英国で公開された宮崎駿のアニメ映画
ロンドン地下鉄駅構内に貼られた宮崎駿監督の「風立ちぬ」のポスター
Jiro seems rather disingenuous
主人公の描き方が不誠実
「タイムズ」紙 5月9日
宮崎駿の最後の作品となった「風立ちぬ」は、「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」といった同監督の名作を愛してきた人々にとっては、当惑またはもどかしさを感じさせる作品である。細部まで豊かに描き込まれたその絵は相変わらずの美しさだが、第二次大戦における戦闘機の設計者の伝記という主題は、彼のトレードマークとなっている理想主義的な空想には不向きなのだ。ゼロ戦とは、結局のところ神風特攻隊が使用した軍機である。主人公の二郎を、戦争の現実から浮遊させて描くのは不誠実だ。
Miyazaki is dealing with bereavement and death
宮崎監督は死と死別を描いている
「インディペンデント」紙 5月9日
我々は宮崎駿と言えば可愛らしい作品を思い浮かべるが、「風立ちぬ」は全く趣が異なり、高齢の観客層を対象としているようだ。本作品には、コンピューター・グラフィックの技術を使った近年のハリウッドによるアニメ映画にはない非凡な優美さと繊細さがある。宮崎監督は死と死別を描いているのだ。久石譲の愉快で悲しげな旋律が、生のはかなさを思い起こさせるこの物語を引き立てている。英国公開版は字幕と吹き替えの2種類が用意されているが、詩的なセリフを考慮すると、字幕版の方が確実にお勧めだ。
ほかにもこんな日本報道が…
きゃりぱみゅはラヴィーンを追いやる
「ガーディアン」紙 5月1日
4月末にロンドン公演を行った日本人ミュージシャンのきゃりーぱみゅぱみゅを「まるでおとぎ話の登場人物のよう」と評価。「その目まぐるしく変わる可愛らしさと過熱気味のエネルギーで、もうすぐカナダ人ミュージシャンのアヴリル・ラヴィーンを脇に追いやることになるだろう」と伝える。
日本の企業統治は一部の新興国以下
「エコノミスト」誌 5月3日
日本の企業統治を「一部の新興国よりも遅れている」と論じる。
第2のチェルノブイリの内部
「デーリー・メール」紙 5月8日
震災発生から3年が経過した福島県富岡町の様子を写した写真を掲載。「第2のチェルノブイリの内部」との見出しを掲げる。
非生産的なマスコット狩りから逃れたモッピー
「ガーディアン」紙 5月8日
45種類以上の宣伝マスコットが乱立する大阪府において、いずれのマスコットも認知度が芳しくないことから整理を行う予定と報道。今後はこの「マスコット狩り」の対象から逃れたゆるキャラ「モッピー」に一本化していく方針が出されたと伝える。
任天堂が同性愛に「ノー」
BBC Online News 5月8日
任天堂のゲーム・ソフト「トモダチコレクション」の欧米版「トモダチライフ」において、ゲーム上のキャラクターが同性愛関係を結べるようにしてほしいとのユーザーからの要望を任天堂が拒否したと報じる。