（香港 4月15日 時事）15日付の日刊紙、「香港経済日報」などによると、香港政府は海外で高度人材の誘致活動を本格化させる。世界のトップ100大学の卒業生に照準を合わせ、マレーシアなどの東南アジアや、南欧、英国に赴き、PR活動を展開する。香港政府人材サービス弁公室の劉鎮漢総監が明らかにした。

劉氏は同紙に対し、「各政府機関や関連業界と組み、今年8～9月に世界トップ100大学の所在地での開催を想定している」と指摘。「夏休み終盤の就職活動のピーク期に大卒者を採用できれば」と語った。9業種の51専門職種が対象で、具体的にはマレーシアやインドネシア、英国などを挙げた。中国本土でも活動すると補足した。

同弁公室は2023年末、域外から香港への人材誘致・支援を目的に設立された新部局。劉氏は「既に毎年3万5000人を呼び込むという（政府の）年間目標に達した」とする一方、誘致活動は「取りやめない」と言明した。

一部外資系企業が香港から撤退していることに関しては、「足元で世界経済が弱まっている」と指摘。「国際金融センター・香港の地位（は揺るがないこと）を信じている」と述べ、「経済が好転すれば（企業は）戻ってくる」との見方を示した。

政府は近年、複数の人材誘致計画を推進。3月末時点で累計27万件超の申請を受理し、17万人を承認した。このうち高度人材誘致計画では約8万件の申請があり、6万人が承認されている。内訳は海外居住を含む中国出身者が9割以上となっている。