ニュースダイジェストの制作業務
Fri, 19 April 2024

本当に使える会計

経営において会計は身を守る防具だけでなく、勝ち抜くための武器にもなります。英国日系企業の経営者が知っておきたい会計トピックを、会計のプロが分かりやすく解説。

FRS102におけるのれん以外の無形資産

無形資産は複雑な会計上の問題となることがあります。FRS102(財務報告基準102号)は、セクション18で「のれん以外の無形資産」を扱っています。

無形資産とは何ですか。

FRS102では無形資産を「物的な実体のない識別可能な非金銭的資産」と定義しています。このような資産は、次の場合に識別できます。

  • 分離可能である。単独または関連する契約や資産、負債などとともに事業者から分離または分割され、売却、譲渡、ライセンス供与、賃貸、交換される可能性がある

または、

  • 契約上の権利またはそのほかの法的権利から生じるもので、それらの権利が譲渡可能であるか、または事業者あるいはほかの権利や義務から分離可能であるかは関係ない

FRS102では、事業者が無形資産を認識するのは、予想される将来の経済的便益が事業者に流入する可能性がある場合、および資産の費用または価値を信頼性をもって測定できる場合に限ると述べています。

無形資産に対する全ての支出を資産計上できますか。

無形資産の開発プロジェクトに着手する事業者は、支出を研究段階と開発段階で区別する必要があります。全ての研究費については、将来の経済的便益を生み出す無形資産がこの段階で存在することを事業者が証明できないため、発生時点で損益計算書に償却費として計上する必要があります。

開発費は無形資産として資産計上できますが、事業者には引き続き発生時点で費用を損益計算書で償却費として計上する選択肢があります。事業者は、次の全てを示すことができる場合に限り、開発から生じる無形資産を認識できます。

  • 無形資産を完成させて、使用または販売できるようにするための技術的な実現可能性
  • 無形資産を完成させ、それを使用または販売する意図
  • 無形資産を使用または販売する能力
  • 無形資産が将来見込まれる経済的便益の生み出し方
  • 開発を完了し、無形資産を使用または販売するための適切な技術的、資金的、およびそのほかのリソースの利用可能性
  • 開発中の無形資産に帰属する支出を測定する能力

研究段階と開発段階の活動の例はありますか。

FRS102は、内部プロジェクトの研究段階で発生した支出と見なすものについて、次のように有用な例を示しています。

  • 新しい知識を得るための活動
  • 研究成果やそのほかの知識の探求、評価と最終選択 、応用
  • 材料、デバイス、製品、プロセス、システムまたはサービスの代替の探索
  • 新規または改良された材料、デバイス、プロジェクト、プロセス、システムまたはサービスのために可能な代替の選択肢の策定、設計、評価および最終選択

FRS102は、開発活動と見なす例を次に示しています。

  • 生産または使用前のプロトタイプとモデルの設計、建造、試験
  • 新しい技術を使うツール、治具、金型の設計
  • 商業生産用として経済的に実現可能な規模ではないパイロットプラントの設計、建設、運用
  • 新規または改良された材料、デバイス、製品、プロセス、システムまたはサービスのために選択された代替の設計、建設、試験

イアン・ロウ イアン・ロウ
パートナー
会計監査部署に所属。25年以上の経験を様々なビジネスにて駆使し、また財務会計に関して企業の立場からアドバイスを提供する姿勢から、多くのクライアントの信用を得ている

財務
 

パートナー&アソシエートパートナー

  • 会計パートナー陣スティーブン
  • 会計パートナー陣ジョン
  • 会計パートナー陣イアン
  • 会計パートナー陣祐介
  • 会計パートナー陣チー
  • ショーナショーナ
  • 浦崎絵夢浦崎絵夢

当記事はあくまでも一般的な情報を提供する目的で作成されており、専門的なアドバイスを目的としたものではない為、これを受けての対応は独自の責任の下で行ってください。
正式なアドバイスは、全体的且つ詳細状況を把握した上にのみに提供される必要があります。また、ここに記載の情報は、執筆当時において最も正確なものとして提供を行っています。
更なる情報やアドバイスをお求めの場合、別途下記までご連絡ください。

グリーンバック・アラン LLP
「日系に強い会計事務所」として長年にわたり多くの日系クライアントに、会計、監査、税務、各種アドバイスから経理業務まで幅広いサービスを提供。迅速かつ的確な対応をお約束いたします。日系部署が、窓口から実務まで日本語にてサポート。

グリーンバック・アラン LLPGreenback Alan LLP
89 Spa Road, London SE16 3SG
Tel: 020-7403-5959
Email: reception@gballp.com(日本語可)
Website: www.gballp.com
  • Facebook

お引越しはコヤナギワールドワイド Dr 伊藤クリニック, 020 7637 5560, 96 Harley Street 24時間365日、安心のサービス ロンドン医療センター 日系に強い会計事務所 グリーンバック・アラン

JRpass bloomsbury-solutions-square

英国ニュースダイジェストを応援する

定期購読 寄付
ロンドン・レストランガイド
ブログ