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新税年度についての確認事項

10 April 2008 vol.1142

4月6日から新税年度が始まりました。今回はまだ施行されたばかりの新税率や、私たちの生活に関連のありそうなその他の税制における変更事項についてご説明致します。


新税年度では所得税率が大幅に変更になったそうですね。

お給料などの勤労所得に対しては、今まで基礎控除額を差し引いた後の所得の大きさに応じて10%、22%、40%の順に累進課税されていました。しかし本年度からは最初の10%の低税率がなくなり、税率の種類は20%、40%のみとなります(詳しくは下の表をご覧ください)。尚、10%の税率は銀行利子所得などの「Savings Income(貯蓄所得)」に該当しますので、ご注意ください。

*上記は3月12日発表の政府発表予算に基づいています。今後「Finance Bill」が発表された際に変更される可能性もありますのでご注意ください。

株式などを売却した際のキャピタルゲイン課税が下がるとも聞きました。

所得税が基礎税率・最高税率の方、つまり所得が5435ポンド(約107万円)超の方にとっては、今後キャピタルゲイン課税が下がることになります。従来は本人の所得税率に準じて課税されていましたが、本年度からは売却益の金額に関わらず一律18%となります。例えば従来なら最高税率納税者(2008/09年では所得4万1435ポンド超(約820万円))の方にはキャピタルゲインに対して40%の最高税率が課税されていましたが、今年からは18%となるので税率は大幅に低くなる計算です。

一方インフレーションなどを考慮して利益から一定額を控除する「Taper Relief」は廃止となりました。また、キャピタルゲインのみに適用される基礎控除額が設けられていまして、去年の9200ポンド(約182万円)から9600ポンドと増加しています。

私は最高税率納税者なのですが、銀行利子の税率の方はどうなりますか。

残念ながら銀行利子についてはお給料などの勤労所得に加算され、本人の所得税率により総合課税されますので、最高税率の方はやはり40%にて課税されてしまいます。預金利子が非課税になる銀行口座キャッシュISAを毎年利用することによって、一定額まで節税することは可能です。

また個々の状況に応じてですが、オフショア預金なども検討する価値があります。奥様に所得がなければ奥様の預金口座に資金を移し、奥様名義で貯蓄を行えば、利子所得は基礎控除額まで非課税になるなど税率を低めることが可能になります。

ISAの枠が引き上げられるとも聞きましたが……。

ISAの構造が少し変更になりました。まず上限額ですが、キャッシュISA(預金)は3000ポンド(約59万円)から3600ポンドに増加、株式などは最高7200ポンドまで(キャッシュISAを既に行っている場合は3600ポンドまで)となりました。また、従来のMaxiやMini ISAといった定義はなくなり、Cash ISAとStock & Shares ISAのみになります。

加えまして、Cash ISAの残高をStock &Shares ISAに移行することも可能になりました。金利が低下し預金に妙味がなくなった場合に、株式などへ移行することが出来るようになったということです。残念ながら反対(株式から預金へ)の移行は不可能です。

最後に、ISAが導入されたときは2009年までとされていましたISA利用期間を、政府は無期限にすると発表しました。今後は長期ファイナンシャル・プラニングの要として是非毎年利用したいものです。

私たち在英邦人への国外の所得に対する課税がこれから厳しくなると伝えられていましたが、やはりこの税制も実施となってしまったようですよね。

はい。残念ながら施行される運びとなりました。在英期間が7年以上の「Non-domicile」と税制上定義される主に私たち外国人は、従来は英国外から生じる所得に対してはそれを国内に持ち込まない限り非課税でした。しかし本税年度からは①全世界の所得に対して課税②年間3万ポンド(約594万円)を支払い、所得を英国内に持ち込むときにさらにその所得に対し課税、のどちらかを選択しなければならなくなりました。

ただ年2000ポンド(約39万5000円)未満の海外所得に関しては、所得を英国に持ち込まない限り非課税で申告をする必要もありません。もし①を選択する場合は海外の所得をタックス・リターンの際に申告して納税することになります。

尚、来年の1月31日までに申請義務のあるタックス・リターンは昨年度分(2007/08)の所得に対して昨年度(2007/08)の税率にて行いますので、ご注意ください。


当コラムは2008年4月時点の法制と税制に基づき、一般的なガイダンスのために作成されており、皆様のご理解を深めるために内容を簡素化してある場合もあります。ご自身のファイナンシャル・プラニングに関しましては、必ず専門家にご相談ください。


和枝 ドゥルーリー FPC
日本人ファイナンシャルアドバイザー(FA)。
十数年間の米英系投資銀行勤務を経て、FAとして独立。日英両方の資格を有する。大手独立系FA会社に所属。
e-mail: info@kazuedrury-ifa.co.uk
URL: http://www.kazuedrury-ifa.co.uk
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