(シンガポール9月23日時事)商船三井は19日、英資源大手アングロ・アメリカン向けに運航するケープサイズバルカー「ランバートマル」で、バイオ燃料を使用した航海を14日に開始したと発表した。シンガポール港で補油を行い、従来の化石燃料に代わる混合油(B30)を使用。これにより、航行時の二酸化炭素排出量を約30%削減できる見通しだ。
この取り組みは、同社の脱炭素化プログラム「ブルーアクション・ネットゼロアライアンス」の一環で、航海によって創出された温室効果ガス削減価値はデジタル証書としてアングロ・アメリカンに割り当てられる。証書は、同社の海上輸送におけるスコープ3(バリューチェーン全体で発生する間接的な温室効果ガスの排出量)削減活動に活用可能で、統合報告書などに反映される。
使用されたバイオ燃料は、欧州の国際認証「ISCC-EU」を取得した廃食油由来などを30%含むバイオ燃料。既存のディーゼルエンジンを改造せずに利用でき、海運業界での実用性が高い。
商船三井は、経営計画「ブルーアクション2035」に基づき、クリーン燃料の導入を推進しており、今回の航海は同社が掲げる「海洋・地球環境の保全」というサステナビリティー課題への具体的な対応となる。
Sat, 27 September 2025