昨年7月に政府が新たに開設したルート、Tier1(Exceptional talent)の申請方法に、今月3日、若干の変更が加えられました。同日以降に同ルートに申請する方は、新しい申請方法に則って手続きを進める必要があります。
このTier1(Exceptional talent)は、科学、芸術、技術、人文科学の分野における優れた人材を英国に受け入れるために新設されたルートです。それぞれの分野に200〜300の枠が設けられ、今年3月までに合わせて1000枠が用意されています。ビザを取得すると、まず3年4カ月間の英国滞在が許可され、この期間を終了後には2年間の延長も可能です。また、同ビザを所持した上で5年以上英国に滞在していれば、永住権の申請も可能になります。今回変更が加えられるのは、このうち芸術の分野です。
そもそもTier1(Exceptional talent)は特殊な申請方法を採用しており、同ビザの支給に伴う候補者選定を、英国内における各分野の権威ある学術団体が監督し、様々な審査を経てこれらの団体から「最も優れた人材」と見なされた申請者だけが、英国国境局へ推薦されます。
芸術の分野は、英国アーツ・カウンシル(ACE)の管轄下に置かれています。今後は、これまで通りの必要書類に加え、ACEが新たに作成した申告書「Competent Boby Application Form」の提出が必要となります。同申告書には、同ルートでの入国を試みるすべての申請者に取得が義務付けられている、個人認識番号「Unique Reference Number(URN)」のほか、どういった活動を行うことを目標に渡英するのか、また、制作した作品のメディア媒体における評価、受賞歴、エキシビションの開催状況、そしてこれらについて証明する証拠書類の所在など、具体的な内容を明記することが求められます。記入事項が細かく設定されているほか、提出書類も多岐にわたっていることを鑑みると、専門家に相談し、慎重に手続きを進めることが成功への重要な鍵となるでしょう。
アピール(不服申し立て)が有料化
また、先月19日には、ビザの申請が却下された場合に無料で行うことが可能だったアピール(不服申し立て)が、有料化されました(一部例外あり)。同日以降に英国国境局によって下された判断に対して不服を申し立てる場合、書面での手続きに80ポンド、口頭での申し立てには140ポンドが課されます。さらに、英国外に居住している場合、これまでは各国のビザ申請センターを通しての申し立てが認められていましたが、今後は一切受け付けられないこととなり、英国にある第一段階審判所(移民・難民)(First-tier Tribunal(Immigration and Asylum Chamber))に直接申し立てを行うことが必須となります。
手数料は、本人か代理人によるカード支払いのみが有効となっており、現金及び小切手などは一切受け付けられていないので注意しましょう。手続きの詳細は法務省のウェブサイトで閲覧可能です(www.justice.gov.uk/downloads/guidance/courts-and-tribunals/tribunals/
immigration-and-asylum/first/online-fees-guidance.pdf)。
キャメロン政権の発足以来、移民への締め付けが、日を追うごとに厳しくなってきています。特に欧州経済領域(EEA)諸国以外からの移民はその政策の事実上の標的となっているのが現状です。ただ、だからと言って、夢に描いていた渡英を諦めるのは理不尽というもの。準備不足や知識不足でせっかくの機会をふいにしないために、専門家に相談した上で手続きを進めることを強くお勧めします。



ジェリー アクアリスタ

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