−金 13:00−18:00、土 10:00−18:00、日 12:00−17:00 
www.toiletgallery.org
実は昔、公衆トイレだったんです(2)

元々はシェパーズ・ブッシュ駅前の公園の中にある公衆トイレ、その後スヌーカー・バーとなり、さらに今のスタイルへと落ち着いた会員制べニュー。薄暗い照明が照らし出す赤い内装が、怪しげでクールな雰囲気を醸し出しています。メンバーになるには受付で申込書に記入するだけと、とても簡単(申し込み時に写真つきIDを持参)。「Pay As You Go」メンバーは、本人+ゲスト最大4人まで有効で、イベント毎にエントリー・チャージを払うシステム。また年間60ポンドでコメディー・イベント以外はすべて入場無料という嬉しいフル・メンバー制度も。他にもフィルム・ナイトなど様々な企画があるので、ウェブサイトでチェック!


Ginglik
1 Shepherds Bush Green, London W12 8PH
最寄駅: Shepherds Bush(徒歩1分)
Tel: 020 8749 2310
www.ginglik.co.uk
トイレだって立派にデザイン!!

コンラン卿プロデュースによる現代プロダクト・デザインの宝庫、デザイン・ミュージアム。ここのトイレは他と一味違うんです。何と言ってもトイレの壁には、歴代の有名デザイナーの顔、顔、顔。女性トイレではミッドセンチュリー時代を代表するファニチャー・デザイナーのイームズ夫妻が、男性トイレでは「ボビーワゴン」のデザインで知られたイタリアの天才デザイナーであるジョエ・コロンボが出迎えてくれます。他にも英国出身の建築家アイリーン・グレイなど、知っていれば思わずニヤリとしそうな似顔絵が。トイレは1階のカフェ・スペースにあるので入場無料。人気のバトラーズ・ワーフを散歩する際にはぜひお立ち寄りを。


Design Museum
Shad Thames, London SE1 2YD
最寄駅: London Bridge(徒歩5分)
Tel: 0870 833 9955
日−月 10:00−17:45
www.designmuseum.org
 
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