12月6日付の「エコノミスト」誌は、日本の朝日新聞と読売新聞の両紙が従軍慰安婦に関する報道で謝罪を表明したことを取り上げた「安部首相の悪魔」と題した記事を掲載した。

　「日本の横柄な新聞は滅多なことでは謝罪しない。半年で2つの謝罪を出すとは前代未聞」との文で始まる同記事は、朝日新聞が虚偽の証言に基づいて第二次大戦中の従軍慰安婦に関する報道を行っていたと認めたことや、読売新聞が英字紙で従軍慰安婦を「性奴隷」と表現していたことについて謝罪したことを紹介。これらの謝罪は日本における「イデオロギー戦争」を反映しており、また安倍首相自身も従軍慰安婦に関する論争の真っ只中にいると説明している。

　また読売新聞の謝罪は「歴史修正主義者にとっての勝利」であり、さらには「先制攻撃」でもあると主張。朝日新聞による記事撤回後に同紙を批判する記事を多数掲載した読売新聞は、ライバル紙である朝日新聞を軽蔑しつつ、反撃から身を守るために謝罪を行ったとの見方を示している。