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Nunnington Hall
ナニグトン・ホール
~ヨークシャーのナショナル・トラスト~
イングランドで最大の面積を誇るヨークシャーには、東の低地に広がるノース・ヨーク・ムーアズと西の高地に位置するヨークシャー・デイルズという2つの国立公園があります。「ムーア」は荒野を、「デイル」は谷を意味しますが、同地の自然景観はムーアとデイルを中心に構成されています。
ナショナル・トラストも、これらの国立公園のなかに多くの保護地を所有しています。その一つ、マルハム・ターン・エステイトは、「ジェイン・エア」や「嵐が丘」を生んだブロンテ姉妹ゆかりの地、ハワースから約20キロ南にある、素晴らしい景観が広がる原野です。
また海岸リゾート地スカーバラから西へ16キロほどのところにはブライドストーンズ・ムーアがあります。ヒースの花咲くムーアには、ジュラ紀の巨大な砂岩が突出。柔らかい下層部が風化により細くなり、硬い上層部が大きく残るその姿は、まさに自然がつくり出した芸術品と言えるでしょう。
そのブライドストーンズ・ムーアの南西に、今回ご紹介するナニグトン・ホールがあります。果樹園を中心とした、広大なオーガニック・ガーデンのなかに建つマナー・ハウスです。ここの歴史は古く、13世紀から始まりますが、一時期はヘンリー8世、エドワード6世、そしてエリザベス1世の医者の住居でもあったそうです。
現在の建物は17世紀から18世紀にかけて建造されたものです。ハウス内部では、世界有数のミニチュア・ルームのコレクションを見ることができます。「ミニチュア・ルーム」とは、ドール・ハウスよりもずっとリアルに再現された家具付きの模型部屋のこと。なかなかお目にかかれないコレクションです。
ヨークシャーには、このほかにも映画「嵐が丘」のロケ地、イースト・リデルスデン・ホールなど見どころがたくさんです。長い夏休みを利用して、じっくり巡ってみてください。 (文責・小野まり)

| Nunnington Hall |
| 住所 |
Nunnington, nr York, North Yorkshire YO62 5UY |
| Tel |
01439 748283 |
| 行き方 |
車で/Yorkの北、約34キロの
B1363付近。またはHelmsley
(A170)の南東、約7.2キロ。 |
| 開園日時 |
11月8日迄の月曜日を
除く毎日12:00~17:00
(8月迄は17:30閉園)。 |
| Web |
www.nationaltrust.org.uk |
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Castle Drogo
キャッスル・ドロゴ
~滑り台から見える眺め~
英西南部デボンのダートムーア国立公園内に建つキャッスル・ドロゴは、イングランドで最も新しく建てられた城です。言い換えると、今世紀初頭に建造されたイングランド最後の城ということになります。
石造りのその姿は、英国らしい「質実剛健」そのもの。ここは1910年から1931年にかけて、当時の億万長者ジュリアス・ドリューのために、建築家エドウィン・ラッチャンズ卿が建造した居城です。
城内はなかなか近代的な造り。ついこの間まで住人たちが生活していたかのように各部屋が再現され、公開されています。給仕の部屋や台所から、子供たちの洋服に至るまで、実際に使われたものだけあってさすがにリアル。いささか、気味悪いくらいです。でもこういう物が肌で感じられるというのは、素晴らしいこと。歴史の勉強にも、もってこいです。
城の外に出ると、ナショナル・トラストのなかでも一番高地にあると言われるガーデンが広がっています。このガーデンの設計はラッチャンズ卿と、彼と交友関係のあった有名園芸家ガードルード・ジェキルによってデザインされました。ゲート越しから見えるダートムーアの景観は必見です。
そして、もう一つのビューポイントが、ガーデンの裏手にあった子供用の遊び場に
置かれている、城の形をした滑り台の上。そこの絵を描けと息子にせがまれ、ついつい描いてしまったのがこの作品です。
ナショナル・トラストが保護する歴史的建造物の多くには、敷地内の片隅に「プレイグラウンド」と呼ばれる小さな子供たちのための遊び場が用意してあります。足元は転んでも怪我をしないように、細かい木のチップが敷きつめられ、遊具もすべて自然素材。親も子も安心して過ごせる、居心地の良い空間です。大人ばかりではなく、子供たちにもぜひ体験させてあげてください。 (文責・小野まり)

| Castle Drogo |
| 住所 |
Drewsteignton, nr Exeter, Devon EX6 6PB |
| Tel |
01647 433306 |
| 行き方 |
車で/ A30 Exeter-Okehamptonの南約8キロ。A382へ入り、Sandy Parkで出る。電車で/Yeoford から約12.8キロ |
| 開園日時 |
開園日時: 火曜日を除く毎日11:00~17:00。スクール・ホリデー中は無休(冬期は週末のみ)。 |
| Web |
www.nationaltrust.org.uk |
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Lindisfarne Castle
リンディスファーン・キャッスル
~北の果てのロマンティック・プレイス~
1999年に英国ナショナル・トラストのスケッチ旅行を敢行した我が家のルートは、まず南イングランドのケントからスタートしました。
およそ3カ月間、来る日も来る日もオンボロレンタカーを乗りまわし、訪ねたナショナル・トラストの数は58カ所。なかでも深く印象に残ったプロパティの一つがここ、リンディスファーン・キャッスルです。
「ホーリー・アイランド」という北の島に位置するこのプロパティは、イングランド北東部のノーザンバーランドにあります。地図上では完全に離島になっていますが、国道から島に続く道路があり、引潮時には車で行くことができます。
島に渡れるのは、引潮の間のほんの数時間。およそ5キロもあるアスファルトの立派な車道も、1日の半分以上は海のなかです。一体どうやってこの道路をつくったのでしょう? 引潮時のみの工事で、潮が満ちて来たら休憩したのでしょうか? まさに英国らしいと感心しきり。どこかの国なら、さしずめ景観無視の大橋を建造するか、自然を破壊しつつ海底トンネルを掘っているところでしょう。
訪れた翌日は雲一つない穏やかな晴天でしたが、島に近付くとたちまち靄(もや)がもくもく。辺りは深い霧に覆われ、築およそ500年の居城は、まるで要塞のような表情で私たちを出迎えてくれました。この城は、歴史的建造物としても大変有名で、英国人なら一生に一度はリンディス参りをすると言われるほどです。そしてその光景は、印象派の絵の中に迷いこんでしまったような、とても幻想的な世界でした。
島の中心にある小さな街には、要塞さながらの城とはうって変わり可愛いお土産屋さんや魅力的なティー・ルーム、ホテルが並んでいます。幽玄な世界とお洒落なリゾート地、この2つを同時に堪能できる素敵な場所です。 (文責・小野まり)

| Lindisfarne Castle |
| 住所 |
Holy Island, Berwick-upon-Tweed, Northumberland TD15 2SH |
| Tel |
01289 389244 |
| 行き方 |
車で/A1から東へ約8キロ。Causeway(海峡道路)を経てホーリー島へ。電車で/Berwick-upon-Tweed。Causeway(海峡道路)から約16キロ。 |
| 開園日時 |
3月中旬~11月上旬までの月曜日を除く毎日(開園時間は日によって異なる)。 |
| Web |
www.nationaltrust.org.uk |
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Croft Castle
クロフト・キャッスル
~波乱の時代を生きた城~
クロフト・キャッスルはイングランド中西部、ヘレフォードシャーにある歴史的建造物です。お天気の良い日にはウェールズとイングランドの国境も含め、14の県を見渡せる素晴らしい景観地にあります。
この城の起源は11世紀。当時は広大な敷地に2つのマナーハウスと3つの教会、そして4つのパークランド(公園)がありました。いずれも、今なおこの地に住むクロフト一族のものでした。
その地に現在の城が建造されたのは14世紀のこと。隣国ウェールズが血で血を洗う権力闘争を繰り返し、イングランドでも数々の内乱や百年戦争が勃発するなど、まさに波乱の時代でした。
かつてはウェールズからの攻撃に備えたノルマンディの拠点ともいわれ、そのせいか、英国内に数多くある歴史的建造物のなかでも、一際「砦」のような威厳さを兼ね備えています。
やがて17世紀には、居住のための大邸宅へと修復。さらに1746年には財政的な理由からクロフト一族はこの地を手放します。
しかし1923年、再びクロフト家の人々がここを買い取り、現在もその家族が暮らしています。ここがナショナル・トラストの保護下になったのは1957年でした。以来、1000年以上もの歴史を重ねてきたこの土地の大修復作業が続いています。
スケッチのためにここを訪れた日は休園日でしたが、運良くヘッド・ガーディナー直々のガーデン案内となりました。もう5年も前の話になりますが、何もない一面芝生のガーデンを歩きながら、「ここが花壇、ここがウォール・ガーデン……」と熱心に案内してくれます。そう、この城が最も威厳を放ち、華やかだった時代までさかのぼり、当時の姿そのままに復元させようという試みを始めたばかりの時だったのです。
現在では、そのウォール・ガーデンも見事に復元され、この地方一番の美しさを誇っているそうです。 (文責・小野まり)

| Croft Castle and Parkland |
| 住所 |
Yarpole, nr Leominster, Herefordshire HR6 9PW |
| Tel |
01568 780141 (Infoline) |
| 行き方 |
車で/Leominsterの北西約8キロ。Ludlowの南西約14.4キロ。電車で/Leominsterから約11.2キロ。 |
| 開園日時 |
10月末までの月・火曜日を除く毎日11:00~17:00(冬期は週末のみ開園)。 |
| Web |
www.nationaltrust.org.uk |
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Stowe Landscape Gardens
ストウ・ランドスケープ・ガーデンズ
~名門パブリック・スクールの庭~
眩しい晴天のなか、品の良いご年輩の方々がのんびりとゴルフを楽しんでいる光景を目にしたのは、ナショナル・トラストのなかでは、後にも先にもここだけです。
イングランド南東部バッキンガムシャーにある名門パブリック・スクール、ストウ・スクール。1676年から記録が残っている、重厚かつ壮大なハウスは、その主な設計を有名建築家、ロバート・アダムが担当。英国屈指の美しい建造物を校舎とする学校ですが、ガーデンもおよそ3平方キロメートルという広大なものです。そのガーデン部分をナショナル・トラストが管理・運営しています。
このガーデンは「ランドスケープ(風景式)・ガーデン」という、18世紀から19世紀にかけて英国独自の発展を遂げていった様式を採用しています。当時、最も人気を博していた風景式ガーデンの造園家、ケイパビリティ・ブラウンのデザインで、その完成度は英国一と言われています。
ガーデンに点在するモニュメントや寺院の数は40以上。その一つ一つが歴史的にも意味を持つ、貴重な文化財です。
およそ350年間、ある名門一族によって受け継がれてきたストウですが、1922年、英国の陶磁器メーカー、ポートメリオンの創始者がこのストウを買い取り、学校としての再利用が開始されました。その後、ここで学ぶ生徒が、この歴史的建造物と景観美を享受できるよう、本格的な補修工事がスタート。やがて、その重要度から国家事業となりましたが、1990年にはナショナル・トラストがガーデンを引き継ぎました。
現在でも目をみはるような美しいガーデンですが、補修そのものはまだまだ続いています。なんでも、ここが最も美しかった完成当初と同様の景色を再現できるまで続くのだとか。英国人の景観美にかける情熱と根気を実感するガーデンです。(文責・小野まり)
| Stowe Landscape Gardens |
| 住所 |
Buckingham,Buckinghamshire MK18 5DQ |
| Tel |
01494 755568 (Infoline) |
| 行き方 |
車でロンドンからM40の第10出口、またはM1の第13出口からBuckingham 方面へ。A422を経てStowe Avenue へ向かう。
電車で: Bicester North から約14.4キロ。 |
| 開園日時 |
11月2日迄の月・火曜日を除く毎日10:30~17:30。 |
| Web |
www.nationaltrust.org.uk |
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