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吉田卓弘(よしだたかひろ)
エクスレイヤ社マネージング・ダイレクター。1961年10月2日生まれ、1990年4月に渡英。ダブルフォルト4連続でゲーム終了するほどの超初心者テニスを趣味とする。夢は、キャサリン・ゼタ・ジョーンズと一緒にテニス。 |
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当社はITサービスの提供を商いとしているが、サポート契約やちょっとした規模のプロジェクトを頂戴すると、お客様とのお付き合いが長くなる。最終回となる今回は、「ヒト」という観点から見たエンジニア道について触れてみたい。
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「阿吽」のフレンドシップ |
システム・インテグレーションの要諦はヒトだと言われる。例外はまず少ないであろう。生身の人が集まってシステム作りを進めているうちに、どうしても馬が合ってしまう、という表現は変だろうが、お互いのリスペクトが次第に醸成されて、顧客と業者の線を越えた関係ができあがることがしばしばある。無論、新聞をにぎわすような金銭や私利が絡むようなものではなく、「阿吽のフレンドシップ」と呼ばれるべきものである。
母国で商売をしていても同様であろうが、この仕事を通じたフレンドシップは、海外という特殊性の分、より密度が高いのではないか。また海外で永く暮らす者がしばしば寂しさを味わわなければならないことの1つなのだが、せっかく出会い良い関係を築かせて頂いたお客様には必ずご帰国が訪れる。およそ3年から5年程度で彼らは帰国するし、そのことを彼らも赴任時から知っている。
本コラムの第16回でご紹介したソフトウェア作法を早速読んでみた、構造化プログラミングの概念が大体分かって良い書籍だった、ついては***の概念を理解するのに良い本はないだろうか、と日本からお電話を頂いた。現在日本でシステム構築を進められているとのことだが、この方は全く違った専門分野の学者さんのはずである。大変なご苦労であろう。非常な勉強家であることは在英時のお付き合いからうかがわれたが、仮に私が明日からアセット・マネジメント会社の社長をやりなさいと命を受けたらどうするのだろうか。
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エンジニアの至福 |
ともかく、お客様から良き刺激を頂戴できるのは、システム・インテグレーターの至福である。そしてエンジニアは、お客様になんらかの刺激やリスペクトを与えることを、常々意識して精進せねばならない。至福を覚えないシステム・インテグレーターは気の毒であり、意見を持てないシステム・インテグレーターを選んだお客様は、これも気の毒なことになる。
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ヒトの眼 |
システム・インテグレーターである当社幹部のコラムを1年弱連載させていただいた。駄文の数々にお付き合い頂いた読者の皆様と編集部に感謝しつつ、エンジニアの眼、というお題のことを改めて考えてみた。情報は本質だけを取り出したあと捨てるべきこと、作った機能は意地悪テストを徹底すること、火事場こそ落ち着きに落ち着いて事象のみを見ること。つらつらと挙げてみたが、これらはみな一般論となりそうだ。高級エンジニアになればなるほど、仕事人の眼、ヒトの眼、と置き換えてほぼ構わないだろう。
我が社では社員の職能分析システムを手作りし、手直しを続けてきた。エンジニアの評定には、もちろん純粋な技術力に得点が入れられるが、総合点の中で占める割合は意外と絶対的ではない。かつ年々減る傾向にある。これは多分に当社の主力商品がヒトに依存するサービスだからであろうが、将来のエンジニア像を示唆しているようで面白い。
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感性x読書 |
エンジニアとして尻が青いうちは、無論がむしゃらに技術を勉強し工夫を加え、まずは一つの技術だけに集中して腕を磨き、先輩をヒヤッとさせるべきである。これが出来さえすればしめたものだ。次にその幅を徐々に広げることになるが、次第に組織的な仕事が増えてくる。同僚や顧客と一緒にモノを作り保守することや、磨いた技術やノウハウを後輩に伝授することが求められ始め、他人とのコミュニケーション力がどんどん重みを増してくる。この力はインターネットが普及して情報量が一挙に増えた現在、さらに重みを増して求められているだろう。
そしてコミュニケーションはヒトの中身をさらけ出す。高級(高給?)エンジニアを雇い入れるとき、私は趣味をしばしば尋ねてみる。なぜなら、感性x読書量という式が、仕事人・ヒトとしての魅力を表して的を外すことが少ないからである。
編集部のご好意にて、バックナンバーを引き続き当社のホームページに掲載します。ご愛読ありがとうございました。
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