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Mon, 17 June 2019

LondonFashionWeek2006-2007

毎年、春と秋の2回、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ミラノの4都市にて、流行の行方を一足早く占うファッション・ウィークが行われる。ロンドンでは先月14日(火)~19日(日)、ブリティッシュ・ファッション・カウンシル主催で、各デザイナーが2006-2007の秋冬コレクションを発表した。 ここでは業界関係者やプレスにのみ公開された48のキャットウォーク・ショーの中からダイジェストのおすすめをピック・アップ。 ロンドン・ファッション・ウィークのアフター・ショー・レポート、とくとお楽しみあれ。

公式スケジュール「ON」

ベテランも新人も腕の見せ所
新人が出現する都市として毎回注目される、ロンドン。ファッション・ウィーク中には新人のキャットウォーク・ショーが、国際的に著名なデザイナー達と競うように開催される。未来のヴィヴィアン・ウェストウッドやポール・スミスを発掘するのも夢ではない?!ここでは公式スケジュール「ON」に参加したデザイナーの一部を紹介する。

ghostGHOST
テーマは解放「LIBERATION」

女性の体が持つ丸みを最大限に生かしたデザインを得意とする、ゴースト。新作は、上半身にボリュームを持たせ、下半身はタイトに。大胆に脚を見せるものから、全身を包み込みシルエットを活かした物まで幅広い。

rochaJOHN ROCHA
チャンキーなニットが暖かそう

rocha香港に生まれ、アイルランド在住のジョン・ロシャのデザインは、黒とクリーム色がキーカラー。新作もこれら2色をベースに、差し色として赤が使われていた。

rochaPAUL SMITH WOMEN
メンズをベースにフェミニンな装い

メンズのスーツで知られるポール・スミスの新作は、1930年代の洗練されたエレガンス、そして当時パンツを履いて物議を醸した往年のハリウッド女優、故キャサリン・ヘップバーンのスタイルにヒントを得たもの。

aroraMANISH ARORA
インド発 彩り豊かに世界の舞台へ

aroraインド出身のアロラは、植物や天使、ハートなどを模った多くのモチーフを刺繍とタペストリーで表現。エキゾチックな配色でキャットウォークを賑わせた。

unconditionalUNCONDITIONAL
十字軍に触発された、個性派ルック

philip stevens新人フィリップ・スティーブンズが作る、アンコンディショナル。厳寒下で身を守ることを念頭に、カシミア、メリノ毛糸、シルク・カシミア、綿絹の4種類を使ったニットが特徴。

unconditionalBASSO & BROOKE
ロマンチックな近未来がテーマ

basso & brooke英国人ブルックとブラジル出身のバッソによるユニット。新作はロココ朝やビクトリア時代などにヒントを得て、肩幅の狭いジャケットなどの現代的なシルエットに。


公式スケジュール「OFF」

unconditionalAVSHALOM GUR
非公式スケジュール「OFF」

gur公式スケジュールとは別に行われた非公式スケジュール「OFF」で33のデザイナーが新作コレクションを発表。その中の一人、アブシャロム・ガーの新作は放浪生活をするベドウィン族に発想を得て、布を多用し造形に配慮したデザインが目立った。


MICHIKO KOSHINO
ロンドンを舞台に活躍する日本人デザイナー
ミチコ・コシノ

80年代初頭、ロンドンに降り立って以来、ファッション・デザイナーとして第一線をひた走るミチコ・コシノさん。ファッション・ウィークではおなじみの顔だが、今回は初日にキャットウォーク・ショーを披露。ショー後、興奮冷めやらない楽屋裏で、新コレクションについて話を伺った。

Michiko Koshino右:身に着けて動くことで活きて来る、スラッシュ・ドレス
中:左右非対称の襟がポイント
右:鯉のぼりを思わせる色合いに幾何学模様が新鮮


初日にショーをされたご感想は。
誰よりも早くコレクションを見せられ、注目度が高いことから初日に出来たのは嬉しいです。しかしながら、与えられた日に関係なくいつもそのチャンスを最大限に使って精一杯のモノを見せています。

今回のコレクションのコンセプトについて教えてください。
最終的には50sぽくなりましたが、最初はミイラの身体に巻く包帯のように、身体にフィットする、とてもタイトな服をイメージしました。それが形成している途中でイメージが広がり、最終的にピタッと落ち着く、いつもそんな感じで作っています。素材は、ジャージー、サテン、ウール、シルクなどベーシックですがモーションによって新しく見せるのが狙いです。

モデルの帽子がユニークですがデザインのインスピレーションは?
今回のテーマはCubismということもあり、モダン・アートのもつ独特な「形」がインスピレーションになりました。この帽子はその形へのこだわりの表現に一躍買ってくれました。

コシノさんの服を実際に着られる方について、どのようにイメージされていますか。
こんな人に着てもらいたい、という理想像というのはあまりないんです。私はただ、私の作った服を楽しんで着てもらうことが目標です。出掛ける前に鏡に映った自分がいつもより素敵に見えたから、その日が一日楽しくなってしまうことってあるのでは。そういう日を与えられたらと思います。その楽しさがその人をきれいに見せるとも思います。

流行を作る側としてのお気持ちはいかがですか。
私はあまり流行を意識していません。それを自分が作っているとも思いません。もちろん一人でも多くの人に私の作品が受け入れられたら嬉しいですけど。そういうものが、だんだん広がって流行になるのが自然の流れではないでしょうか? 私は自分で自分のショップへ行って実際に買い物をしてみるようにしています。すると、今どんな物が必要な気分かわかりますから。

日英を叉に掛けてお仕事をされていますが、価値観に大きな違いがある両国の狭間でコシノさんはご自身をどう捉えていますか。
自分は自分です。どこの国にいようと変わりません。私は世界の色々な国で仕事をしているので、色々な価値観の人と会いますが、それが特に壁になることはありません。

michiko koshinoインタビュー中にも国籍のさまざまな知人達が、コシノさんのショーの成功を祝いに、どんどん声を掛けて来る。そんな姿に、自分自身をしっかり持ち色々な価値観の人たちとかかわっていく彼女のクリエーティブなエネルギーの源を見たような気がした。


Beautiful & Quirky
キーワードは「ビューティフル&クワ-キー(風変わり)」
ルベックセン・ヤマナカ

rubecksen & yamanaka午前中の穏やかな天気が午後になって一転、吹雪まで降った2月のある日、ロンドン北西部の閑静な住宅街に建つ家に到着。家主の女性に迎えられ、案内されたのは新人デザイナー、ルベックセン・ヤマナカのスタジオ。ユニットを組んでから6コレクション目、ロンドン・ファッション・ウィークの「OFF」スケジュールに参加するのは3回目という彼らに今の生活について伺った。

自然な成り行きでユニット誕生

ニット在学中は一緒に作業をした経験はなかったが、山中さん(Y)があるニットのコレクションを手がけることになり、たまたまヒルダ(H)さんにパターン引きを頼んだのがデザイナー・ユニット誕生のきっかけに。「とりあえず作ってみようか」と秋冬の新作がわずか十数点しかなかった頃、突然バーニーズ・ニューヨークから50ピースの大口のオーダーが入った。工場の手配ややり取りも手探りだった2人だが、なんとか無事に納品。そして次の作品を見せて……としているうち、次第にオーダーが来るようになった。

学生の頃からお互いのデザインを見ていたのですか。
Y:趣味がなんとなく似ている、というのはありました。週末でもダラダラと学校に残って作業をしている学生っているじゃないですか(笑)。私とヒルダもそんな「なんとなく働いてしまうタイプ」でした。

「趣味が似ている」とは具体的には?
H:2人とも素材や色でもナチュラルなものが好きです。またさりげなくて風変わりなデザインが好き。いつも気が合うわけではなく、妥協もしますが(笑)、基本的にはお互いが良いなと思うことに対し、理解し合っています。

デザインは2人一緒に考える。そしてそのデザインをニットで作るにはどうすれば良いのか、逆に布地で表現するにはどうすれば良いか、それも考える。普通ニットは質感を優先させて形は二の次だが、ルベックセン・ヤマナカはニットの形作りも尊重し、布地のアイテムと同じ比重を持たせて制作を進めている。

Rubecksen & Yamanaka
写真左から
袖部分に靴下のかかとを模った、さりげない
ディテールが光沢のある生地を生かした、シンプルなドレス
繊細なニットの上下に毛糸の長靴下が可愛らしい
ズボン吊り部分を中央に持ってきたパンツ

「着たくなる服」を作りたい

どのようなルックを目指していますか?
H:カジュアル・ルックです。キャットウォーク・ショーをご覧頂いた方から、私達の服は美しいだけではなく実際に身に着けた時を想像できる、と感想を聞きました。自分達が着たい、また見た人が着てみたくなる服作りを目指しています。

ノルウェーと日本というお2人の文化の違いがプラス、またはマイナスになることは?
Y:日本やノルウェーより、東洋的、西洋的といった違いにぶつかることはあります。
H:今は日本的な物の考え方や文化が分かるようになったわ。西洋だったら「いや、それはダメ」と言うところを(日本では)「ふうむ……」て(笑)。

スタジオを見つけるまで

スタジオが見つかるまでは、自宅から作業をしていた2人。自宅兼ショールームと化していたヒルダさんの自宅は、初オーダーを受注した思い出の場所でもある。それはまだ正式な受注シートなど事務用書類を揃える前のこと。オーダーを紙にメモしたものの、クライアント側とデザイナー側に1枚ずつ写しが必要。はたと機転を利かせ、クライアントを待たせたまま、近所の雑貨屋に走った。コピーした写しを息せき切って持ち帰り、何事もなかったように「お待たせしました」とクライアントに手渡したそう。その後、現スタジオのオーナーの知り合いから連絡があり、ここで作業をすることに。

初めてのオーダーはどんなアイテムでした?
Y:ニットのカーディガンとズボン下です。

どんな気持ちでした?
H:本当に不思議だったわ……
Y:「オーマイガッド、本当に作らなきゃ」って(笑)。

ロンドンはデザイナーとして働く場所としていかがですか?
H:新人としてスタートする場所としては最適じゃないかな。
Y:バイヤーやマスコミの関心が、新人を発掘する方に向いている感じがします。そこが先々のことを見通して新人を取り上げるパリやミラノと違う点なのでは。

最後に、ルベックセン・ヤマナカの今後の計画は?
H&Y:もっとたくさん作って、たくさん売ることよ!

studioルベックセン・ヤマナカは、ギャラリー「リビングストン・スタジオ」内のスタジオで製作している。ギャラリーは一般の方に公開しており、見学自由。美しいアール・ヌーボー朝の文字が目印。
LIVINGSTONE STUDIO
火~土10:00-17:30
36 New End Square, London NW3 1LS
Hampstead駅

インタビューを終えて
ルベックセン・ヤマナカは2人ともしっかりした働き者。一方ばかりが主張するわけでもなく、2人がバランス良く1つの空間に存在する。それだからこそ、クリエーティブな面でもビジネス仲間としても上手くいく、そんな印象を受けた。今後の予定は? と尋ねた時に身を乗り出して答え、やる気満々な様子が伺えた。この積極的で現実的な姿勢と「ビューティフル&クワ-キー」な2人のデザイン・センスが今後のコレクションにどう反映されていくのか、楽しみだ。

ルベックセン&ヤマナカ山中朋子さん(写真左)……日本では会社員生活を送り、趣味として編物にかかわる。ご主人の仕事の関係で渡英後は、チェルシー・カレッジ・オブ・アートでファッションのBA(修士号)を取得、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでニットウェアMA(文学士号)を専攻、02年卒業。
ヒルダ・ルベックセンさん(写真右)……ノルウェー出身。ランカシャーの大学でファッションのBA取得後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでレディスウエアMAを専攻、02年卒業。

 
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