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Sat, 13 April 2024

100年ぶり3度目の五輪に湧く「花の都」PARIS 2024

オリンピック 2024年7月26日(金)〜8月11日(日)
パラリンピック 2024年8月28日(水)〜9月8日(日)

パリ五輪 PARIS 2024

2024年にフランスの首都パリで開催されるオリンピック・パラリンピック。パリ中心部を彩る数々のモニュメントが競技場に変身するほか、大会を通したサステナブルな取り組みなどでも話題を集めている。今号では、そんなオリンピックに沸く「パリ」を大特集! パリ2024の大会コンセプトや注目ポイント、開会式について解説する。(文:英国・ドイツニュースダイジェスト編集部)

参考:Paris2024 公式ウェブサイト、IOC 公式ウェブサイト、公益財団法人日本オリンピック委員会ウェブサイト、フランス24

歴史を通して考える パリ2024のあるべき姿とは?

今日のオリンピックは、フランスの教育者ピエール・ド・クーベルタン男爵によって1896年に開催された、第1回アテネ大会に始まる。各国が覇権を争う帝国主義の時代に、クーベルタンはスポーツを通して国際交流を促し、世界平和に貢献することを目指した。その第2回目となるパリ1900では、女性が初めて選手として参加(しかしクーベルタン自身は、女性の参加に対して否定的であった)。またパリ1924では「選手村」が初めて建設されるなど、過去2回のパリ大会がオリンピック史に与えた影響は大きい。

そして今年迎える、100年ぶり3度目のパリ2024。世論調査ではフランス市民のオリンピック支持率が70%以上と、広く支持されている。さらにパリ1924で使用された施設「スタッド・イヴ・ドゥ・マノワール」が、パリ2024ではホッケーの試合会場となるなど、100年前と現在が交差する瞬間も垣間見えるだろう。

一方で、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、パリ2024ではロシアとベラルーシを除外するという。両国の選手に対しては、国を代表しない「中立」の立場の個人資格での参加を認めるが、両国の国旗や国歌の使用は許さず、政府関係者も招待しないという決断に至った。

二度の世界大戦による中断や、東西冷戦によるボイコット、コロナ禍による東京五輪の延期など、オリンピックはいつの時代も社会情勢に翻弄され、そのたびに「あるべき姿」を問われてきた。そんななか、パリ2024ではどのような未来を描き出すのか、次ページではその数々の取り組みをご紹介する。

エッフェル塔とフランス国旗2021年8月9日に行われた東京大会からパリ大会への引き継ぎセレモニー

オリンピック史上初の試みも PARIS 2024の7つの魅力

国際的なスポーツの祭典であるだけでなく、開催地のさまざまな魅力を盛り込むのがオリンピックの特徴。世界有数の観光地でもあるパリ2024ではどのような仕掛けが組み込まれるのだろうか。今日の世相をも反映した本大会の魅力を7つ紹介する。

近年の世相を反映 1. 多様性と平等を強調

今大会のコンセプトは「広く開かれた大会」(Games wide open)。「祭典」(Celebration)、「遺産」(Legacy)、「全員参加」(Engagement)という三つの柱を据え、一般市民も数々のイベントに参加できるこれでにないモデルとなる。特筆すべきは、各所にうかがえる平等と多様性の精神だ。大会のロゴは、フランスを象徴する女性像「マリアンヌ」の唇と輪郭に、金メダルと聖火を織り交ぜており、大会史上初めてオリンピック・パラリンピック共通で使用。マスコットはフランスで自由の象徴である伝統的なフリジア帽を元にデザインされた「オリンピック・フリージュ」と、義足を付けた「パラリンピック・フリージュ」で、男女の性別を明確に設けないものになった。

また、今大会は出場選手が男女それぞれ5250人と、史上初めて同数である。パリ1900から女性が競技に参加できるようになったが、当時の女子選手はたったの22人。全体に占める女子選手の割合は2.2%だった。現在、参加選手の中には、出産というライフイベントを経た女性も多数いる。復帰までに多大な努力を重ね、今回の出場権を勝ち取った選手にも注目したい。

パリオリンピックのマスコットオリンピック・フリージュとパラリンピック・フリージュ

スポーツと観光地のコラボ!2. パリの名所が競技場に変身

多くの人々を魅了する歴史的文化遺産が現存するパリ。パリを訪れたことがない人でも聞いたことのある、アイコニックな場所も競技会場として活用される。

シャンゼリゼ通り東部に位置し、国家的祝典の場としてたびたび使われてきたコンコルド広場はBMXフリースタイル、スケートボード、ブレイキン、3×3バスケットボールなど、アーバンスポーツ競技の会場に。ビーチバレーボール競技はエッフェル塔のそばの野外スタジアムで行われる。また、総距離男子273キロ、女子158キロを走る自転車競技のロードレースではパリの一部の地域も走行。ルーヴル美術館のピラミッドやオペラ座、モンマルトルの丘なども通過する。さらにヴェルサイユ宮殿では馬術競技が、アンヴァリッドではアーチェリーが行われる。

一方、屋内施設では、1900年のパリ万国博覧会のために建設されたグラン・パレでフェンシング、テコンドー競技を開催。北西部のエッフェル塔と南東部の軍事訓練用複合施設、エコール・ミリテールの間にあるシャン・ド・マルス公園に建設されたアリーナでは、柔道とレスリング競技が行われる。

ビーチバレーボール会場となるエッフェル塔の野外スタジアムビーチバレーボール会場となるエッフェル塔の野外スタジアム

日本も強豪国になりえる3. 新たに4競技が追加種目に決定

オリンピックは32競技329種目、パラリンピックは22競技549種目が実施される。パリ大会では東京2020で採用されたサーフィン、スケートボード、スポーツクライミング競技が継続して行われ、ブレイキン(ブレイクダンス)が初採用。計4競技計12種目が追加となる。

アーバンスポーツの一つとして注目を集めるブレイキンは、即興で作るダンスを交互に披露する1対1のダンスバトル。パリ大会には男女各16人が出場し、メダル獲得を目指す。これまでの世界大会では、身体的クオリティー(ボディ)、芸術的クオリティー(マインド)、解釈的クオリティー(ソウル)の三つのポイントを評価するトリビュームシステムを導入していたが、パリ大会ではこれらのシステムを元に、音楽性、独創性など五つのカテゴリからなる新たな評価法が採用される。

ちなみに日本勢は東京2020でメダルラッシュが相次いだスケートボードなど、五輪のアーバンスポーツ競技で優れた成績を残してきた。ブレイキンでもすでにトップクラスの選手がいる強豪国として知られており、複数のメダル獲得に期待がかかる。

オリンピック・デー2022で行われたブレイキンの入門セッションオリンピック・デー2022で行われたブレイキンの入門セッション

持続可能なオリンピックに向けて4. サステナビリティーへの配慮

環境破壊やごみの排出など、オリンピック開催と環境問題には密接な関係がある。こうした問題を踏まえ、国際オリンピック委員会(IOC)は、2030年以降の全てのオリンピック競技大会を気候変動に配慮したイベントにすると宣言。パリ大会はその新しいスタイルを実現する最初の大会になる。今大会で舞台となる会場の95%は既存のものが使われるのをはじめ、多くの試みがなされる。だが最もフランスらしいのは、食の国であるという自負と共に打ち立てた持続可能なケータリング計画「フード・ビジョン」だろう。

計画によると、大会の4週間で提供される1300万食の平均二酸化炭素排出量の半減(ロンドン2012比)を目指す。ペットボトルを禁止することで使い捨てプラスチックを半減させるほか、10万枚の皿も全て再利用される。また、食材の80%は地元またはフランス国内で調達。東京2020では消費されなかった13万食が廃棄処分になり問題となったが、今大会で余った食品は全て寄付、堆肥化、再生可能なガスの生産のいずれかになり、消費されなかった資源を100%回収するという。

ケータリング会社Sodexo Liveによるプレゼンテーションケータリング会社Sodexo Liveによるプレゼンテーション

会場はパリだけじゃない5. フランス各地での競技会場にも注目

競技はパリだけでなく、レ・イヴリン、オー・ド・セーヌ、セーヌ・エ・マルヌ、セーヌ・サン・ドニなどパリ周辺地域や、フランス各地、また仏領ポリネシアのタヒチ島など海外領土でも開催される。

サッカー競技は、国内で圧巻の強さを誇るサッカークラブのパリ・サンジェルマンの本拠地のパルク・デ・プランス(パリ)のほか、ボルドー、ナント、リヨン、サン・テティエンヌ、ニース、マルセイユの6都市にある各スタジアムで、セーリングはマリンスポーツが盛んな南部マルセイユで行われる。

サーフィンは南太平洋に浮かぶタヒチ島のチョープー(Teahupoo)で開催。チョープーには、島から流れる川の影響で河口付近のサンゴ礁が侵食されて生まれた「リーフパス」(Reef Pass)があり、これにより引き起こされるパワフルな波が有名。毎年同地で開催されるツアー大会では木造の仮設小屋を建て、ツアー終了後に撤去されるが、今回はサンゴ礁上にアルミ製の審判席を建設予定。サンゴ礁の破壊を危惧する抗議デモが行われていたが、ポリネシアの行政長官は解決策が見つかったとし、騒動の終結を宣言した。

サーフィン競技はフランス領ポリネシアのタヒチ島で開催サーフィン競技はフランス領ポリネシアのタヒチ島で開催

スポーツを愛する人を歓迎 6. 市民を巻き込んだ参加型オリンピック

オリンピックでは初の試みとして、大会と同日にアマチュア選手も参加できる参加無料の市民マラソン大会「皆のマラソン」(Marathon Pour Tous /Marathon For All)が開催される。二つのレースが夜間に行われ、フルマラソンへの参加選手はオリンピック大会と同じコースを、年配の人や障がいのある人も参加できる10キロレースはパリ市庁舎からアンヴァリッドまでを走る。参加希望者はParis 2024 Clubウェブサイト(https://club.paris2024.org)もしくは大会専用のアプリに登録し、各コースに課された課題やクイズに挑戦。ポイントを貯めることで、マラソンへの出場を懸けた抽選へ参加できる。

2021年10月31日にはパリ大会まで1000日を切ったことを記念し、市民ランナーを含む約3600人が参加したマス・マラソン大会をパリで開催。レースには東京2020のマラソンで金メダルを獲得したケニアのエリウド・キプチョゲ選手も参加した。タイムが遅い人から順に出走し、キプチョゲ選手は最後にスタート。キプチョゲ選手より早くゴールした約1000人のランナーが「皆のマラソン」への出場権を獲得した。

2021年にパリで開催されたマス・マラソン大会2021年にパリで開催されたマス・マラソン大会

パリらしさが満載!7. 見どころがいっぱいの開会式

開会式
2024年7月26日(金)20時24分開始(現地時間)
グランドフィナーレは午後11時50分、最後尾であるフランス選手団を乗せた船の到着と共に開始予定。

エッフェル塔に向かって進む各国の選手を乗せた船のイメージエッフェル塔に向かって進む各国の選手を乗せた船のイメージ

1. セーヌ川を船で入場行進

通常、オリンピックの入場行進は屋内の競技場で行われる。しかし本大会では難民選手団も加えた全206チームの選手団約1万500人が160隻の船に分乗し、パリの中心を東西に流れるセーヌ川上から開会式会場に向かう。船は、パリを象徴するランドマークを背景にして進むので、オリンピックがこの街で始まる瞬間を人々の目に焼き付けるだろう。

万人に開かれた大会を目指すパリ2024は、入場行進の際に河岸や橋で迎え入れる観客数を60万人と予定しており、これは屋内で開催される通常の観客数の10倍だという。また、川岸には80台の巨大スクリーンと音響システムが配置され、入場無料のエリアも設けられるので、誰もがその祝祭的な雰囲気を楽しめる。橋の各所に設けられたステージではパフォーマンスやイベントも。スポーツ好き、パリ好き、パフォーマンス好きの人が思う存分楽しめるオープニングになりそうだ。

2. 開会式のルート

パリ五輪開会式のルート

選手団を乗せた船は、パリ東部のオステルリッツ橋付近を出発し西へ向かう。2019年4月の火災で現在復旧工事中のノートルダム大聖堂を左に、船はパリ市庁舎を経てルーヴル美術館、オルセー美術館を通過していく。やがて右手にコンコルド広場の塔、グラン・パレを経て、クライマックスはエッフェル塔。そのたもとが開会式のメイン会場トロカデロ広場で、イエナ橋が約6キロの行進を終えた選手団を乗せた船の終着点だ。

3. 芸術的なパフォーマンス

開催国ごとの特色が色濃く反映される開会式は、オリンピックの見どころの一つともいえる。この一世一代のイベントを担う芸術監督が、演出家のトマ・ジョリー氏(Thomas Jolly)だ。フランス北部ルーアン生まれで今年42歳になる同氏は、2015年に同国の演劇界最高の栄誉であるモリエール賞を受賞した経歴を持ち、現在はアンジェ国立演劇センターの芸術監督。伝統と現代カルチャーを大胆に組み合わせた手法を得意としている。開会式も、演劇、ダンス、サーカス、オペラを融合させ、複数のストーリーを織り交ぜたさまざまなパートに分かれたスペクタクルなものになるという。開会式の出演者は当日までのお楽しみということだが、花の都パリの名に恥じない華やかで革新的なパフォーマンスになるのは間違いない。ジョリー氏はオリンピックの開会式だけではなく、シャンゼリゼ通りとコンコルド広場でのパラリンピック開会式、パリ郊外サン・ドニのフランス競技場で行う両閉会式も担当する。

スポーツと芸術の融合を目指すスポーツと芸術の融合を目指す

4. 開会式や入場行進を現地で観るには

希望者は誰でも無料で選手団のパレードを見ることができるが、より見やすい場所を確保できる有料チケットが販売中。また、開会式や観戦チケットの付いたお得なチケットもオリンピック公式サイトから併せて発売されている。

開会式専用プラン
https://olympics.onlocationexp.com/paris2024/ceremony/

観戦+宿泊のプラン
https://hospitalitytravelpackages.paris2024.org/discover?language=en

 

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