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Tue, 25 July 2017
犬を飼いたいと思っている方にこそ、知ってほしい
TVディレクター・映画監督・作家 山田あかねさん TVディレクター・映画監督・作家

山田あかねさん
インタビュー

愛犬を病気で亡くしたことがきっかけで、犬の命をテーマにした作品に取り組み始めたという山田あかね監督。動物愛護センター(保健所)や東日本大震災で被災した動物たちの現状を撮影し、映画「犬に名前をつける日」を製作した山田監督が、英国の保護犬・猫事情を学ぶべく訪英。ロンドンで上映されるドキュメンタリー・ドラマ「犬に名前をつける日」と併せてお話を伺った。

PROFILE東京都生まれ。TVドラマの脚本、演出などで多くの作品を手掛ける。1995年、小説「終わりのいろいろなかたち」で文學界新人賞受賞、2003年「ベイビーシャワー」で小学館文庫賞を受賞。2010年には自著「すべては海になる」を監督・映画化。2012年から犬の殺処分に関する取材を続け、2014年に、NHK総合TV「むっちゃんの幸せ ~福島の被災犬がたどった数奇な運命~」、2015年、映画「犬に名前をつける日」ほかを監督している。

以前、英国の動物保護センターでボランティアをされたことがあるそうですね。

はい。英国の保護施設のシステムを学ぼうと、2011年の11月から3カ月間、ロンドン北西部のケンサル・グリーンにあるメイヒュー・アニマル・ホーム(The Mayhew Animal Home)という小さな保護センターで働きました。午前中は語学学校、午後はボランティアという日々でした。扱いの容易な犬から注意を要する犬まで、色々保護されているのですが、私は3カ月という短期ボランティアであることに加え英語の問題もあったので、容易に扱える犬の散歩や小屋の掃除をして、終わったら犬と遊んだりもしました。同時に、センターの様子の撮影も行いました。

英国の保護センターについてどんな印象を持ちましたか。

面接と登録をすれば誰でもボランティアに参加できるということで、実に様々な人たちが気軽に保護センターで働いていて、素晴らしかったです。今回もバタシー・ドッグス & キャッツ・ホーム(Battersea Dogs & Cats Home)など保護施設を取材したのですが、日本の保護施設で働く人たちにも見てもらいたいですね。

英国の生体販売やブリーダー、不妊去勢手術についても調査されたということでしたが、日本とは違うのですか。

日本では「お店に並んでいるペットを買う」という生体販売が一般的ですが、それがなくなれば良いと思います。英国では、法律で禁止はされていませんが、数少ないと聞いています。また、日本の営利目的のブリーダーは悪質なケースが多いですが、英国ではその犬の血統を守ることが目的で行われます。最近は悪質なブリーダーもいるとは聞きますが、お金目当てではなく、その犬種をよく理解しプライドを持った人によって繁殖が行われていると感じました。こういったことなども日本に伝えられればと思っています。

そして英国では保護犬・猫への不妊去勢は基本となっています。日本でも保護団体の方たちは手術を勧めていますが、一部の人からは「動物が子供を産む権利を奪っている」という反対の声もあるのです。英国の獣医師に、この意見をどう思うか聞いてみました。すると、「人間が動物を飼う、という時点でもう動物をコントロールしているわけだから、バース・コントロールも責任を持つのが当然ではないのか」と言われ、勉強になりました。

ロンドンなどで「犬に名前をつける日」を上映されますが、どういった人たちにこの作品を観てもらいたいですか。

アジアの中ではまだ良い方とはいえ、日本のペット事情は英国の方から見たらびっくりするような状況かもしれません。それでもやはり基本的に、犬や猫を愛する人たちに観ていただきたいです。観ていただけば、現在、犬や猫にまつわる状況を良くしようと戦っている人たちが大勢いて、行政も変わりつつあることが分かると思います。私が取材を始めた2011年には全国で年間18万匹の犬と猫が殺処分になっていましたが、現在は8万匹。県によっては殺処分ゼロのところもあります。犬や猫を助けるボランティアの人々の力が、行政を動かし始めているのです。この作品は単に日本の犬・猫事情を告発する映画ではありません。元々はそのつもりで作り始めたのですが、希望や、人々が世界を変える力を描いた作品だと思っています。

この作品はドキュメンタリー・ドラマという形式ですが、ではTVディレクターを演じる小林聡美さんは、山田監督ご自身ということですね。

はい。小林さんには実際に保護施設に行ってもらい、台本もないまま取材者を演じてもらいました。私が東日本大震災直後から撮りためた200時間を超える映像を、このままドキュメンタリーとして出すのでは、つら過ぎて多くの方に観てもらえないのではないか、犬・猫の問題に興味のある方にしか観てもらえないのではないか、と思い、20年来の知り合いでもある小林さんにお願いし、取材者のドラマの部分を加え見やすくしました。「犬を飼いたいな」と思っている普通の方にこそ、観ていただきたいと思ったからです。


「犬に名前をつける日」Dogs Without Names

「犬に名前をつける日」Dogs Without Name

監督: 山田あかね 出演: 小林聡美、上川隆也、渋谷昶子(のぶこ) ほか
(2015年、107分、英語字幕付き)

愛犬を病気で亡くし傷心のTVディレクター、久野かなみ(小林聡美)。尊敬する先輩の渋谷昶子監督に「悲しむ暇があるなら犬の映画を撮ったら」と励まされ、かなみは、犬の命をテーマにしようと、取材のため動物愛護センターへ向かうが……。「ちばわん」「犬猫みなしご救援隊」という2つの動物保護団体の活動を軸に、崩壊したブリーダーの様子や福島の原発20キロ圏内の犬・猫を追ったドキュメンタリー・ドラマ。

特別上映会+製作スタッフQ&A

5月30日(火)18:00  料金: £5
Hertford Castle
The Downshire Suite, Hertfordshire SG14 1HR
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Hertford East/ Hertford North駅
www.friendswithpaws.co.uk
主催: 桑原春子さん(音楽家)

5月31日(水)18:30 料金: £10
Phoenix Cinema
52 High Road, London N2 9PJ
Tel: 020 8444 6789 East Finchley駅
http://phoenixcinema.co.uk
主催: ジャパンソサエティ

 
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