(ロンドン 7月24日 時事)スターマー首相とインドのモディ首相は24日、自由貿易協定に署名した。これに伴い、英国はインドから60億ポンド(約1兆1900億円)の新規投資を確保した。英政府によると、2040年までに2国間貿易額は約39%増加する見込み。英国のインド向け輸出は約60%拡大すると試算した。
両首脳はまた、防衛や教育、気候変動などの分野での協力強化を盛り込んだ包括的な戦略的パートナーシップにも署名。情報共有と業務協力を通じ、汚職や組織犯罪、不法移民への取り組みの連携も深める。一方、高炭素産業への課税を巡る議論は継続する。
世界第5位と第6位の経済規模を誇るインドと英国は5月、3年にわたる貿易交渉を経て合意。英国のウイスキーや自動車、食品などのインド向け輸出90%以上で関税が引き下げられるほか、インドの衣料品や電気自動車(EV)が英国市場に関税なしで輸出できるようになる。英経済への押し上げ効果は、年間48億ポンド拡大する見通しだ。
スターマー首相は記者会見で「画期的な合意だ」と強調。訪英中のモディ首相は「民主主義国家で、経済大国の両国による合意で、グローバルな安定と繁栄を支援する役割を果たしていく」と語った。
Tue, 05 August 2025