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Tue, 22 August 2017

「英国で最も尊敬される政治家」との統計も
ジョンソン・ロンドン市長は将来の首相か

ボリス・ジョンソン・ロンドン市長は、恐らく英国で最も有名な政治家の一人である。彼の人気の高さは、一般市民から「ボリス」とのファースト・ネームで呼ばれている事実からもうかがい知れる。今回は、そんなジョンソン市長が「首相の座を狙っている」という噂などについて取り上げる。

政治家の「尊敬度」ランキング

ボリス・ジョンソン(ロンドン市長)(保守党) +25
マーガレット・サッチャー(上院議員、元首相)(保守党) +1
ウィリアム・ヘイグ(外務相)(保守党) -1
ジョン・メージャー(上院議員、元首相)(保守党) -13
デービッド・ミリバンド(下院議員、前外務相)(労働党) -14
デービット・キャメロン(首相、保守党党首)(保守党) -18
ビンス・ケーブル(ビジネス・改革・技術相)(自由民主党) -19
ケネス・クラーク(無所任相)(保守党) -21
エド・ミリバンド(労働党党首)(労働党) -29
トニー・ブレア(元首相)(労働党) -31
アリスター・ダーリング(下院議員、前財務相)(労働党) -33
ゴードン・ブラウン(下院議員、前首相)(労働党) -33
ジョン・プレスコット(上院議員、前副首相)(労働党) -33
エド・ボールズ(影の財務相)(労働党) -37
テリーザ・メイ(内務相)(保守党) -38
マイケル・ゴーブ(教育相)(保守党) -40
ハリエット・ハーマン(影の副首相・労働党副党首)(労働党) -42
ニック・クレッグ(副首相、自由民主党党首)(自由民主党) -52
ジョージ・オズボーン(財務相)(保守党) -53
ジョージ・ギャロウェイ(下院議員)(リスペクト党) -67

Source: YouGov
2012年9月11、12日、英国の成人1703人を対象に調査。回答者は、上記の政治家について、「非常に尊敬している」「まあまあ尊敬している」「あまり尊敬していない」「全く尊敬していない」のうち、一つを選んだ。上の数字は、「非常に尊敬している」または「まあまあ尊敬している」と回答した人の割合の合計から、「あまり尊敬していない」または「全く尊敬していない」と回答した人の割合の合計を引いたもので、数の多い順にランク付けした。「分からない」と答えた人の割合は考慮に入れていない。

政界の「リーダー」たちは、リーダーとしての
資質を持っていると思いますか?

ボリス・ジョンソン
ボリス・ジョンソン
ロンドン市長
デービット・キャメロン
デービット・キャメロン
首相・保守党党首
エド・ミリバンド
エド・ミリバンド
労働党党首
ニック・クレッグ
ニック・クレッグ
副首相・自由民主党党首
カリスマ性がある
56% 18% 3% 9%
信念を持っている
29% 19% 18% 7%
強いリーダーである
26% 11% 5% 3%
一般庶民の感覚を理解している
25% 6% 23% 11%
正直である
25% 14% 16% 11%
生まれながらにしてリーダーとしての資質を備えている
23% 13% 4% 4%
決断力がある
21% 14% 7% 3%
危機に強い
13% 10% 4% 2%
上記の資質を全く持っていない/分からない
28% 57% 64% 74%

Source: YouGov
2012年9月10、11日、英国の成人1871人を対象に調査。リーダーに必要と思われる上記8つの資質を、上の4人の政治家が持っていると思うかどうかを聞いた。数字は、「持っていると思う」と答えた人の割合。

ボリス・ジョンソンボリス・ジョンソン氏略歴
1964年6月19日生まれ、48歳。イートン校、オックスフォード大学卒業。大学での専攻は古典。大学卒業後、ジャーナリズムの世界に入り、「デーリー・テレグラフ」紙の記者などを務める。1999年、「スペクテーター」誌編集長。2001年、国会議員初当選。2004年4月、影の芸術担当相に任命されるも、女性問題がきっかけで、同年11月に同職を解雇される。2005年12月に影の高等教育担当相に就任し、その後間もなく「スペクテーター」誌編集長を辞任。2008年5月、ロンドン市長選に当選。同時に下院議員を辞任。2012年5月、ロンドン市長選で再選し、2期目に突入。ロンドン市長としてはこれまで、自転車レンタル・システムやバス車両「ルートマスター」の新型の導入などを実現している。

「首相狙いの市長に大きな励み」

ボリス・ジョンソン・ロンドン市長は、英国で最も尊敬されている政治家である――こんな調査結果が最近発表され、話題を集めた。調査会社ユー・ガブは今月中旬、英国を代表する新旧の政治家がどの程度人々に尊敬されているかを調べる調査を行った。その結果、ジョンソン市長が、サッチャー元首相などを抜いて、英国人が尊敬する政治家ナンバーワンに選ばれたのである。この結果について、マスコミは、「首相の座を狙うジョンソン市長にとって大きな励みとなるデータ」などと報道した。ジョンソン市長は以前から首相の座を狙っていると噂されているためである。

人気の理由はカリスマ性とユーモア

ジョンソン市長の人気の理由は、人々を引きつけるカリスマ性やリーダーシップを備えていることであると言われる。キャメロン首相やオズボーン財務相と同様、富裕家庭出身で、いわゆる「一般庶民」とは異なるバックグラウンドを持っているが、ざっくばらんで気さくな性格やユーモラスな言動で、多くの人に親しまれている。そのことは、ユー・ガブ社が今月実施した別の調査でも明らかである。この調査は、「カリスマ性がある」「決断力がある」などのリーダーに必要とされる複数の資質を挙げ、主要3政党の党首及びジョンソン市長がそれらを備えているかどうかを聞いたものであった。結果は、すべての資質に関して、市長が「備えていると思う」と答えた人が、3政党の党首が「備えていると思う」と答えた人よりも多かったのである。

党内で高まる首相への不満

市長自身は、これまで何回か、首相になりたいとの野望を持っているとの噂を否定している。しかし、否定すればするほど、噂が勢いを増しているのが現状であり、2015年に実施される次の総選挙に出馬して下院議員に復帰し、保守党党首と首相の座を狙うのではないかと憶測する向きは多い。

こうした憶測が広がっている背景には、キャメロン首相への不満が保守党内で高まっていることがある。長引く景気低迷を背景に、首相の党内での立場は弱まっているとされ、最近、14人の保守党議員が、同党の一般議員で構成されるグループである「1922年委員会」の委員長に対し、党首選を要求する書簡を送ったとの報道もあった。また、前述のユー・ガブ社の調査では、同党の党首が交代し、ジョンソン市長が新党首になったと想定した場合、「次の総選挙で保守党に投票する」と考える人の割合が、現在のままキャメロン首相が同党党首として残ると想定した場合よりも高くなることが分かっている。

9月10日にロンドン中心部で行われたロンドン五輪の英国代表選手による凱旋パレードでは、その締めくくりに、ジョンソン市長とキャメロン首相がともにスピーチを行った。ここで市長は、例のごとくユーモアたっぷりの「ボリス節」で選手やボランティアの人々からやんやの喝采を浴び、キャメロン首相を完全に食ってしまったと評された。経済再生に党内結束と、課題が山積している首相であるが、唯一無二の存在感と魅力でほかの政治家を圧倒するロンドン市長の存在は、これらの最優先課題に次いで、今の首相を悩ませている「懸念事項」であるのかもしれない。

Mayor of London

ロンドン市長。2000年にグレーター・ロンドンを管轄する広域行政体として「大ロンドン庁(GLA)」が創設されたのと同時に設置されたポジション。ロンドン市長の役割は、大ロンドン庁やロンドン交通局(TfL)などの予算作成、ロンドンの交通、都市計画、警察業務などの分野での戦略策定など。ロンドン市長は、ロンドン交通局の理事長も兼ね、また、今年1月には、ロンドン警視庁の業務監視を役割とし、ロンドン市長のみを構成員とする「警察・犯罪担当ロンドン市長室(MOPAC)」が設置された。さらにジョンソン・ロンドン市長は最近、「ロンドン五輪レガシー開発公社」の理事長にも就任した。

(猫山はるこ)

 
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