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NHK交響楽団 nhkso
Thu, 12 December 2019

政府にしろメディアの報道にしろ、捕鯨問題となると全く見解が異なる日本と英国。ただ正直なところ、日々の生活に密着している問題ではないがゆえに、そういった対立に関する報道を目にしても「対岸の火事」みたいに捉えてしまうこともしばしばだ。私たちが本当に知りたいのは、そんなメディアが伝えない普通の人々たちの声。そうであるならば、普通の日本人と英国人の生の声を聞く「ぶぉっくす・ぽっぷ」が一番、というわけで、今回も英国ニュースダイジェスト取材班が出動し、ロンドン中心部で街頭調査を行った。さてさて、クジラを巡る普通の人々たちによる日英対決の行方はいかに?

サヤカ・アレキサンダー
30代、主婦
日本人は英国人のように鯨油だけ採って残りを全部捨てたりしません。クジラに対して敬意を払っているからです。英国のメディアは捕鯨を残酷な行為として捉えるばかりで、客観性に欠けると思います。

川合知美さん (かわい・ともみ)
56歳、日本語教師
日本の捕鯨はまず第一に伝統的な文化ですし、乱獲しているわけでもないので、反対する理由がありません。日本は他の捕鯨国と同盟を組んで、捕鯨の正当性をもっと国際的にアピールするべきです。

斉藤知義さん (さいとう・ともよし)
66歳、大工 
クジラの肉は昔、一般食でした。塩漬けや汁物のとして食べていましたね。特に汁物は寒い時に大変温まりますし、美味しかったです。英国人は魚を中心とした日本の食文化をもっと理解するべきだと思います。

鹿子生さん (かこう)
59歳、医者 
近年のクジラの過剰繁殖に伴い小魚が減少しています。海の生態系を守るためにも捕鯨は必要です。感情的な反捕鯨運動に対し、日本の捕鯨がどれだけ健全であるか科学的に証明し世界に主張するべきでしょう。

長山哲銘さん (ながやま・てつめい)
16歳、男性
今までクジラを食べたことがないので、単純に食べてみたいという理由で僕は捕鯨に賛成です。英国人はそもそもクジラを食べ物だと思っていないのでしょう。適度に捕獲する分には問題ないと思います。

真貝瑞希さん (しんかい・みずき)
31歳、学生
乱獲は確かにいけないと思いますが、きちんと管理した上で捕獲量の調整などもしっかり出来るのであれば、賛成です。捕鯨問題については、食に対する意識の違いが英国人と日本人の間にあるのでしょうね。

Yoshiさん (よし)
35歳男性、技術者
英国人が捕鯨に反対するのは、やはり食文化の違いでしょう。そういった反対意見に対して、日本はその時々で柔軟に対応策を考えていくしかないのでしょうね。あまり強硬になるべきではないと思います。

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秋山優希さん (あきやま・ゆき)
32歳、学生
クジラの捕獲の仕方が残酷ですし、そもそも捕鯨は必要ないと思うので反対です。昔給食でクジラの肉を食べたことがありますが、独特な味をしていました。また食べてみたいとは思わないです。

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三島通弘さん (みしま・みちひろ)
28歳、ホテル勤務
クジラが絶滅しては困るので、捕鯨は止めて欲しいです。私自身はクジラを食べたことはないですけど、捕獲してまで食べてみたいとは思いません。英国は動物愛護心が強い国だから反対者も多いのでしょう。

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近藤彩香さん (こんどう・あやか)
20歳、学生
クジラが本当に絶滅の危機に瀕しているのなら捕鯨には反対、でももしそうでないのであれば他の魚を食べながらクジラだけ特別扱いするのは変なので捕鯨に賛成です。「どちらともいえない」にしてください。

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トニー・クロスさん
67歳、自営業者
クジラが乱獲されているのは明らかです。捕鯨は制限されるべきだと思っています。もちろん私は、かつて英国がクジラをカナダに輸出し、鯨油を販売していた歴史も知った上でこう思っています。

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ブァリティー・チャップマンさん
16歳、学生
クジラって本当に可愛いですよね。タンカーの原油流出がクジラの生態に被害を及ぼしているとも聞きました。さらに捕鯨を行うなんて余りに可哀想。クジラを保護するべきだと私は思います。

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ジェーン・カーティスさん
40歳、主婦
捕鯨のニュースを聞くと非常に憂鬱になります。本当に必要な活動なのか、甚だ疑問です。捕鯨を行わなければならない真の理由って何ですか。いかなる国であっても、直ちに中止するべきだと思います。

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スタッド・シフさん
25歳、会計士
クジラは絶滅に瀕している動物なので、保護されるべきです。なぜ日本人がクジラの肉を食べたいと思うのか、全く理解できません。別に日本は食料不足に陥っているわけではないのでしょう。

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ダニエル・ストーンさん
32歳、アナリスト
クジラは保護されるべきだと思います。全ての国が捕鯨活動を中止するべきです。ただ確かに、我々英国人はクジラを食べない分だけ他の動物を殺し、そして食べているというのも事実なのですが・・・・・・。

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ピーター・ドクマーレンさん
37歳、音楽関連会社経営
なぜ世界の一部では捕鯨が許されているのか、スペインの闘牛文化と同じくらい私には理解できません。ただ捕鯨国がこれまで築いてきた食文化や歴史を考えると、すぐに禁止というのは難しいのかもしれませんね。

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ウィリアム・マッコリーさん
37歳、兵隊
クジラの殺戮は許されるべきではありません。私も兵隊ですし、生き残りを賭けた状況の中では、人や動物を殺さざるをえないとは思います。ただ現在の捕鯨国に、果たしてそれほどの正当性はありますか。

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リズ・レイさん
57歳、企業政策顧問
クジラは希少な動物だと思いますし、何よりも美しい生き物なので捕鯨には反対です。クジラがもし絶滅の危機に瀕しているというのであれば、尚更です。全面的に捕鯨禁止にすべきだと思います。

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ション・ローさん
28歳、IT関連
クジラの生態に多大な悪影響を及ぼすのでなければ、捕鯨を行っても大丈夫だと思います。というか、別に気になりません。要は程度の問題。きちんとした規制さえあれば、私は捕鯨に反対しません。

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エドワード・アンダーソンさん
17歳、学生
1年ほど前にとある場所のレストランでクジラを食べました。とても美味しかったと記憶しています。諸説あるけど、捕鯨を再開することはできるのでは。とにかく、私はクジラの料理が好きです。


「ぶぉっくす・ぽっぷ」においても、捕鯨国日本と反捕鯨国の急先鋒である英国の意見の相違がくっきりと対照的に表れた。捕鯨が 日本の文化であれば、動物愛護が英国の文化。一方は 「生態系が乱れる」から反捕鯨かと思いきや、もう一方 は「生態系のバランスを守るために」捕鯨は必要と説く。 「クジラを食べる必要がない」と言えば「食べてはいけない理由がない」、「捕鯨は残酷」と来れば「鶏や豚を殺すのだって残酷」・・・・・・。双方から顰蹙(ひんしゅく)を買うのを覚悟して言うならば、まさにあー言えばこー言う状態に陥っているのがこの捕鯨論争なのだ。 圧倒的多数を占めた英国の捕鯨反対派は「クジラが 絶滅の危機に瀕している」ことを主な理由として挙げ ているが、これには「種類によっては逆に増えすぎて 生態系を乱している」との反論が待ち受けている。本来客観的な数字データで示すことが出来る生存数についてさえ、立場によって見解の大きな相違が見られる ことが13ページのインタビューで分かった。これでは、議論はすれ違っていくばかりだろう。5月17日に掲載した「『クジラを食べるな』その理由」と題した特集に対しては、「実際に捕鯨について英国人と口論に なったことがある」と書いた手紙を複数頂戴したが、 この状況を見れば頷ける。ウーム、このままいけば捕鯨問題は日英摩擦のきっかけとなるのだろう か・・・・・・。 ただいわゆる文化論はとりあえず置いといて、少なくとも捕鯨活動がクジラとその周りを取り囲む環境に どのような影響を与えているのか、という問題については判断を誤れば深刻な結果を生むことになるはず。 人間同士の言い争いを知ったら、クジラは一体何て思うのだろう?

 
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