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Fri, 03 December 2021

「The Financial Times」紙って、
一体どんな新聞なの? - 小林恭子

Tier2(General)について

英政府による移民制限が年々強まるにつれて、日本人を含む、欧州経済地域(EEA)以外の国籍を持つ人材が英国内で就労するのが大変難しくなってきています。日本人が英国にある企業に就職する場合、大多数がかつてのワーク・パーミット(労働許可証)に相当するTier2の取得を求められることになりますが、この申請手続きが困難を極めているためです。そこで今回は、このTier2について改めて概要を振り返ってみたいと思います。Tier2は主にいわゆる現地採用の方々が取得するGeneralと、駐在員に対して発給されるIntra-company Transferの2種類に大別できますが、今回は前者について説明いたします。

● 雇用主側の準備

企業がTier2(General)において人材を確保するためには、「スポンサーシップ証明」と呼ばれる許可証を取得しなければなりません。これは逆に求職者の観点から言えば、現時点で就労を許可するそのほかの形態のビザを持っていない場合、スポンサーシップ証明を取得できない企業には就職できないことを意味します。

スポンサーシップ証明の取得以外にも、企業には様々な条件が課せられています。例えば、企業は日本人を雇用することを検討する前に、英国内に求人広告を出稿することで広く人材を募集しなければなりません(一部の例外を除く)。それでも適切な人材が見つからなかった場合のみ、応募者の中から日本人を含むEEA以外の国籍を持つ人材を採用することが可能になるのです。

さらに、Tier2を取得するためには、仕事の内容が国家職業資格(NVQ)のレベル6(管理職または専門技能を必要とする職種に相当)以上でなければならないと定められています。また一部の例外を除き、年収は最低2万500ポンド(約364万円)、職種によってはさらに高い最低給与額が設定されています。

● 被雇用者側の準備

雇用者だけではなく、Tier2の申請者となる被雇用者にも様々な条件が課せられています。まず生計を立てる能力を証明するために、原則的に最低945ポンドの貯金を有していなければなりません。さらに家族を同伴して英国に滞在する場合は、家族一人につき別途630ポンドの資金を用意する必要があります。また政府が認定した英語テストの成績や、英語で授業が実施された高等教育機関の卒業証明などを通じて英語力を証明することも求められます。

これら一連の条件を整えた上で、初めて申請することが可能となるのです。尚、申請は英国外から行うことが求められます(延長の際には英国内から申請可)。

● 給与、学歴、英語力なども問われる

ここまでの条件をすべてそろえたとしても、必ず申請が許可されるというわけではありません。一部の例外を除き、EEA以外の国籍を持つ人材を対象としたTier2(General)の年間発給数はあらかじめ定められているため、見込み給料、学歴、英語力などを得点化した上で総合点が高い申請者から優先的に発給していくという仕組みになっているからです。

このように、Tier2(General)の申請手続きは複雑であるため、専門家のアドバイスなしで進めるのが非常に難しくなっています。できるだけ早い段階で準備を開始し、専門家と二人三脚で申請手続きを着実に進めるようにしましょう。

 
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小林恭子小林恭子 Ginko Kobayashi
フィナンシャル・タイムズの実力在英ジャーナリスト。読売新聞の英字日刊紙「デイリー・ヨミウリ(現ジャパン・ニュース)」の記者・編集者を経て、2002年に来英。英国を始めとした欧州のメディア事情、政治、経済、社会現象を複数の媒体に寄稿。著書に「英国メディア史」(中央公論新社)、共著に「日本人が知らないウィキリークス」(洋泉社) など。

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