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Tue, 04 August 2020

英国ニュース解説

最終更新日:2012年9月26日

ロンドンで自転車レンタル・スキームが開始

首都ロンドンを6000台が走る
自転車レンタル・スキームが開始

7月末、ロンドンでもいよいよ自転車のレンタル・スキームが始まった。ボリス・ジョンソン・ロンドン市長の念願であったというこのプロジェクトは、地下鉄やバスの利用に慣れたロンドン市民の移動方法を大きく変えることになるのか。今回は、このスキームの仕組みについて解説する。

ロンドンの自転車レンタル・スキームの仕組み

Barclays Cycle Hire Scheme利用者の区分

(1)メンバー
メンバーになるには、ロンドン交通局のウェブサイト(www.tfl.gov.uk)または電話で登録を行わなければならない。 登録にはデビット・カードまたはクレジット・カードの情報が必要。登録すると、「メンバーシップ・キー(Membership Key)」と呼ばれる、自転車を借りる際に使う電子キーが郵便で送られてくる。

(2)カジュアル・ユーザー
登録の必要なし。

利用方法

自転車を借りる
「メンバー」として登録している人は、ロンドン中心部の各地に設置された駐輪場で、自転車が固定されている駐輪機に自分の「メンバーシップ・キー」を差し込むことによって、自転車を取り外し、借りることができる。「カジュアル・ユーザー」は、「自転車アクセス料」を支払った際に配布された5桁の番号を駐輪機に入力することにより、自転車を取り外し、借りることができる。

自転車を利用する
「自転車アクセス料」を払った時間内なら、借りた自転車を返却しても、再び何度でも別の自転車を借りることが可能である。ただし、「自転車利用料」は、自転車を借りる度に発生する。また、1度自転車を返した後、次に借りることができるのは、返却の5分後以降である。

自転車を返却する
「自転車アクセス料」を払った時間内に、駐輪場に自転車を返却する。自転車を返却する駐輪場は、借りた駐輪場と同じである必要はない。

料金

自転車アクセス料(Access Fee)
24時間 1ポンド
7日間 5ポンド (1日あたり71ペンス)
1年間 45ポンド (1日あたり12ペンス)

Boris Johnson
自転車利用料(Usage Charge)
30分まで 無料
1時間まで 1ポンド
1時間半まで 4ポンド
2時間まで 6ポンド
2時間半まで 10ポンド
4時間まで 15ポンド
6時間まで 35ポンド
24時間まで 50ポンド

  • 自転車を借りるには、「自転車アクセス料」と「自転車利用料」の両方を払わなければならない。
  • 1年間の「自転車アクセス料」を払うことができるのは、「メンバー」として登録している人のみ。
  • 「自転車アクセス料」の支払い方法は、「メンバー」の場合、ロンドン交通局のウェブサイトまたは電話で、クレジット・カードまたはデビット・カードを使って支払う。「カジュアル・ユーザー」は、各駐輪場(「ドッキング・ステーション」と呼ばれる)に設置されているターミナルで、あるいはロンドン交通局のウェブサイトまたは電話で、クレジット・カードまたはデビット・カードを使って支払う。
  • 「自転車利用料」は、24時間または7日間の自転車アクセス期間を選んだ場合、それらのアクセス期間が終了した時点で、クレジット・カード及びデビット・カードに課金される。これは「メンバー」でも「カジュアル・ユーザー」でも同じ。「メンバー」として登録しており、1 年間の自転車アクセス料を払っている場合は、月ごとにクレジット・カードまたはデビット・カードに課金されるほか、銀行引き落とし(ダイレクト・デビット)での支払いを選ぶこともできる。
  • 「自転車アクセス料」及び「自転車利用料」の現金での支払いは不可。 オイスター・カードは使用不可。

その他の料金

メンバーシップ・キー 3ポンド
自転車のレンタル時間が「自転車アクセス料」を払った時間を超過した場合の罰金 150ポンド
自転車を破損・故障させた場合の罰金 最高300ポンド
自転車を返却しなかった場合の罰金 300ポンド
  • これらの罰金はクレジット・カードまたはデビット・カードに課金される。
  • 「メンバー」は、「自動更新(Auto-Renewal)」のオプションを選択すれば、自転車レンタル中に利用時間が「自転車アクセス料」を支払った時間を超えてしまった場合でも、自動更新機能が働き、「自転車アクセス料」の更新ができる(最後に支払ったのと同じ種類の「自転車アクセス料」が新たに課金される)。
  • また、「メンバー」で、「自動更新」のオプションを選択していれば、自転車を借りる度に「自転車アクセス料」の支払いの手続きをしなくても、駐輪機(「ドッキング・ポイント」と呼ばれる)に自分のメンバーシップ・キーを挿入するだけで、前回支払ったのと同じ種類の「自転車アクセス料」が課金される仕組みになっている。

その他

  • 1日24時間、自転車のレンタルが可能。
  • 「カジュアル・ユーザー」の利用は8月末から開始。現在は「メンバー」として登録した人しか利用できない。
  • 1回ごとの「自転車利用料」の支払い可能時間は最大24時間。
  • 観光客など英国非在住者でも、「カジュアル・ユーザー」として利用が可能。
  • 駐輪場は、地下鉄のゾーン1とほぼ重なるロンドン中心部のエリア内に、約300メートル間隔で約400カ所設置されている。
  • 自転車レンタルの予約はできない。
  • 「メンバー」及び「カジュアル・ユーザー」として本スキームを利用できるのは18歳から。
  • ただし、「メンバー」または「カジュアル・ユーザー」は、最大3人までの14歳以上の者を、自分の「追加ユーザー」とすることができる。「追加ユーザー」の「自転車アクセス料」及び「自転車利用料」は、「メンバー」または「カジュアル・ユーザー」が負担する。
  • 駐輪場で自転車を返却しようとしたが、すべての駐輪機に自転車が駐輪されており、自転車を返却できない場合、別の駐輪場への移動を可能にするため、自転車の利用可能時間が無料で15分間延長される(時間延長のための操作は駐輪場のターミナルで行うことができる)。使用されていない駐輪機がある近くの駐輪場の場所は、駐輪場に設置されているターミナルに示されるインタラクティブ・マップで知ることができる。
  • 駐輪場に自転車がない場合(すべて貸し出しされている場合)は、駐輪場のターミナルに示されるインタラクティブ・マップで、利用可能な自転車が駐輪されている近くの駐輪場の場所を知ることができる。
  • 本スキームで貸し出される自転車は、本スキーム専用の駐輪場以外の場所に駐輪してはいけない(自転車に鍵は付いていない)。

Source: Transport for London

最初の30分は利用料無料

フランス・パリなど、自転車のレンタル・スキームを実施している自治体の例は数多くある。カナダのモントリオール市の例に倣ったというロンドンのスキームでは、合計6000台の自転車がレンタルされており、「ドッキング・ステーション」と呼ばれる駐輪場は、ロンドン中心部に約400カ所設置されている。自転車の車体に大きく「BARCLAYS」と書いてあることからも分かるように、バークレイズ銀行がスポンサーとなっており、2500万ポンド(約33億7500万円)を拠出しているという。

スキームの利用には、「自転車アクセス料」と「自転車利用料」の両方を払う必要がある。「アクセス料」は、24時間なら1ポンド(約135円)で、「利用料」は、最初の30分は無料である。「アクセス料」を支払った時間内ならば、何度でも自転車を借りることができる。つまり、24時間の「アクセス料」を払い、上手に駐輪場から駐輪場の間を移動して、すべての自転車の利用時間を30分以内にとどめれば、1日わずか1ポンドで、ロンドン内を快適に移動できることになる。

長時間の利用は割高

利用者の区分には、登録を必要とする「メンバー」と、登録を必要としない「カジュアル・ユーザー」がある。どちらのステータスでも料金は変わらないが、「メンバー」になると、「アクセス料」を1年分まとめて払うことができる。現在は、「メンバー」のみが同スキームを利用することが可能であり、「カジュアル・ユーザー」の利用は8月末からとなっている。

このように、普段自転車を利用しない人でもペダルを漕ぎたい気持ちにさせる魅力的なスキームであるが、一つ指摘されていることは、自転車の利用時間が長時間にわたる場合の「利用料」が高いことである。例えば、4時間までの「利用料」は15ポンド(約2025円)、6時間までなら35ポンド(約4725円)、1回ごとの最大利用可能時間である「24時間まで」を選んだ場合、なんと50ポンド(約6750円)にまではね上がる。これは、同スキームが主に短い距離の移動を対象にしているためであり、ロンドン交通局(TfL)の広報官は、「長時間にわたって自転車を借りたい人は、民間の自転車レンタル会社を利用してほしい」と述べている。

ロンドンの新たなシンボルに

自転車レンタル・スキームの実施は、自身も自転車好きなことで知られるボリス・ジョンソン・ロンドン市長の市長当選以来の念願であったらしい。同市長は、2025年までに、ロンドン市民の自転車利用を2000年比で400%増やしたい意向であり、今回のスキームの開始にあたっては、公共交通機関の混雑解消や健康増進など、自転車の利点を市民にアピールしている。

ロンドンの広域行政を担当するグレーター・ロンドン・オーソリティー(GLA)の交通政策局長であるクルビア・レンジャー氏は、同スキームで使われている青色の自転車を、赤いバスや黒塗りのタクシーと同様のロンドン名物にしたいと意気込みを語っている。ともあれ、ロンドン住民ならば1度は試してみたいスキームであると言えるだろう。

Boris Johnson

ロンドン市長。1964年6月19日生まれ、46歳。父方の曽祖父は、オスマン帝国時代のトルコで内務大臣を務めた経験もあるトルコ人ジャーナリストだった。また、父方の祖母の祖先はハノーバー朝の王ジョージ2世である。オックスフォード大卒。「デーリー・テレグラフ」紙の記者、「スペクテーター」誌の編集長などを務めた後、2001年に下院議員に初当選。08年のロンドン市長選で現職のケン・リビングストン氏を破り、当選。サイクリング好きで知られており、自前の自転車にまたがり、颯爽と移動する姿はメディアでもしばしば取り上げられている。

(猫)

 
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