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ニュースダイジェストの制作業務
Thu, 22 October 2020

英国の口福こうふくを探して

「英国料理はまずい」だなんて、言い古された悪評など何のその。おなじみのものから、意外と知られていないメニューまで、英国の伝統料理やお菓子には、舌が悦ぶものが色々あります。ぜひ一度ご賞味を。


マクギネス真美マクギネス真美
英国在住の編集&ライター。日本での9年半の雑誌編集を経て、2003年渡英。以降、英国を拠点に、ライフスタイル、ガーデニング、食などの取材、執筆を行う。英国料理の師は義母。
mamimcguinness.com
No. 117

ドロップ・スコーンズ
Drop Scones

Drop Scones

新型コロナウイルスの影響で、英国内の全ての学校が閉鎖になりました。我が家では、子どもたちがベイキング好きということもあって、最低でも週に2回は一緒にベイキングをしようということになりました。取り出してきたのはマーガリット・パテンさんによる「ウィル・イート・アゲイン」。これは、第二次世界大戦中から戦後も含めて9年間、食料配給制が続いた英国で紹介されたレシピを集めた本です。

現在は食料配給制までには至っていませんが、人々の買い占めを防ぐため、近所のスーパーでは「肉類は1人3商品まで」といった制限が始まっています。今の状況下では買い物の回数は極力減らすべきですし、食品を無駄にすることもこれまで以上に避けなければいけません。そんなことも鑑みて、これを機会に、子どもたちと、食料配給制時代の食べ物について考えてみることにしたのです。

子どもたちが「学校閉鎖ベイキング・プロジェクト」の第1回目に選んだのは「ドロップ・スコーンズ」。スコーンと名前がついていますが、見た目は小さなホットケーキといった感じの食べ物。日本のどら焼きくらいのサイズです。別名「スコティッシュ・パンケーキ」や「グリドル・ケーキ」とも呼ばれ、スコットランドが発祥のパンケーキです。

レシピに使われている材料は小麦粉とベイキング・パウダー、塩ひとつまみと牛乳。それにドライド・エッグ・パウダー。これは食料配給制当時、卵の代用品とされていた粉末状の卵ですが、今回は生の卵を使用しました。材料を全て混ぜた生地を、どら焼きサイズの大きさに広げ、熱々のフライパンで焼いたら出来上がりです。食べてみると、スコーンというよりはやはりホットケーキに似ています。

ドロップ・スコーンズは、1959年にアイゼンハウアー米大統領がスコットランドのバルモラル城を訪問したときに、エリザベス女王が手作りでもてなした食べ物としても知られています。女王がのちに手紙で大統領宛に送ったというレシピには、砂糖とクリーム・オブ・ターターという、重曹に似た役割をする材料も加えられていました。きっと、配給制時代のドロップ・スコーンズよりもふわふわして甘く、さらにおいしいに違いありません。次回はぜひまた子どもたちと一緒に、女王のレシピによるドロップ・スコーンズも試してみようと思います。

ドロップ・スコーンズの作り方
(約6〜8枚分)

材料

  • 小麦粉...113g
  • ベイキング・パウダー...小さじ2
  • 塩...ひとつまみ
  • 卵...1個
  • 牛乳...150ml

作り方

  1. ボウルに小麦粉、ベイキング・パウダー、塩を入れてかき混ぜる。
  2. ❶の真ん中に卵を加え、かき混ぜる。
  3. 2に牛乳を少しずつ加え、よく混ぜる。
  4. 熱したフライパンに❸をどら焼きくらいの大きさに広げて焼く。
  5. 両面をきつね色になるまで焼いて、出来上がり。
memo

食料配給制時代のレシピということで砂糖が加わっていません。好みで、ハチミツやシロップ、ジャムなどをつけて召し上がれ。

 
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