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Wed, 22 September 2021

待望の再オープンロンドンの美術館&博物館へ行こう!

ロックダウン規制緩和に伴い、ようやく英国の美術館、博物館が再開した。臨時閉館中はオンライン上で展示作を公開していた施設もあったものの、じかに作品を見る喜びはやはり何にも代えがたいもの。万全の感染防止対策のもとに再び開館した、魅力たっぷりのロンドンの企画展を一覧にまとめてみた。お出掛けの際は、各施設で公表している注意事項を一読し、事前予約制のチケットを確保するのを忘れずに。(文: 英国ニュースダイジェスト編集部)

ロンドンの美術館&博物館へ行こう!

The British Museum

HISTORY
大司教の死から始まった混沌の歴史
Thomas Becket: murder and the making of a saint

Miracle windows 13世紀初期に制作され、「ミラクル・ウィンドーズ」(Miracle windows)として知られるカンタベリー大聖堂の巨大なステンドグラス。今回は現存する7枚のうちの1枚が展示される。同大聖堂から外部に貸し出しされるのは初

かつてベケットの遺骨や血に染まった衣服が入っていたエナメル製の聖骨箱

時の権力者であったカンタベリー大司教トマス・ベケットの半生と、のちに政治問題へと発展する同司教の殺害事件をめぐる史実に迫る展覧会。12世紀、ヘンリー2世の腹心であったベケットは、王と対立したことから1170年12月29日、4人の騎士に殺されてしまう。中世の欧州を震撼させる事件となったベケットの死とその後の国政への影響を、装飾写本から目撃証言、宝飾品や聖骨箱など、当時の様子を残した数々のオブジェで紐解く。

8月22日(日)まで
10:00-17:00(金は20:30まで)
£17

HISTORY
皇帝ネロは暴君だと言い切れるのか
Nero: the man behind the myth

Nero: the man behind the myth カムロドゥヌム(現在のコルチェスター)に設置されていたとされるネロのブロンズ製の頭部。1907年に英南東部サフォークのアルド川で発見されたが、長い間第4代皇帝クラウディウスだと間違われていたそう

Nero: the man behind the myth 2014年にコルチェスターにあるショップの地下から発掘されたローマ帝国のコインや装飾具

ローマ帝国の第5代皇帝ネロは、西暦54年、16歳で王位を継承して30歳で自殺するまで、ローマ大火の犯人殺し、自身の母親・最初の妻殺しなど、その残忍さで広く知られている。本展は最新の研究に基づき、暴君ネロを当時のローマ社会における「ポピュリスト的リーダー」と捉え、ネロの新たな側面に光を当てる試みだ。約200点の展示物を通し、暴君ネロは動乱の時代を治めるために戦った救世主だったのか、その行動の真意を改めて検証する。

10月24日(日)まで
10:00-17:00(金は20:30まで)
£20

The British Museum
Great Russell Street, London WC1B 3DG
Tel: 020 7323 8000
Tottenham Court Road/Holborn駅
www.britishmuseum.org

The Design Museum

FASHION
スニーカーから文化史を紐解く
Sneakers Unboxed: Studio to Street

Sneakers Unboxed: Studio to Street ナイキのモナークとロンドン拠点のファッション・ブランド、マーティン・ローズ(Martine Rose)のコラボ・スニーカー。それぞれのブランドの強みや個性を最大限に生かし、実験的なスニーカー作りに取り組んだ

Sneakers Unboxed: Studio to Street リミテッド・アイテムなど貴重なスニーカーも多数展示される

もともと運動の際の専用靴として開発され、今やファッション・アイテムの一つとして生活に欠かせない存在となったスニーカーの展覧会。コンバースやナイキ、アディダスなど、若者の文化的シンボルとなったスニーカーが、どのように生まれ、独自の方法で時代を牽引してきたのかを読み解く。スニーカー愛にあふれたデザイナーへのインタビューや制作過程、活性化するスニーカー市場など、製作者側のストーリーも併せて紹介する。

10月24日(日)まで 
9:30-18:00(金・土は21:00まで)
£14

DESIGN
モダニズムの名作を世に送り出した女性
Charlotte Perriand: The Modern Life

Charlotte Perriand: The Modern Life 金属という画期的な新素材を用いて、ル・コルビュジェとともに製作したシェーズ・ロング(長椅子)のバスキュランテB306に横たわるペリアン。本展では同モデルの復刻版が展示され、実際に座ることができる

Charlotte Perriand: The Modern Life フランスのスキー・リゾート、レ・ザルク内にあるレジデンス、Arc 1600

インテリア・デザイナー、建築家など複数の肩書きを持ち、20世紀のモダニズム・デザインを牽引したフランス人女性シャルロット・ペリアンの大回顧展。ル・コルビュジェ主導のプロジェクト参加に始まり、独立後も万人が使えるインテリアを生み出してきたペリアンが、いかにしてデザインを構想したのかをスケッチや写真、実物の家具とともに紹介。男性優位だったデザイン業界に現れたペリアンの魅力とその功績に光を当てる。

6月19日(土)~9月5日(日)
9:30-18:00(金・土は21:00まで)
£18

The Design Museum
224-238 Kensington High Street, London W8 6AG
Tel: 020 3862 5900
High Street Kensington駅
https://designmuseum.org

Serpentine Gallery

PAINTING / DRAWING
Jennifer Packer: The Eye Is Not Satisfied With Seeing

NJennifer Packer: The Eye Is Not Satisfied With Seeing 描く動機の一つに「自分の弱さを認めつつも、誰かに認められたい」と挙げているパッカー。大胆な色使いに隠されたメッセージは、鑑賞者の琴線に触れる何かがあるはずだ

自分がかつて見たものや昔の記憶、あるいはその時々の気分をカラフルに組み合わせながら、友人や家族のポートレート、花、インテリアなどを描く米アーティスト、ジェニファー・パッカーの展覧会。何気ない風景画のなかに現代の黒人の生活や隠された感情を表現し、個人的なドローイングでありながら重い政治的メッセージを発する独特の作風で、近年注目を浴びている人物だ。英国初となる本展では、過去10年間の作品を一挙に公開する。

8月22日(日)まで
火~日 10:00-18:00
入場無料

Serpentine Gallery
Kensington Gardens, London W2 3XA
Tel: 020 7402 6075
Lancaster Gate/Queensway駅
www.serpentinegalleries.org

Tate Britain

PAINTING
Turner's Modern World

NTurner's Modern World 後期の水彩画「ナポリ」(1851年)は、長らく別のイタリアの街「ジェノヴァ」と題されていたが、最近の研究で場所が異なっていたことが分かり改称された。改称後初のお披露目となる

風景画家J・M・W・ターナーが、産業革命という時代の節目をどのように表現し、記録したのかを探る。同時期に活躍した多くの画家たちはこれらの出来事を無視していたが、ターナーは逆に強く惹かれ、工業化による社会の変化を題材として積極的に取り上げたという。今回は「解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号」のデッサンと完成版が初めて同時展示される。ターナー・ファンにも新しい発見がある企画展だ。

9月12日(日)まで
10:00-18:00
£22

Tate Britain
Millbank, London SW1P 4RG
Tel: 020 7887 8888
Pimlico駅
www.tate.org.uk

Tate Modern

SCULPTURE
The EY Exhibition: The Making of Rodin

NThe EY Exhibition: The Making of Rodin ロダンが考えた手法「アバティス」(abattis)は、手のひらなど個々のパーツを別々の彫刻から集め、再利用する手法のこと。前例のない型破りなやり方で独自の世界観を築いていった

「考える人」「地獄の門」など数々の名作を残した近代彫刻の巨匠、オーギュスト・ロダン。ブロンズや大理石作品が知られているが、ここでは石膏原型を中心に取り上げた同館初となる大規模な展覧会を開催する。光の当たり方やダイナミックな動きを断片的なパーツを使って調整する制作プロセスを丁寧に解説し、まるでロダンのスタジオにいるかのような錯覚を起こす展示法に注目だ。作品のほか、ロダンを支えたモデルや支援者との関係についても考察する。

11月21日(日)まで
10:00-18:00
£18

Tate Modern
Bankside, London SE1 9TG
Tel: 020 7887 8888
Southwark/St. Paul駅
www.tate.org.uk

Dulwich Picture Gallery

PHOTOGRAPHY
Unearthed: Photography's Roots

NUnearthed: Photography's Roots 旧1000円札の夏目漱石を撮影し、写真文化の発展に貢献した小川一真(1860~1929年)による作品。同氏による菊の写真も展示される。120年以上前に撮影されたとは思えない美しさは必見

植物の撮影プロセスを通し、1840年代から現代までの写真技術の変換と豊かな歴史をたどる。ヴィクトリア朝に活躍したウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット、女性写真家のパイオニア、アンナ・アトキンス、性的タブーを表した作品で物議を醸したロバート・メイプルソープなどを含む100を超える作品が集結。形態を記録する植物学的なアプローチから、エロティシズムの表現まで、技術的進化だけでなく写真そのもののルーツを探る。

8月30日(月)まで
水~日 10:00-17:00
£16.50

Dulwich Picture Gallery
Gallery Road, London SE21 7AD
Tel: 020 8693 5254
West Dulwich/North Dulwich駅
www.dulwichpicturegallery.org.uk

Victoria & Albert Museum

FASHION
Bags: Inside Out

Bags: Inside Out 透明で強固な熱硬化性アクリル樹脂、ルーサイトを使ったイブニング・バッグや16~17世紀に使われたブルザ(エリザベス1世の印章を守るために使われた袋)など、マニアックなアイテムがそろう

ハンドバッグからヴァニティーケース、ミリタリー・リュックサック、英下院本会議場に置かれていた元首相ウィンストン・チャーチルの書類箱まで、ありとあらゆるタイプのバッグにフォーカスした展覧会。新旧問わず300点を超える貴重なアイテムを「機能と実用性」「地位と身分」「デザインと制作工程」の3つのセクションに分けて分析し、物を入れるという本来の機能をはるかに超えたバッグの持つ社会的価値とその魔力の秘密に迫る。

2022年1月16日(日)まで
水~日10:00-17:00
£12

Victoria & Albert Museum
Cromwell Road, London SW7 2RL
Tel: 020 7942 2000
South Kensington駅
www.vam.ac.uk

Hayward Gallery

FILM / INSTALLATION
Matthew Barney: Redoubt

NMatthew Barney: Redoubt バーニーにとって初の屋外展示作となったインスタレーション「Sawtooth Battery」(2019年)が公開。高さ約10メートルのすらりと伸びた作品で、ギャラリーのテラスに設置されている

米コンテンポラリー・アーティスト、映像作家として活躍するマシュー・バーニーの展覧会。澄み切った空気が漂う雪山を舞台に、人間と自然との複雑な関係を表した最新映像作品「リダウト」(2018年、134分)を上映する(上映時間はウェブサイトを参照)。また、40を超える彫刻作品の展示もあるほか、銅板を電気めっきで加工するといった、異素材を掛け合わせるバーニーらしい作品も登場。真っ白な映像作品の世界と溶け合い、幻想的な空間が広がる。

7月25日(日)まで
水~土 11:00-19:00(日は10:00-18:00)
£12

Hayward Gallery
Southbank Centre, Belvedere Road, London SE1 8XX
Tel: 現在休止中
Waterloo駅
www.southbankcentre.co.uk

Barbican Art Gallery

PAINTING
Jean Dubuffet: Brutal Beauty

NJean Dubuffet: Brutal Beauty 精神病を患う人が生み出す、むき出しの生の芸術に惹かれていたデュビュッフェ。ここまでの規模の回顧展は英国初で、個人所蔵の作品など貴重なコレクションが各国から集結する

「アール・ブリュット」(生の芸術)という概念を生んだフランス生まれの画家ジャン・デュビュッフェの大回顧展。デュビュッフェは従来の均整のとれた理想的な美を嫌い、ガラスの破片や小石、砂利などさまざまな素材を使って実験的かつ遊び心のある作品を発表。次世代のアウトサイダーへ道を切り開いたとされ、ジャン=ミシェル・バスキアやデービッド・ホックニーといった現代アーティストにも多大な影響を与えたことでも知られている。

8月22日(日)まで
10:00-19:00
£18

Barbican Art Gallery
Silk Street, London EC2Y 8DS
Tel: 現在休止中
Barbican/Moorgate駅
www.barbican.org.uk

Royal Academy of Arts

PAINTING
David Hockney: The Arrival of Spring, Normandy, 2020

NDavid Hockney: The Arrival of Spring, Normandy, 2020 春の訪れからその終わりまでが豊かな色彩で描かれており、心満たされる作品がずらり。ホックニーが最新テクノロジーで描くのは2007年のiPhoneからで、デジタル機器には相当強いようだ

現在83歳の英国を代表するアーティスト、デービッド・ホックニーがiPadで描いた朗らかな風景画が見られる展覧会。昨年のロックダウン中、ホックニーは春の喜びと自然への賞賛をiPadで描き、ほのぼのとした穏やかな色彩の作品を116点制作した。作品はiPadで制作されたのち、ラージ・プリントで出力。作成画面よりはるかに大きく印刷されたことで、ホックニーの手の動かし方などストロークの詳細が分かるのが興味深い。

9月26日(日)まで
火~日 10:00-18:00
£19

人気のためチケットの入手が困難な状況となっている。今後のチケット情報はウェブサイトまたはSNSでご確認を

Royal Academy of Arts
Burlington House, London W1J 0BD
Tel: 020 7300 8090
Piccadilly Circus/Green Park駅
www.royalacademy.org.uk

The National Gallery

PAINTING
Conversations with God: Jan Matejko’s Copernicus

NJan Matejko’s Copernicus 天文学者の生誕400周年を記念して、1873年に描いた縦2.26メートル 、横3.15メートルの巨大な絵画「天文学者コペルニクス」。ポーランド本国で愛されている作品を見られる貴重な機会だ

19世紀に活躍したポーランド出身のヤン・マテイコは同国ではよく知られている歴史画家で、政治上の出来事を大きなキャンバスに描く壮大な油絵を得意としていた。同館でポーランドの芸術家の作品を飾るのはこれが初めて。今回はクラクフの歴史あるヤギェウォ大学から貸し出しされた迫力ある油絵「天文学者コペルニクス」をメインに、1543年に出版されたコペルニクスの著作「天球の回転について」の複製もRoom 46にて展示される。

8月22日(日)まで
10:00-18:00(金は21:00まで)
入場無料

The National Gallery
Trafalgar Square, London WC2N 5DN
Tel: 020 7747 2885
Charing Cross駅
www.nationalgallery.org.uk

 

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