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Sun, 18 November 2018

英国の口福(こうふく)を探して - イギリス伝統料理とスイーツ(お菓子)

マクギネス真美
英国在住の編集&ライター。日本での9年半の雑誌編集を経て、2003年渡英。以降、英国を拠点に、ライフスタイル、ガーデニング、食などの取材、執筆を行う。英国料理の師は義母。
mamimcguinness.com

「英国料理はまずい」だなんて、言い古された悪評など何のその。
おなじみのものから、意外と知られていないメニューまで、
英国の伝統料理やお菓子には、舌が悦ぶものが色々あります。
ぜひ一度ご賞味を。


No.77

シラバブ
Syllabub

Syllabub

英国では、たくさんの料理番組がテレビで放映されています。その上、今やオン・デマンドで好きなときにこれらの番組を見ることができるので、何話ものシリーズをついつい続けて見てしまい、気づくと深夜になっていた、などということもある私。

先日見たのは「グレート・ブリティッシュ・ベイク・オフ」の初代審査員メアリー・ベリーさんの「クラシック・メアリー・ベリー」という番組でした。

このところ、英国では珍しい暑さが続いたせいか、目を引いたのが「シラバブ」というデザートでした。上品なガラスの器に盛り付けて冷やしたシラバブは、夏のおもてなしにぴったりです。作り方も見た目も、本誌1507号でご紹介したレモン・ポセットによく似ているのですが、違いは材料に白ワインが加わること。メアリーさんが「ブージーでデリシャスリー・ライト」と番組で表現していたように、ムースのようにふわっと軽く、クリーミー。アルコールの風味が効いた、大人のためのデザートです。

このシラバブ、実は英国料理を紹介している本にはよく登場するレシピの一つです。その歴史は16世紀までさかのぼると言われ、以降19世紀初めまでは料理書に度々紹介されてきた、「伝統的な英国料理」なのです。でも、実際にこれを食べたことのある方は少ないのではないでしょうか。というのも、レストランやカフェで、このデザートをメニューに載せているところはほとんどないためです。あまりにもシンプルなので、家で作るもの、と思う人が多いせいかもしれません。

諸説ありますが、17~18世紀にかけて、3種類のシラバブが存在したといわれています。一つはミルクに甘みとスパイスを加え、それにサイダーやエールを混ぜ、飲み物として楽しまれたもの。もう一つは「ホイップした(whipped)シラバブ」で、特に富裕層の人々に好まれたもの。ミルクの代わりにクリームを使用し、アルコールにはサイダーやエールといった安価なものではなく、ワインや、シェリーに似たサックというお酒が使われました。作るときはクリームを泡立てては漉す、ということを繰り返し、それを一晩置き、専用のグラスに甘みを付けたワインまたはサックを入れ、その上にこの泡を載せていただいたのだそうです。飲み物の部分は透明で、上部は白くふわふわの泡で覆われているという、なんともエレガントなものでした。

更には、アルコール分を減らして、泡をより多くした「エバーラスティング(everlasting)シラバブ」が登場します。これは、現在のものに近い形だったようです。

口当たりがよく、食べやすいデザート。でも、お酒に弱い方は、酔っ払ってしまわないよう、食べ過ぎにはご注意ください。

シラバブの作り方(6人分)

  • 鍋にカスター・シュガー、白ワイン、レモンの皮(ピーラーでむいたもの)を入れ、カスター・シュガーが溶け、レモンの香りがしっかり移るまで煮る。
  • をザルで漉して、冷ます。
  • ダブル・クリームを加えて泡立て器で混ぜる。柔らかいクリーム状になったらガラスの器に盛って、レモンの皮などを飾って出来上がり。
ダブル・クリーム 300ml
レモン 1個(果汁と皮を使用)
カスター・シュガー 75g
白ワイン(スイートがお勧め) 100ml
作り方はメアリー・ベリーさんのレシピを参考にしています。BBCのサイトにあるビデオをご覧になると、いかに簡単なレシピかがよく分かると思います。
www.bbc.co.uk/programmes/p05zrfw4
また、ここではレモンの皮を飾りにしていますが、伝統的なレシピではローズマリーの茎を一枝挿すそうです。
 
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