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Fri, 22 November 2019

第13回 ロード・メイヤーズ・ショー

毎年11月第2土曜日にはシティで最も華々しい行事、ロード・メイヤーズ・ショーが行われます。黄金の馬車に乗った新市長のほか、伝統衣装に身を包んだギルド関係者や音楽隊、軍隊関係者など、総勢7000人が闊歩する大行列です。かつては、花束や果物の贈物が観客に投げ撒かれ、噴水からワインを湧き出させたこともありました。今度の新市長、ウォルフ氏は、1189年の初代フリッツエルウィンから数えて686代目、歴代2人目の女性です。

新市長と黄色の制服を着た4人の紳士800年の歴史で女性市長は2人目

このパレードの由来は、1215年のジョン王の時代にさかのぼります。獅子心王リチャード1世が戦争で残した債務の後始末に困った弟のジョン王がシティを味方につけるため、勅令を発します――シティ独自の市長を選んで良いが、毎年、王に忠誠を誓うこと。以来、新市長が選出される10月28日(=聖サイモン・聖ジュードの日)の翌日、新市長は部下を引き連れ、ウェストミンスター宮殿に出向き、忠誠を誓う行事が始まったのです。

シティ市長公邸前 現在のシティ市長公邸は1752年から利用されている。ロード・メイヤーズ・ショーはここから出発する

英国では1752年にユリウス暦からグレゴリオ暦に改暦されましたが、そのとき11日間のズレが生じました。そのため、初回から500年以上続いていたパレードが11月9日に変更。さらに200年が過ぎて、交通渋滞を回避する目的で、1959年から11月の第2土曜日に変わり、現在に至ります。ちなみに、市長の乗る黄金馬車は1757年製。王室のゴールド・コーチ、スピーカーズ・ステート・コーチと並び英国3大馬車と言われます。

黄金の馬車から顔を出し手を降る人一度は乗ってみたい、黄金の馬車

約800年も続くこの伝統行事、それでもたった一回だけ中止になったことがあります。それはロンドン大火のせいでも、第二次大戦のせいでもありません。1852年11月にウェリントン公の国葬が聖ポール大聖堂で行われたからです。ナポレオンを破った男の霊儀車は12頭の馬で牽引され、葬儀の列が5キロを超えたと言われます。戦争、雷、火事、ペストにも負けなかった市長のパレードも、国民的英雄の葬列には敵いませんでした。

>馬に乗っているウェリントン公銅像シティのウェリントン公の像は軍服姿ではなく、首相としての姿

このパレード中止で思い起こすことがあります。シティでは、屋外の公共空間に戦争を鼓舞したり、特定の軍人を賛美するモニュメントは設置されません。ビジネス平和主義ですから。この方針が揺らいだのがナポレオン戦争のころ。戦時の愛国主義を背景に、軍人のモニュメントをシティにも建立せよ、と政治圧力が高まりましたが、長い議論の末、結局、ギルド・ホール屋内や聖ポール大聖堂の地下に展示することで落ち着きました。シティの名所に展示することで政治家は納得、屋外空間ではないのでシティの伝統も守られる「大人の解決」が図られました。

 
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シティ公認ガイド 寅七

シティ公認ガイド 寅七
『シティを歩けば世界がみえる』を訴え、平日・銀行マン、週末・ガイドをしているうち、シティ・ドラゴンの模様がお腹に出来てしまった寅年7月生まれのトラ猫


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