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Sun, 15 December 2019

中部コーンウォールの魅力に迫る サーフィンからシーフード料理まで
Mining World Heritage Siteの一つ、Tregonning and Gwinear Mining Districts with Trewavas

Mining World Heritage Siteの一つ、Tregonning and Gwinear Mining Districts with Trewavas

コーンウォール地図コーンウォールと言えば、印象的なのが最西端のランズ・エンドではないだろうか。切り立った崖に差す夕日や、透き通った海の美しさはさすがの一言だが、コーンウォールの良さはそれだけではない。サーファーから食通、家族連れから一人旅まで、多くの人を惹きつけてやまないコーンウォール。

今回はメディアで注目されることの少ない中部コーンウォールを中心に、その魅力を紹介しよう。

(執筆: 守屋 光嗣)

コーンウォールへの行き方

鉄道で
ロンドンからだと、パディントン駅からファースト・グレート・ウェスタン鉄道(www.firstgreatwestern.co.uk)がペンザンスまで直通列車を走らせている。英国内のほかの地域からは、クロス・カントリー・トレインズ社(www.crosscountrytrains.co.uk)がコーンウォールへの列車を運行。

飛行機で
ニューキー・コーンウォール空港(www. newquaycornwallairport.com)には、ロンドン・ガトウィック、ロンドン・シティー、リーズ、ベルファスト、エディンバラ、グラスゴー、カーディフ、シリー諸島などからの便がある。この空港から出発するときには、搭乗手続きの前に、空港開発税を払う必要がある。


コーンウォールのアクティビティー

コーンウォールコーンウォールでは、サイクリング、ダイビング、乗馬など様々なアクティビティーが楽しめるが、お勧めは何といってもウォーキングだ。

コーンウォール内の海岸線のうち、ナショナル・トラストが維持・運営するエリアは約350キロメートル。季節や天候によってその景色や自然条件は違ってくる(悪天候の場合や日が短くなる冬季には、事前に地元の観光案内所に確かめておくのが望ましい)が、目の前に広がる大西洋の荒波や穏やかな砂浜を眺めながらフットパスを歩くのは、英国ならではの贅沢だ。大西洋に沈む太陽を崖の上から望めば、一生ものの思い出になるだろう。もちろん、内陸部にもフットパスは張り巡らされており、コーンウォールの緑滴る丘や、廃坑になった鉱山を近くで見るのも興味深い。

また、サーフィンも人気アクティビティーの一つ。英国でサーフィン? と驚かれる方は多いだろう。しかし北部海岸、特にニューキー(Newquay)とブード(Bude)は、実は英国を代表するサーファーの楽園 なのだ。ときには天気に恵まれないこともあるが、厚い雲が低く重く垂れ込める海でサーフィンというのも、これまた英国ならではと言えるのではないだろうか。

コーンウォールの今昔

イングランドの最西部に位置するコーンウォールは、英国内で最も長い海岸線を持つことで知られる。その全長は約700キロメートルに及ぶ。黄金色に輝く砂浜が広がる隠れ家のような小さな浜辺から、世界のサーファーが挑戦しに訪れるほどの荒々しい波が押し寄せる海辺まで、エリア内の海岸線の多様性、美しさは類を見ないほどだ。そしてその歴史も、決して平坦なものではない。

コーンウォールに人が住み始めたのは、今から1万年以上前のこと。紀元前から、同地方は銅の産地として知られていた。その鉱山業の隆盛と衰退を切り離してこの地の歴史、文化、そして人々の生活を語ることは不可能だ。

18〜19世紀に興った産業革命によって、コーンウォールの鉱山業(主に錫と銅)は隆盛を極め、多くの富を地元にもたらした。また、18世紀半ばには、良質の陶土が発見されたことにより、陶器の生産地としても世界で名を馳せるようになる。しかしながら、19世紀後半以降、両産業は徐々に衰退。それにより職を失った人々が土地を離れ、活力が失われていったという。また、最後まで残った主産業である漁業も、乱獲の影響で20世紀半ばにはその勢いを失った。

Towanroath Shaft Engine House
Mining World Heritage Siteの一つ、
Towanroath Shaft Engine House

これら3つの主産業の衰退と消滅、そしてそれらに代わる新たな産業の欠如により、コーンウォールは英国内で最も貧しい州とも言われるようになってしまった。1990年代以降、徐々に重要度を増してきた観光産業は、これら3つの産業の損失をカバーするほどにはなっていない。しかしながら21世紀に入り、これらの衰退した産業の遺産を活用することにより、多くの人々を同地に惹きつけるようになってきている。

2006年には、コーンウォールと西デヴォン地域に点在する鉱山跡地が、まとめてユネスコの世界遺産に認定された。また、テレビの料理番組にたびたび登場するセレブリティー・シェフ、リック・スタイン自慢の新鮮なシーフードを味わえる場所としての評判が知れわたるにつれ、その魅力的な海の幸は、英国内だけでなく海外からも多くの食通を呼び寄せるほどになってきた。そして、サーフィンや乗馬、ウォーキングなど、子供から大人まで、どの世代も楽しめるアクティビティーの数々を体験できる刺激的な場所。それが、現在のコーンウォールだ。

魅力満載の中部コーンウォール

コーンウォールと言うと、真っ先に浮かぶのは西の果て、ランズ・エンドであり、その玄関口のペンザンスではないだろうか。または、コーンウォールへの入り口となるプリマスを思い浮かべる人も多いかもしれない。しかし、その間に挟まれた地域にも、多くの興味深い街や村がある。今回は中部地域に注目。北側と南側それぞれの観光名所とホテルを紹介しよう。

白波と海の幸が待つ北側地域

中部コーンウォール北側の中心都市は、ニューキー(Newquay)。主要鉄道駅に加え、国際空港もあるので、北部海岸地域を旅するときには足場となる。ただ最近は開発が進み、その景観が損なわれてきているというのが現状だ。また、6月に同地を訪れるのは、できれば避けたい。というのも、中等学校の卒業試験を終えた16歳の若者たちが英国中から大挙して同地を訪れ、乱痴気騒ぎをするからだ。逆に言えば、それだけ人気のある都市であるとも言えるのだが。

北側地域を訪れる際には、小さな街や村に行くことをお勧めしたい。ニューキーから少し北上したところにあるウォーターゲイト・ベイ(Watergate Bay)は、サーファーで賑わう海辺の村。ここでは、カイト・サーフィンも人気がある。

この村と、さらに北にあるパドストウは、英国を代表する2人のセレブ・シェフのレストランがあることでもよく知られている。ウォーターゲイト・ベイにあるのは、日本でも人気の高いジェイミー・オリバーが4年前に始めた「Fifteen Cornwall」。そしてパドストウには、先に述べたリック・スタインが経営するレストランやカフェなど数店舗がある。いまやパドストウといえば彼の名前が出るほど広く知られ、本格派シーフード・レストラン、「The Seafood Restaurant」は、もはやコーンウォールを代表する観光施設の一つと言えるだろう。スタインの影響は非常に大きく、今では幾人もの著名シェフが、ここパドストウでしのぎを削っている。両レストランとも夜はロンドン並みの価格だが、ランチならば気軽に楽しめる。

ジェイミー・オリバーと人気のメニュー
ご存知、ジェイミー・オリバーと人気メニューの一つ、ズッキーニのカルパッチョとホタテ

リック・スタイン The Seafood Restaurant
パドストウの名を世に知らしめたシェフ、リック・スタイン(右)と新鮮なシーフードがウリの「The Seafood Restaurant」

この北側地域で最も新しいホテルの一つが、 2009年9月、モーガン・ポース(Mawgan Porth) の崖の中腹にオープンしたばかりの「スカーレット(The Scarlet)」。エコ・ホテルと謳ってはいるが、その感覚は日本人のそれとは少し異なり、何もかもがエコロジーといったストイックな雰囲気はない。しかしながら、ホスピタリティーは素晴らしい。各部屋のインテリアは細部にまで気が配られ、ほぼすべての部屋からは、朝と夕方で表情を変える砂浜と、その先に広がる大西洋が見渡せる。女性誌がひっきりなしに取材に訪れるほどの人気を誇るスパは、週末になると予約でいっぱいなのだとか。面白いのは、崖の中腹に建っているために、ホテル内では携帯電話が全く使えないということ。日常生活をすっぱり忘れて、ほっとしたい人にはうってつけのホテルだといえよう。付設のレストランの質も非常に高く、ホテルを出なくても、あっという間に一日が過ぎてしまうように感じられるはずだ。

残念なことにスカーレットには、子供がいる家族は泊まることができない。しかし、道路を挟んでさらに上部にある姉妹ホテル、「ベドルサン・ホテル(Bedruthan)」は、子供向けのプログラムを用意しているので、こちらを利用してみると良いだろう。

2つの広大な庭園を有する南側地域

南側の拠点となる街は、トゥルロ(Truro)、またはセント・オーステル(St. Austell)だ。トゥルロには大聖堂、セント・オーステルには中心地からはやや離れているが、チャールズタウン・ハーバーなど、いかにも英国らしい佇まいを残した見所がたくさんある。

この地域の「must see」アトラクションと言えば、一つは過去から呼び戻されて再生し、また一つはゼロからつくり上げられた、趣を全く異にする2つの「庭」。前者は、「失われた庭園ヘリガン(The Lost Gardens of Heligan、以下ヘリガン)」、後者は「エデン・プロジェクト(Eden Project)」である。

トゥルロとセント・オーステルのちょうど真ん中あたりに位置するメヴァギッセイ(Mevagissey)にあるヘリガンは、400年以上も前から地元の名家、トレメイン家が所有していた大庭園だ。ところが、第一次大戦後に売却された後には、世間からすっかり忘れ去られてしまった。その「失われた庭」が発見され、再生されたのは1990年代後半。庭園再生の過程がテレビで放映されたことにより、多くの人の関心を呼び、今では年間を通じて30万人もの人が訪れている。

エデン
熱帯雨林気候を再現したドーム(エデン)

広大な敷地は、隅から隅まで歩いてみたいのであれば、とても一日では足りない。イタリア庭園やジャングルなど、どれも興味深いものばかりだが、特にこれからの季節だと、ヘリガンが誇るツツジは見逃せない。さらに、付設のショップで売られている、地元で生産された乳製品、肉製品の質は大変に高い。コーンウォール産の良質の食材を購入する良い機会となるだろう。

ヘリガン再生の中心人物の一人であった、ティム・スミット氏が次に手掛けたのが、人と植物の関係に目を向けた超巨大プロジェクト、エデン・プロジェクトである。打ち捨てられた陶土の廃坑跡地に建設された同プロジェクトが一般にオープンしたのは、2001年3月のこと。以来、英国で最も成功している観光施設の一つとなっている。

エデンは、庭というよりは、植物との共生を考え、その可能性を実際に体験できる場と表現した方が、より近いかもしれない。園内に入ってまず眼に飛び込んでくるのは、まるで蜂の巣のような形をした半透明の2つのドーム。手前が地中海気候を、左奥が熱帯雨林気候を、それぞれドーム内に再現している。その規模の大きさたるや尋常ではなく、世界中から集められた多様な植物群はもちろんのこと、こうした空間をゼロからつくり上げた人々の計り知れない熱意には圧倒されるに違いない。夏になると、国内のトップ・ミュージシャンによるコンサートも開かれる。

中部コーンウォールの南側で試してみたいホ テルといえば、「ネア・ホテル(The Nare)」だ。先述のスカーレットが現代的なホスピタリティーを特色としているとすれば、ネアが提供するホスピタリティーは一言で言うと「伝統的」。初めて訪れる際には、大都市の5ツ星ホテルとはまた違った敷居の高さを感じるかもしれない。しかしそうした印象はすぐになくなる。例えるならば、家族が何世代にもわたって、我が家にいるかのように寛いで滞在する、そのようなホテルだ。目の前に広がる浜辺が、まるで自分の庭のように感じられ、ハイ・シーズンを外せば、まさに自分だけの海岸を歩いているようですらある。

コーンウォールのおすすめスポット

1. ローカル鉄道

コーンウォールならではの光景を形成している、忘れてはならない存在が、海岸線や丘陵地帯を走るローカル鉄道である。民営化・合理化の影響で、既にいくつものローカル鉄道が廃線になっているが、残っている線はいずれも車窓からの眺めが素晴らしい。特に、コーンウォール東部を走るルー・ヴァリー線(Looe Valley Line)と、北西部のセント・アイヴズ線(St Ives Line)は、鉄道の旅が好きな方にはお勧めだ。

2. アントニー Antony

先日、上映が始まり、世界中で注目されているティム・バートン監督の最新映画、「アリス・イン・ワンダーランド」。実はこの映画の中で、コーンウォールにある、とある邸宅がロケ地として使われている。プリマス近郊にあるアントニー(Antony)は、ナショナル・トラストにより管理されている邸宅と庭園。今回の映画上映を機に、いくつかの特別イベントが催されるそうなので、定期的に情報収集しておきたい。
Antony Torpoint, Cornwall PL11 2QA Tel: 01752 812191

3. シリー諸島 Isles of Scilly

トロイタウン・ファーム
英国最南西部に位置するキャンプ場、
トロイタウン・ファーム
ランズ・エンドから45キロほど西に行った、大西洋上に浮かぶ諸島。岩礁も入れれば200もの島が点在する中で、5つの島が有人島となっている。中心に位置するセント・メアリーズ(St. Mary's)島に降り立って驚くのは、そのサブトロピカルな気候だ。本土とは全く空気が違う。バード・ウォッチングやダイビングでも近年人気が高まっているこれらの島々、英国内から行くのは決して難しくないが、交通手段の手配は多少、厄介かもしれない。ホテルによっては、プリマスなどからの飛行機と宿泊を一緒にしたプランも提供しているので確認してみよう。

本文で紹介したスポット

Cornish Mining World Heritage

Tel: 01872 322586
www.cornish-mining.org.uk

Fifteen Cornwall

On The Beach, Watergate Bay, Cornwall TR8 4AA
Tel: 01637 861000
www.fifteencornwall.co.uk

The Seafood Restaurant

Riverside, Padstow, Cornwall PL28 8BY
Tel: 01841 532700
www.rickstein.com

The Scarlet

Tredragon Road, Mawgan Porth, Cornwall TR8 4DQ
Tel: 01637 861800

The Lost Gardens of Heligan

Pentewan, St. Austell, Cornwall PL26 6EN
Tel: 01726 845100
www.heligan.com

Eden Project

Bodelva, St. Austell, Cornwall PL24 2SG
Tel: 01726 811 911

The Nare

Carne Beach, Veryan-in-Roseland, Cornwall TR2 5PF
Tel: 01872 501111
www.narehotel.co.uk

Bedruthan Steps Hotel

Mawgan Porth, Cornwall TR8 4BU
Tel: 01637 860860
www.bedruthan.com

※数値情報はcrimson社の「Cornwall」を参考にした


コーンウォール・フォトギャラリー

 
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