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Fri, 22 November 2019

英国の口福こうふくを探して

「英国料理はまずい」だなんて、言い古された悪評など何のその。おなじみのものから、意外と知られていないメニューまで、英国の伝統料理やお菓子には、舌が悦ぶものが色々あります。ぜひ一度ご賞味を。


マクギネス真美マクギネス真美
英国在住の編集&ライター。日本での9年半の雑誌編集を経て、2003年渡英。以降、英国を拠点に、ライフスタイル、ガーデニング、食などの取材、執筆を行う。英国料理の師は義母。
mamimcguinness.com
No. 105

ブレッド・プディング
Bread Pudding

ブレッド・プディング

「マミ、コラムで『ブレッド・プディング』は紹介したの?」夏休み中、久しぶりに会った義母が言いました。「ブレッド&バター・プディングのことはもうずっと前に書いたけど、それとは違うの?」「材料は似ているけど、全く違うもの。母がよく作ってくれた、私の大好きなプディングよ」そう聞いて、さっそく教えてもらったのが、今回のレシピです。

英国にいくつかある古いパンを再利用するお菓子の中で、ブレッド・プディングがユニークなのは、 食パンを水に浸して軟らかくするところ。そのふやけた状態のパンを見る限り、食欲はそそられません。でも、水をしっかり絞って干しぶどうや砂糖、卵などの材料を混ぜ、オーブンで焼くと……。バターの風味が行きわたった生地から漂ってくる、スパイスと甘さの混ざった香りが鼻をくすぐります。口に入れれば、外側はほどよくクリスピーで中身はややもっちり。

「これは危険なお菓子だわ」使われているバターと砂糖の量を考えると、食べ過ぎてはいけないものだとは分かっているのに、私は思わず二切れ目に手を出してしまいました。

「幼いころ、うちにはお金があまりなかったけれど、母がよくブレッド・プディングを作ってくれたのは覚えているわ」義母に料理やお菓子を教わりながら、こんな風に昔話を聞くのは楽しい時間です。

「そういえば、あなたのお母さんは英国軍でコックだったと言っていたけど、どんなものを作っていたの?」「詳しいことは聞いたことがなかったけれど、母はプディング担当だったと言っていたから、もしかしたらブレッド・プディングも作っていたかもしれないわね」「えぇ! 英国人は戦場でデザートを食べていたの!?」「戦場といっても、母が従軍していたのは、上官たちのいるところだったらしいから、食事にデザートも出ていたのかしらね」

義母の母親が第二次世界大戦時、ボランティアとして軍隊でコックの仕事をしていたという話は聞いていましたが、プディング担当というのは初めて聞きました。義理の祖母にあたるその人とは、残念ながら会ったことはありません。もし彼女が生きていたら、話をいろいろ聞いてみたかったと、その人から義母へ、そして義母から私へと伝わってきたブレッド・プディングの最後の一切れを口に入れながら思いました。

ところで、大手スーパーのテスコでは、 食材の廃棄処分を少しでも減らすために、売れ残ったフランスパンを再利用してブレッド・プディングを作り、販売するという試みを始めました。今のところ、購入可能な店舗には限りがありますが、見かけたら、 ぜひ一度お試しあれ。

ブレッド・プディングの作り方(直径20センチの型1個分)

材料

  • 食パン ... 225g
  • カランツ(またはサルタナ) ... 85g
  • バター(またはマーガリン) ... 85g
  • カスター・シュガー ... 55g+少々
  • 卵 ... 1個
  • 牛乳 ... 大さじ1
  • 製菓用ミックス・スパイス ... 小さじ1/2

作り方

  1. ちぎって細かくした食パンを15分ほど水に浸す。
  2. ❶の水分をよく絞ってボウルに入れる。
  3. ❷にカランツ、砂糖、製菓用ミックス・スパイスを入れてよく混ぜる。
  4. ❸に溶かしたバター、卵、牛乳を入れてよく混ぜる。
  5. バターを塗った型に❹を入れ、200℃に予熱したオーブンで約1時間焼く。途中で確認して、表面が焦げそうだったら、アルミホイルでふたをして焼く。焼き上がったら上からカスター・シュガーをかけて出来上がり。
memo

レシピによっては、食パンを水に浸さずに、牛乳を直接浸み込ませて作るものもあるようです。また、食パンや砂糖の種類については、手元にあるもので代用しても大丈夫です。義母いわく「出来上がりの風味はそれぞれ違うけれど、自分の好みで作ればいいのよ」とのことです。

 
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