ロンドンのゲストハウス
Sat, 16 February 2019

身も心も温まる本場英国のガストロ・パブへ

ようやく山場は越えたというものの、まだまだ続く英国の長い冬。
あまりの寒さに家にこもりがち、という人も多そうだ。
もちろん、くつろいで家で頂く食事も良いけれど、たまには素敵な外食も楽しみたい。
そんな人にぜひ試してもらいたいのが、ここ英国が本場の「ガストロ・パブ」だ。
今回は、パブならではの飾らないおもてなしはそのままに、
食事にうんとこだわった、お勧めのお店を厳選取材。
英国の冬は、心のこもった温かい絶品パブ料理で乗り越えよう!

*表記してある時間は、食事のオーダーが可能な営業時間


The Bull & Last

The Bull & Last

250年の歴史が交錯する、モダン・ブリティッシュ・フード

ハムステッド・ヒースの南に位置し、250年の歴史を持つ「ブル & ラスト」。ドアを開けるとバー・カウンターの向こうにある、3頭の牛の頭の剥製に迎えられる。昔ながらの伝統的な雰囲気を残した居心地の良いインテリアと、若く実力のあるオーナー・シェフの斬新なフードが評判だ。「食のルネッサンス」をテーマに、ウサギや鹿など、英国の食卓から遠のいていた季節の野生動物を使ったメニューが多く見られる。中でも、臭みの少ないさっぱりとした味わいの鹿肉のローストに、パースニップスとビートルートを添えた一皿は感激のおいしさ。プロシュート、テリーヌ、ムース、タン・フライとあらゆる部位を無駄なく使ったダックの盛り合わせ、「シャクートリー・ボード」は、前菜としてもつまみとしても大満足だ。また、どんなにお腹がいっぱいになっても、ブルーベリーとチーズケーキのアイスクリーム・サンデーは外せない。アイスクリームを作るのがダックの盛り合わせ£10大好きなシェフの、自慢のデザートなのだそう。

写真)Homemade Duck Charcuterie Board (Prosciutto, Liver Parfait, Wild Duck & Pistachio Terrine, Rillettes, Fried Tongues, Pickles, Remoulade & Toast) £10

*2018年11月現在、改装のため閉店しています。再オープンについてはウェブサイトをご確認ください。

店名 The Bull & Last
住所 168 Highgate Road NW5 1QS 地図
TEL 020 7267 3641
営業時間 月〜金 12:00-15:00/18:30-22:00    
土 12:30-15:30/18:30-22:00 日 12:30-15:30/18:45-21:00
アクセス Gospel Oak駅から徒歩5分
Website www.thebullandlast.co.uk

取材:Sayaka Hirakawa


The Princess of Shoreditch

プリンセス・オブ・ショーディッチ

プリンセスと一緒に、こだわりのダイニングを

大きな格子窓やアンティークのランプが、どこかロマンティックな印象を醸す「プリンセス・オブ・ショーディッチ」。その名に因み、2階のダイニング・ルームには世界各国のプリンセスのポートレートが飾られている。温か味のある、大きさもデザインもバラバラの木製テーブルや椅子からは、第2の我が家にいるようにくつろいで欲しいというオーナーの思いが伝わってくる。可能な限り英国産の食材を使用し、英国料理に少しだけフレンチの要素を取り入れた繊細なメニューが並ぶが、中でもお勧めなのは、伝統的な一本釣りの手法で釣った北海のシーバスを、魚介類のスープで炊いたリゾットと砂糖漬けのレモンとともに頂く一皿。生きたままの魚を捕る一本釣りは、上質の食材を厳選するためにも、乱獲を防ぎ環境へ配慮するためにも欠かせシーバス£15ないこだわりなのだとか。1階部分ではカジュアルな、けれども心のこもったパブ料理が、2階ではバラエティー豊かなダイニング・メニューが楽しめる。

写真)Seared Sea Bass over Bisque Risotto, Candied Lemon, Micro Cress £15

店名 The Princess of Shoreditch
住所 76-78 Paul St, London EC2A 4NE地図
TEL 020 7729 9270
営業時間 月 12:00-15:00/18:30-21:00
火〜金 12:00-17:30/18:30-22:00  
土 12:00-16:00/18:30-22:00 日 12:00-22:00
アクセス Old Street駅から徒歩7分
Website www.theprincessofshoreditch.com

取材:Sayaka Hirakawa


The Pig's Ear

ピッグス・イア

フレンチ・ブラッスリーと英国パブの掛け合わせ

キングス・ロードから脇道に入った高級住宅地にあるこちらは、フレンチ・スタイルのガストロ・パブ。天井が高く、大きな窓が壁一面を占める店内は明るく開放的で、斬新な絵画や昆虫の標本など様々なものが飾られたファンキーな空間に、シンプルなテーブルと椅子が並ぶ。昼間はゆったりとランチを楽しむ落ち着いた時間が流れるが、夜になると若者たちが溢れ、大いに盛り上がるのだとか。ただし2階にはクロスが敷かれたテーブル席が用意されるので、安心してディナーを楽しむことができる。高級レストラン「ル・カプリス」で修行した腕のあるシェフが、フレンチ&モダン・ヨーロピアンを手掛け、日替わりのオリジナル・レシピにおなじみのフレンチ・フードと、幅広いメニューを用意する。クロックムッシュにステーキ・タルタル、濃厚に煮詰まったオマッシュルームとチーズとポーチドエッグ£11.50ニオン・スープは、ずっしりとした食べ応えがあるふくよかな味。パブに居ながらフレンチ・ブラッスリーにいる気分が味わえる場所だ。

写真)Backed Field Mushroom, Chanterelles, Soft Poached Egg, Sharpham Cheese, Parmesan Crisp £11.50

店名 The Pig's Ear
住所 35 Old Church Street SW3 5BS 地図
TEL 020 7352 2908
営業時間 月〜土 12:00-15:30/19:00-22:30 日 12:00-16:30
アクセス South Kensington駅から徒歩17分
Sloane Square駅からバス
Website www.thepigsear.info

取材:Azusa Ogawa


The Harwood Arms

The Harwood Arms

ミシュラン星が輝くブリティッシュ創作料理

外観は、特に変哲のない普通のパブ。しかし一歩中に入ると、ここはパブなの?と疑いたくなるおもてなしが待っている。それもそのはず、こちらはロンドンで唯一、ミシュランの星を持つガストロ・パブなのだ。英国産の食材のみを使い、クラシックとモダンを掛け合わせたこだわりの創作料理を提供。その人気はとどまるところを知らず、週末は1、2カ月先まで予約が一杯だ。今回のチョイスは、口いっぱいに海の香りが広がる特製マヨネーズと頂く、柔らかく揚げたカキフライ、マッシュ・ポテト添え。そして、カナガシラのフライ、サフラン・マヨネーズ添え。付いてくるマッシュ・ピーは、小エビ入りだ。どれも洗練された盛り付けで、うっとりするおいしさ。デザートには、プルーンの入ったアールグレイ・ティー・アイスクリームとバニラ・ドーナツの組み合わせや、カリッと焼いた薄いパンカナガシラのフライ、サフラン・マヨネーズ添え£16に挟まれたトフィー・アイスクリームを。何を試しても、これぞグルメと納得のオリジナル料理がそろう。

写真)Whole Breaded Tail of Gurnard with Brown Shrimp and Split Green Peas, Buttered Leeks and Saffron Mayonnaise £16

店名 The Harwood Arms
住所 27 Walham Grove SW6 1QP 地図
TEL 020 7386 1847
営業時間 月 18:30-21:00 火〜土 12:00-15:00/18:30-21:30
日 12:30-16:00/19:00-21:00
アクセス Fulham Broadway駅から徒歩7分
Website www.harwoodarms.com

取材:Azusa Ogawa


Bacchus

Bacchus

フレンドリーなサービスで、ストリートの「顔」的存在

ゆで卵をひき肉で包んで揚げた、子供のこぶし大ほどもあるきつね色のスコッチ・エッグは、ナイフを入れる前から香ばしさが立ち上る。その豊かなフレーバーの秘密は、ひき肉にブレンドした、スコットランドの伝統羊肉料理「ハギス」。オーナーは、「うちで一番大切にしているのは、どんなささやかなディテールにも注意を払うことだよ」と語る。食材への豊富な知識と繊細な心使いが、料理を一層おいしくしているようだ。歴史の古いホクストン・ストリートに位置し、コミュニティーの中心として愛される「バッカス」は、細やかでフレンドリーなサービスも魅力の一つ。常連客には料理の感想を欠かさず聞き、その意見を参考にメニューを組み立てることも多い。目下の一番人気は10オンスのサーロイン・ステーキ。国産ハギス・スコッチエッグ£5.50ハーフォード牛をメインに、低高温を巧みに使い分け、3度に分けて揚げたチップスと、付け合わせにまでこだわった、確かなホスピタリティーを感じる一皿だ。

写真)Haggis Scotch Egg, Mustard Mayo £5.50 Potted Ham Hock & Pig's Cheek, Piccalilli, Whole Toast £5.50

*このお店は閉店しました

店名 Bacchus
住所 177 Hoxton Street N1 6PJ 地図
TEL 020 7613 0477
営業時間 月〜土 12:00-22:00 日 12:00-21:00
アクセス Hoxton駅から徒歩3分
Website www.bacchus-restaurant.co.uk

取材:Sayaka Hirakawa


The Holly Bush

The Holly Bush

歴史の重みに浸りながら伝統料理で温まる

ハイストリートを外れ、坂を上って行くと、ポツンとパブが現れる。この立地では地元の人しか辿り着けないのではと尋ねると、評判を聞きはるばるやってきた客が、ようやく見付けて感動しながら入ってくることも多いのだとか。200年以上も前からこの地に根付く店舗は、エッチングが刻まれたガラスや木製の内装の一部が当時のままだというから驚きだ。店内は意外と広く、いくつかの部屋に分かれ奥へと続く。元々は英国伝統料理のパイのみを扱っていたが、最近はバラエティーに富んだメニューを提供しており、中でもレモン・マヨネーズで頂くエビが人気。でも、大きなサクサクとしたパイ生地に、端までギッシリと中身が詰まった昔ながらの手作りパイを求めてやってくる客も、やはり後をビーフ&エール・パイ£12絶たないのだとか。マスタードの入ったマッシュ・ポテトも、パイのお供にぴったりだ。また、できるだけ多くのメニューにオーガニック食材を取り入れているとのこと。ほっこり温まるにはぴったりの、落ち着いた空間だ。

写真)Beef & Ale Pie £12

店名 The Holly Bush
住所 22 Holly Mount NW3 6SG 地図
TEL 020 7435 2892
営業時間 月〜金 12:00-15:00/18:00-22:00 
土 12:00-16:00/18:00-22:00 日 12:00-17:00/18:00-21:00
アクセス Hampstead駅から徒歩5分

取材:Azusa Ogawa


The Cow

The Cow

居心地の良いアイリッシュ・パブで新鮮なシーフードを

ノッティングヒル地区の瀟洒(しょうしゃ)なショッピング・スポット、ウェストボーン・グローブから北へ外れた、庶民的な一角にあるアイリッシュ・パブ。店内に入ると、スコッチ、アイリッシュ・ウイスキー、バーボン、ブランデーなどが多数並び、ビールやエールが主体の英国のパブとは、少し様子が違うことが分かる。店内は、アイリッシュ・パブならではの、どことなくアットホームな小ぢんまり感が心地良く、新鮮なアイルランド産カキや英南部ドーセット産のカニがカウンターに山と盛られた様子は壮観だ。メニューは、貝類の盛り合わせやカキとギネス・ビールのセット、アイルランド産の牡蠣£9.50フィッシュ・シチューなどシーフードが中心だが、マッシュ・ソーセージやステーキなどの肉類も。メイン・コースの一部は月~金曜までの日替わりで、デザートには、アッ プル・シュトゥルーデルにジンジャー・アイスクリームなど、季節にぴったりのメニューがそろう。この冬は、アイリッシュ・フードで温まってみては? 

写真)6 Irish Rocks £9.50

店名 The Cow
住所 89 Westbourne Park Road W2 5QH 地図
TEL 020 7221 0021
営業時間 月〜日 12:00-15:00/18:30-22:30
アクセス Westbourne Park駅/Royal Oak駅から徒歩5分
Website www.thecowlondon.co.uk

取材:Azusa Ogawa


Britannia

Britannia

季節のおいしさを、家族でゆっくり楽しみたい

東ロンドン最大の公園、ビクトリア・パークの外れにあるこちらは、公園をのんびり散歩した後に立ち寄るのに絶好のロケーション。広々としたガーデンがあり、夏場はバーベキューやシネマ・ナイトなど、様々な楽しい催しが企画される。旬の食材を多く取り入れたメニューは、毎週少しずつ変わっていき、元フード・ライターという経歴を持つオーナーの食材へのこだわりや、質の良い供給業者との交流が生かされたメニューになっている。「今の季節なら野鳥のパートリッジがお勧めだよ。野生だから脂身が少なくて、筋肉がしっかりついているのを、じっくり時間をかけてローストしているんだ」。ほろほろとやわらかい根菜が入ったワイン・ソースも、引き締まった肉をバランス良く引き立てる。日曜日は、家族でシェアでパートリッジのロースト£15きるサンデー・ローストが大人気。大きなロースト・ビーフを家族に切り分けるお父さんたちが何とも微笑ましい。子供も犬も大歓迎のパブなので、ぜひ家族そろってどうぞ。 

写真)Whole Roast Partridge, Creamed Savoy Cabbage & Bacon, Salsify & Shallots £15

*このお店は閉店しました

店名 Britannia
住所 360 Victoria Park Road E9 7BT 地図
TEL 020 8533 0040
営業時間 火〜金 16:00-22:30 土 18:00-23:00 日 12:00-22:30
アクセス Homerton駅から徒歩12分、またはバス388
Website http://thebritanniapub.co.uk

取材:Sayaka Hirakawa


The Cadogan Arms

The Cadogan Arms

飲んで遊んで、そして食事を堪能

チェルシー地区の目抜き通り、キングス・ロードに堂々と立つこちらは、ロンドンで高級パブやレストランを展開するETMグループの一つ。パブ、ビリヤード・ルーム、ハイ・スタンダードなサービスを重視したレストランという飲んで食べて遊べる3部屋に分かれている。動物の剥製や薪の積まれた暖炉に、まるで英国の田舎家にいるような気分にさせられるレストランで振舞われるのは、素朴な創作料理。特に、定番のフィッシュ & チップスとステーキに加えて用意される、約2カ月毎に変わる季節のメニューはとてもユニークだ。例えば、前菜には意外とあっさりとした味の、ハトとウサギ肉のテリーヌ。メインには、ブレッド・ソースで頂く脂身の少ないヨークシャー産ヤマウズラの丸焼きなど、レアな食材を使ったメニューヨークシャー産のパートリッジ、イングリッシュ・ベーコンなど£18.50が並ぶ。またこちらでは、フランスのワイン畑に足を運んで、様々な料理に合うオリジナルのワインをプロデュースしている。軽すぎず、そして深すぎない口当たりの良い味、ぜひ食事のお供に。

写真)Whole Yorkshire Partridge, Bread Sauce, Smoked English Bacon, Hunter's Potato, Braised Red Cabbage, and Juniper Jus £18.50

*このお店は閉店しました

店名 The Cadogan Arms
住所 298 Kings Road SW3 5UG 地図
TEL 020 7352 6500
営業時間 月〜金 12:00-15:30/18:00-22:30 
土 12:00-22:30 日 12:00-21:00
アクセス South Kensington駅から徒歩15分
Sloane Square駅からバス
Website www.thecadoganarmschelsea.com

取材:Azusa Ogawa

 
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