|
4月5日は本税年度分ISAの締め切り日です。英国では銀行のチラシやその他の広告などでよく見かけるこのISAについて、もっと詳しく知りたいと思われている方も多いのではないでしょうか。昨年まで本誌に連載し好評を博した「なるほどマネー教室」の和枝ドゥルーリー先生に再びご登場いただき、その実態を説明してもらいます。
 |
まず、ISAとは何を意味しますか。 |
ISAとは、Individual Savings Account(個人貯蓄口座)の略で、利子所得、キャピタル・ゲイン(売却益)が非課税*1の貯蓄・運用口座です。基本的に18歳以上*2の英国居住者でナショナル・インシュランス番号があれば誰でも口座を開くことが出来ます。駐在員でナショナル・インシュランス支払いを免除されている場合でも、その旨を伝えれば開設できる口座もあります。貯蓄口座ですので、銀行やStockbroker(証券会社)、資産運用会社にて口座を開設します。1人1口座ですので、共同口座での利用はできません。
 |
運用対象や限度額などはどうなっていますか。 |
大きく分けて銀行預金(Cash)と株式や投資信託(Stock & Shares)の2種類の運用対象があります。前者をCash-ISA、後者をStock
& Shares ISAと呼んでいます。Cashは一税年度3000ポンド(約66万円)まで、Stock & Shares
は同7000ポンド(約154万円)まで、ただし両方合わせて一税年度7000ポンドまでが運用限度額です。従いまして、Cashで3000ポンド運用した場合は残り4000ポンドまでStock
& Sharesでの運用を行うことになります。 ISAは毎年運用限度額まで利用でき、利子、運用益はISA口座内にて複利で運用されていきます。
 |
生前譲渡した場合はどうなりますか。 |
ISAでは、Mini-ISAとMax-ISAの2種類の口座設定ができます。
Mini-ISAとMaxi-ISAの大きな違いは、Mini-ISAではCash-Mini-ISA と Stock & Shares-Mini-ISA
というように2つの金融機関で別々にそれぞれの金融商品の口座を開くことが可能で、Maxi-ISAの場合は、反対に1つの金融機関の1つの口座内で2つの金融商品を運用することができるという点です。それぞれの限度額については、前記した通りです。詳しくは下の表をご覧ください。

 |
CashとStock & Shares のどちらを利用した方がいいのでしょうか。 |
Cash=預金は元本保証、確定利回りが利点です。しかし、長期運用を考える上で考慮しなければならないのがインフレーション(物価上昇)です。英国の金利が高いのはインフレーションが高いからです。例えば英国金利5%に対し、消費者物価指数(CPI)
は3%、モーゲージ支払いを含む小売物価指数(RPI)は4.4%の上昇です。つまり5%の金利で運用しても、物価も上昇しているので、ネットの運用利回りはCPI
を用いた場合は5−3=2%、RPI を用いた場合は5−4.4=0.6%のみということになります。一方株式や不動産は元本割れのリスクもありますが、インフレーション対抗力がある資産です。経済規模が拡大していくにつれ企業業績が伸び、株式は上昇、不動産価値も上昇します。ただし株式や不動産は短期の価格変動がありますから中長期、少なくとも5年間は保有する覚悟で投資してください。
 |
「Maxi」と「Mini」ではどちらがお得ですか。 |
ISA初心者の方で元本保証、確定利回りの銀行預金の口座だけにご興味がおありでしたらMini-Cash ISAに、より一層の運用利回りの向上を目指したい場合はMaxi-ISAで最高7000ポンドまで株、投資信託の投資をするのが一般的です。
 |
積み立てについてお聞かせください。 |
ISAは一括積み立てのほか、預金は毎月10ポンド程度から、投資信託は毎月50ポンド程度から積み立てが可能です。

当コラムは、2007年2月時点の法制とInland Revenueの規定に基づき一般的なガイダンスの為に作成されております。皆様のご理解を深めるために内容を省略簡素化してある場合もあります。金融商品の検討に際しては専門家にご相談なされることをお勧めいたします。
|