ニュースダイジェストの制作業務
Fri, 18 July 2025
17 July 2025 vol.1679

ロンドンで英仏首脳会談
核抑止の協力強化で合意
ロシアの脅威に対抗

共同記者会見のスターマー首相(写真左)とフランスのエマニュエル・マクロン大統領(同右)共同記者会見のスターマー首相(写真左)とフランスのエマニュエル・マクロン大統領(同右)

(ロンドン、パリ 7月11日 時事)スターマー首相とフランスのマクロン大統領は10日、ロンドンで会談し、ロシアの軍事的脅威に対抗するため、核抑止力に関する2国間協力を強化することで合意した。合同組織「英仏核運営グループ」を設置し、戦略、能力、作戦の各分野で連携を深めていく。

北大西洋条約機構(NATO)に加盟する欧州各国は米国の「核の傘」に守られてきた。しかし、トランプ米大統領は欧州防衛に消極的だ。このため、欧州では核保有国である英仏の抑止力に期待が高まっている。

会談後に発表された英仏首脳声明は、欧州が「極度の脅威」に直面すれば、両国による対応は不可避だと指摘。「われわれの核戦力は独立しているが、協調が可能だ」と明記した。英仏は以前から核抑止力で連携しているものの、ここまで踏み込んだ表現を使うのは 初めて。

マクロン氏は共同記者会見で「これはパートナー国と敵対国へのメッセージだ」と発言。欧州の不安を和らげ、ロシアをけん制する狙いがあると認めた。スターマー氏は「(英仏)関係の重要性をこれ以上示すものはない」と意義を強調した。 

2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアと国境を接するフィンランドは23年、スウェーデンも24年にNATOに加盟。欧州の安全保障環境は大きく変化している。

フランスはNATO加盟国だが、歴代大統領は自国の核抑止力をNATOの枠組みで同盟国に提供することに慎重だった。マクロン氏は第2次トランプ政権発足後、拡大抑止の検討を表明。ウクライナ支援を巡り緊密な関係を築いたスターマー氏と協議を重ねてきた。

英仏の核弾頭数は推計515発。米ロはそれぞれ5000発以上と桁違いに多いことなどから、抑止効果は限定的だという見方もある。

*両首脳はこのほか、巡航ミサイルを追加発注し、後継システムの開発を加速させる方針を確認した。

 
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